BSR
情けを憾み
超刀を抱えて蹲る慶次の隣りで、苦味走った政宗が腕を組んで立っていた。
立ち上がった政宗からは慶次の表情は窺い知れない。泣いてはいない、その程度のことしかわからなかった。ただ悲しんでいるのに変わりはない。
面倒な仕組みの野郎だ、と政宗は眉を顰める。慶次の優しさは美徳だが、欠点にも見えた。
「恨まねえのか、その方が楽だろう」
息を吐き出すような行いを、その普遍的な慰めを慶次は聞き入れず、ゆっくりと首を振った。
「できないよ」
呟きから滲む痛ましさに掛ける言葉はなかった。自身と慶次では根本的に違うのだと、内心で言い訳せざるを得ない。戦の世で異質なのは彼の方だ。
政宗は蹲ったままの彼に付き合っているわけにもいかず、その場を後にしようと背を向ける。もう立ち上がったのだ。いつまでも足を止めてはいられない。
歩き出す前に、思ったことを率直に口にした。
「It's crazy……あんたは優しすぎる」
政宗の嘆息に、慶次は小さく声に出して笑う。そして違うと否定した。
「弱いだけだよ」
嘲りであるそれを最後に、足音だけが遠ざかる。政宗も慶次も、決して振り向くことはなかった。
超刀を抱えて蹲る慶次の隣りで、苦味走った政宗が腕を組んで立っていた。
立ち上がった政宗からは慶次の表情は窺い知れない。泣いてはいない、その程度のことしかわからなかった。ただ悲しんでいるのに変わりはない。
面倒な仕組みの野郎だ、と政宗は眉を顰める。慶次の優しさは美徳だが、欠点にも見えた。
「恨まねえのか、その方が楽だろう」
息を吐き出すような行いを、その普遍的な慰めを慶次は聞き入れず、ゆっくりと首を振った。
「できないよ」
呟きから滲む痛ましさに掛ける言葉はなかった。自身と慶次では根本的に違うのだと、内心で言い訳せざるを得ない。戦の世で異質なのは彼の方だ。
政宗は蹲ったままの彼に付き合っているわけにもいかず、その場を後にしようと背を向ける。もう立ち上がったのだ。いつまでも足を止めてはいられない。
歩き出す前に、思ったことを率直に口にした。
「It's crazy……あんたは優しすぎる」
政宗の嘆息に、慶次は小さく声に出して笑う。そして違うと否定した。
「弱いだけだよ」
嘲りであるそれを最後に、足音だけが遠ざかる。政宗も慶次も、決して振り向くことはなかった。