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午後の事故
ドスン、バタンッ! と、それはまあ重い音が聞こえたわけである。
重量のあるものが落ちたような音は、廊下を歩いていたミスタの耳にしっかりと届いた。それに目を丸くして立ち止まり、不審に思って、音の出所であろう一室へと足を進めた。
部屋に近付くにつれ、バタバタと何か慌ただしい音が大きくなる。しかしドアの前までやって来ると音はぴたりと止んだ。ミスタは首を傾げたが、とにかく確かめてみようとドアを開けた。
ノックをし忘れたのがよくなかったのかもしれない。目の前の光景に呆気に取られながら、ミスタはぼんやり思った。
「…………」
室内にいたのはジョルノと仗助である。そして三人の間に流れる沈黙。カチカチと時計の針の音が響く。しかしすぐさまジョルノが至って平静な声で以て、静けさを打ち破った。
「取り込み中ですよ」
なんともテンプレートな台詞であった。
ジョルノの目は獲物を見つめる猛禽類の如く据わっていて、寄らば斬ると言わんばかりの眼光にミスタは知らず知らず冷や汗をかいた。
要するに、お邪魔だったのだ。
今まさにジョルノは仗助をベッドに押し倒していて、仗助の服が割と乱れていて、いつもきっちりセットされたリーゼントも崩れていて、馬乗りになったジョルノの片手が仗助の服の中に突っ込まれていて、仗助がジョルノを突っぱねるように腕を伸ばしていて、その手首をジョルノが掴んでいて、仗助は赤いんだか青いんだかまぜこぜになった顔をして唇を戦慄かせている。そんな二人に痛いほど凝視されながらもミスタの感想は「あー、そっかー、お前らそういう関係なんだー」程度であったが、仗助が今にも羞恥に悶えて爆ぜそうな感じだったので流石に心苦しさを覚えた。すまん、ほんとすまん。途方に暮れた気持ちで内心謝罪した。しかし同時に、真っ只中じゃなかったんだからいいじゃねえか、とも思った。言ったら最後、この場は爆心地と化したであろう。
「……なんかデカい音がしたからさ……。悪かったな……」
目を逸らしつつ、ミスタは静かにドアを閉めた。淡々と踵を返す。部屋から少し離れたところで、仗助の絶叫が耳に届いた。それには鍵をかけ忘れた方も悪い、と正当な意見を胸に、一刻も早く立ち去ることを決めた。
この時、時刻は午後四時を過ぎた頃であった。
ドスン、バタンッ! と、それはまあ重い音が聞こえたわけである。
重量のあるものが落ちたような音は、廊下を歩いていたミスタの耳にしっかりと届いた。それに目を丸くして立ち止まり、不審に思って、音の出所であろう一室へと足を進めた。
部屋に近付くにつれ、バタバタと何か慌ただしい音が大きくなる。しかしドアの前までやって来ると音はぴたりと止んだ。ミスタは首を傾げたが、とにかく確かめてみようとドアを開けた。
ノックをし忘れたのがよくなかったのかもしれない。目の前の光景に呆気に取られながら、ミスタはぼんやり思った。
「…………」
室内にいたのはジョルノと仗助である。そして三人の間に流れる沈黙。カチカチと時計の針の音が響く。しかしすぐさまジョルノが至って平静な声で以て、静けさを打ち破った。
「取り込み中ですよ」
なんともテンプレートな台詞であった。
ジョルノの目は獲物を見つめる猛禽類の如く据わっていて、寄らば斬ると言わんばかりの眼光にミスタは知らず知らず冷や汗をかいた。
要するに、お邪魔だったのだ。
今まさにジョルノは仗助をベッドに押し倒していて、仗助の服が割と乱れていて、いつもきっちりセットされたリーゼントも崩れていて、馬乗りになったジョルノの片手が仗助の服の中に突っ込まれていて、仗助がジョルノを突っぱねるように腕を伸ばしていて、その手首をジョルノが掴んでいて、仗助は赤いんだか青いんだかまぜこぜになった顔をして唇を戦慄かせている。そんな二人に痛いほど凝視されながらもミスタの感想は「あー、そっかー、お前らそういう関係なんだー」程度であったが、仗助が今にも羞恥に悶えて爆ぜそうな感じだったので流石に心苦しさを覚えた。すまん、ほんとすまん。途方に暮れた気持ちで内心謝罪した。しかし同時に、真っ只中じゃなかったんだからいいじゃねえか、とも思った。言ったら最後、この場は爆心地と化したであろう。
「……なんかデカい音がしたからさ……。悪かったな……」
目を逸らしつつ、ミスタは静かにドアを閉めた。淡々と踵を返す。部屋から少し離れたところで、仗助の絶叫が耳に届いた。それには鍵をかけ忘れた方も悪い、と正当な意見を胸に、一刻も早く立ち去ることを決めた。
この時、時刻は午後四時を過ぎた頃であった。
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