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#2 出会い

フロアのモップがけをし終わる頃には、湘北メンバー全員が集合していた。

各々ストレッチをしたり、シュート練習をして体を温めている。


「花道、お前しょっちゅう病院に行ってるけど、ホントに大丈夫なのか?背中」


キャプテンになった宮城が腕のストレッチをしながら桜木に問う。


「なに言ってるんだ、リョーちん!この天才に心配は無用!」

「ほほぉ!天才!!花道が天才ねぇ!」

「で、…その天才ってのはどこにいるんだ?」


いつの間にか加わった三井と明らかにバカにした返事。


「なんだとー!ミッチー!」


湘北のいつものやりとりだ。

念入りに背中のストレッチをしてるクセによく言うよ…

と宮城心の中でやれやれと笑った。

医者に言われてプレイはごくごく短時間、軽いものだけ。

背中への負担を避けるためだ。

それでもプレイができるだけ大した回復だと医者は言う。

そういうわけで練習も自然と基礎を中心としたものばかりになっていた。

1ヶ月以上バスケットから離れた桜木は明らかなブランクを感じていた。

1ヶ月バスケをしないだけで、こんなにも体がプレイを忘れるとは…

思うように動かない体に、桜木は復帰した当初、かなり動揺した。

イライラとショックが重なった桜木に晴子が励まし、今では口でぶつぶつ文句を言いながらも、基礎練習を進んで行う日々。

明らかに成長し、前に進んだ証拠だ。


「ほっほっほ、みなさん、こんにちは」


安西が少し遅れてやってきた。


「「「ちゅーーーす!」」」


よく見ると後ろに赤木と木暮の姿が。


「あ!赤木先輩、木暮先輩!どうしたんですか?お揃いで」


彩子が嬉しそうに三人の元へ駆け寄る。


「バスケが恋しくなっちゃってね。赤木を引っ張って見にきたんだ」

「まったく、俺たちは引退したんだぞ…おまけに受験も控えている…。こんな事をしている場合じゃないというのに…」


ニコニコと答える木暮に対して自分はあくまで不本意でやってきたんだという態度の赤木。

それでも体育館に来たということは自分も顔を出したかったという証拠だ。

木暮と彩子は敢えてそれを口にはせず、互いの顔を見合わせ、静かにニコリと笑った。


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