ペルソナ

男主と真田

「……っと」
 散開命令を出していたリーダーの少年は見つけたシャドウと対峙した。丁度居合わせた真田もそれに巻き込まれる。
 しかし文句一つ漏らさず手を貸す真田を横目に、少年は要らぬ世話だと言いたげに眉を顰めつつ刀を構え、振り下ろされる黒い腕を刀で受け流した。
 攻撃には転じずに半歩ほど飛び退き、シャドウに一瞥をくれてやっただけでその後は見向きもせずに駆け出す。
 少年が片足を地から離した瞬間――。
「ポリデュークス!」
 透き通った掛け声の直後、稲妻がシャドウへと落ちた。
 炭屑になったシャドウの後ろ、その崩れていく隙間から覗くのは、召喚器を手にした真田だ。
 少年はボロボロと落ちた炭屑の横を、それから真田の横も通り過ぎる。目前のシャドウを綺麗に袈裟斬って、真っ二つとまではいかなかったそれの仮面を押し返すように蹴り飛ばした。
 召喚器を手早くしまった真田が、軽快なステップでシャドウの攻撃を避ける。いつも行うトレーニングのような的確さで空いた箇所へと拳を叩き込み、怯んだシャドウとの間合いを取った。
 ざっと床を蹴る音に気配を感じる。
 少年に蹴り飛ばされたシャドウが身を悶えさせながら起き上がり、真田が拳を浴びせたシャドウも緩慢に動き出す。
 すり足で後ろへ退くと誰かの背中とぶつかった。軽い衝撃。だが気にする程度ではない。
 お互い後ろは確認しない。誰なのかなどと、見なくても判ることだ。
 ただ召喚器を、こめかみと額へ。
 後はその引き金を引く、それだけだ。
「──ペルソナッ!」
 二人は不敵な笑みを浮かべて、同時に撃ち抜いた。
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