#2 出会い

今日は日曜日。午後から部活がある。

インターハイが終わったとはいえ、次は秋の国体と冬の選抜大会がある。

インターハイに初出場し、優勝候補の山王を倒した湘北の面々は練習に益々力が入る。

日曜日に練習があるのは当然といえば当然だ。

流川は湘北のエースとはいえまだ1年生なので練習前後の雑用はしなければならない。

一番乗りで体育館に入り、黙々とモップがけをする。

早く準備をすればそれだけ早く体育館を使う事ができる。

掃除は好きではないが、昔からやっている事だ。

全く苦にはならない。

キュッというバッシュの音と共に同じ1年の桑田が扉から声をかけた。


「あれ、流川くん、早いね。今日はオレ、早めにきたと思ったんだけど。」

「うす」


モップの手を止め、返事をする。

しばらくすると他の面々も顔を出しはじめ、各々モップがけをしたり、ボールを出したりする。


「こんにちはーー!」


元気な声と共に彩子がハリセン片手にやってきた。


「「「ちゅーーっす!」」」
「…っす」


1年生は作業の手を止めて挨拶する。


「あら?桜木花道がまだきてないじゃない」


辺りを見回しながら彩子は赤い頭を探している。


「あ、桜木くんなら練習前に医者に行くって言ってましたよ」


彩子の近くにいた石井が答えた。

背中を傷めてリハビリ入院をしていた桜木。

脅威の回復力とリハビリのおかげで退院するほどまでに至ったが、まだ無理は禁物だった。

桜木曰く「選手生命に関わるといけない」とかでこまめに接骨院に行ったり、リハビリ入院をした病院に通っている。


「まめな男、桜木!!」


…とのことだ。


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