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不穏な本丸
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#不穏な本丸
「ただいまーあぢぃ〜、みっちゃーーん麦茶あるー?」
政府の会議を終え、本丸に帰宅するなり、台所にいるであろう、非番の光忠に呼びかける。
この本丸は玄関上がってすぐ右横にトイレ、そこから真っ直ぐ行った所に台所がある。
「おかえり主君、冷蔵庫に冷やしてあるよ、あと、アイスもあるから皆と分けてー、ちゃんと手を洗ってからだよー!!」
「はーい!集まれ刀達ーーーーー!!」
主の掛け声と共に夕涼みをしていた刀達がどこらとも無く集まってくる。手を洗ってアイス食べるぞー、と言うと皆嬉しそうに洗面所に向かう。
(混みそうだから最後でいっか……)
「にしても、あっつい……」
梅雨が明け間もないと言うのに、真夏のような暑さだ。汗が顔の輪郭をなぞり畳に落ちて染みを作る。
外ではすでに、ひぐらしだかセミだかが鳴いている。
「…………」
「どうしたんだい主殿?」
「あぁ、石切丸さん」
居間から外を眺めているといつの間にか石切丸さんが後ろにいた。
心配そうにこちらを覗き込んでいる。
「うん、んー、少しね____」
「?」
ここ最近、外から異様な気配を感じる事が多々ある。
部屋に1人でいる時や、こうして居間にいる時など、だが、いまいち確証が持てないのだ。
毎日毎日気配がある訳ではないし、部屋に入ってくるわけでも無いし…。
確証が持てない事を話して皆を心配させても仕方ないだろう。
「いや、やっぱ、何でもないよ、きっと私の思い過ごしだ」
「そうかい?なら、いいけど、最近は変な気配が多いからね、気をつけるんだよ?おや、手洗い場が空いたようだ、行こうか」
「お、おう……」
『最近は変な気配が多いからね』……。
(え、いや、え……)
「………ちょっと、パッパ〜??」
1人意気揚々と手洗い場に向かう石切丸さんの背にきっと聞こえないであろうが呼びかける。
光忠お手製の冷し汁(いつの間にか私の母から教わっていたらしい)で夕飯を済ませ、しばらく縁側で涼みながら、タバコを一服していると外にある溜池の側に今剣の様な姿が見えた。
1人で涼みに来たのだろうか、それにしては何だか様子がおかしい気がする。
いつもの様な明るさがないと言うか、生気が感じられない気がする。
ただ、こちらをじっ…と見つめる赤い目だけが、何故からんらんと光っていた。
「いまt___」
「___呼ばない方がいいよ」
「うわぁ‼‼わぁ!!!」
心配になって呼ぼうとすると、青江が後ろからぬっと現れた。
飛び出そうな心臓を抑えながら青江の方を向く。
「よ、呼ばいない方がいいって?」
「ほら」
青江が指をさす方を見ると
「あれ?………いない」
そこに居たはずの今剣らしき影はもうなかった。
「いいかい、夜中に誰が来ても部屋の扉を開けてはいけないよ、絶対に。入ってきてしまうからね……もしなにかあったら僕か石切丸さんを呼ぶと良いよ。それじゃあおやすみ」
「お、おやすみ……」
何やら不安を煽り去っていった青江。
『入ってきてしまうから』
「何が入ってくんのさ……」
と呟いた時、タバコの灰がポトリ…と落ちた。
夜の八時を回った頃だろうか。
自分の部屋で次の出陣をどこの部隊にするかを考えている時だった。磨りガラスの扉の向こうに何かの気配を感じた。
先程の件もあり、いつも以上に用心していたら、聞き慣れた声がした。
『主君ただいまー、任務から帰ったよ、報告をしたいんだけど、開けてくれるかな?』
「ん、なんだ光忠か、おかえり、ちょっと待ってろ……」
声は燭台切光忠の物だった。
扉を開けてやろうと手をかけ少し開けて、はたと我に返る。
(いや…待てよ、あいつ、今『任務の報告をしたい』って、言ったよな………確か光忠は今日非番のはずだぞ……)
そう、今日光忠は非番である。
ここ最近任務続きだったので、たまにはと、休みにしたのだ。
では、襖の向こうの"光忠"は一体誰だ、
___いや"何"だ。
『どうしたの主君?早く開けてよ』
「あなや………」
思わず三日月から感動詞を借りてしまった。
扉の隙間から"何かが"覗いていた。
どす黒い塊の中にギラギラと光る黄色い目が確実にこちらを見ている。
全身の毛穴が思い切り開き、痛いくらいに鳥肌がたつ。
助けを呼ばなくては、しかし、隙間から覗く瞳から視線が逸らせず、体が思うように動かない。
声を出そうとしても、喉が張り付いてうまく出せない。ただ、ぱくぱく、と鯉の口の様に動くだけ。
(こんなB級ホラーなお約束いらないよっ‼)
何も出来ず、とにかくどこかに行ってくれと必死に願う。
だが、それに反して、黒い塊の化け物はするすると隙間から侵入してくる。
化け物の手のような物がもうすぐそこまで来ている。
(あ、オワタ)
そう諦めた時だった、
「かっこよく決めたいよね‼‼‼‼」
という言葉と同時に化け物が手だけ残して吹っ飛んだ。
「へ?」
「大丈夫かい主君?!?!!ってうわ気持ち悪い!!石切丸さん、ここ、ここに残骸が」
「少しは加減してくれると良かったんだが、まあ、いいか…はらいたまえきよめたまえ……」
「これはこれは、派手にやったもんだねぇ、廊下、大変な事になってるよ」
あれよあれよと、出来事が進んでいった。
まず部屋に入って来たのは岩を持った本物の光忠、そして次に、はらきよしてくれた石切丸。
そして扉の近くで笑ってる青江。
「え、え、え、何、何事、何が起きた、いや、そんな事より、まず光忠、お前は何故石を持っている、青江も楽しそうにするんじゃない、パッパはもう少し起きてて」
すでに寝そうな石切丸を起こし、事態を説明してもらった。
「ここ最近変な気配があったろう?それがさっきの黒い塊さ。主の部屋の結界が破れた気配がしたから、もしかしてと思って、駆けつけたのさ」
「わぁ……ありがとう、めっちゃ死ぬかと思ってた、んで、その光忠の石っぽいのは?」
そして、先程から気になっていた光忠が持っている白っぽいごつごつした石を指さす。
「これかい?これは石切丸さんに清めてもらった岩塩だよ」
「この人ね、主の部屋に置くはずだった少し小さめのを握ってさっきの黒い塊を殴ったんだ、それで木っ端微塵、すごいよね」
「あれは中々良いすとれーとだったね」
「え?」
「ちょっと青江君に石切丸さん!!止めてくれよ!主君の前で恥ずかしいじゃないか!」
すごく楽しそうに話す青江と石切丸、手を顔で覆い生娘のような反応を示す光忠。
あの化け物は『手だけ残して吹っ飛んだ』と思ったら『手だけ残して胴体木っ端微塵』だったようだ。
「………怖っ」
「ただいまーあぢぃ〜、みっちゃーーん麦茶あるー?」
政府の会議を終え、本丸に帰宅するなり、台所にいるであろう、非番の光忠に呼びかける。
この本丸は玄関上がってすぐ右横にトイレ、そこから真っ直ぐ行った所に台所がある。
「おかえり主君、冷蔵庫に冷やしてあるよ、あと、アイスもあるから皆と分けてー、ちゃんと手を洗ってからだよー!!」
「はーい!集まれ刀達ーーーーー!!」
主の掛け声と共に夕涼みをしていた刀達がどこらとも無く集まってくる。手を洗ってアイス食べるぞー、と言うと皆嬉しそうに洗面所に向かう。
(混みそうだから最後でいっか……)
「にしても、あっつい……」
梅雨が明け間もないと言うのに、真夏のような暑さだ。汗が顔の輪郭をなぞり畳に落ちて染みを作る。
外ではすでに、ひぐらしだかセミだかが鳴いている。
「…………」
「どうしたんだい主殿?」
「あぁ、石切丸さん」
居間から外を眺めているといつの間にか石切丸さんが後ろにいた。
心配そうにこちらを覗き込んでいる。
「うん、んー、少しね____」
「?」
ここ最近、外から異様な気配を感じる事が多々ある。
部屋に1人でいる時や、こうして居間にいる時など、だが、いまいち確証が持てないのだ。
毎日毎日気配がある訳ではないし、部屋に入ってくるわけでも無いし…。
確証が持てない事を話して皆を心配させても仕方ないだろう。
「いや、やっぱ、何でもないよ、きっと私の思い過ごしだ」
「そうかい?なら、いいけど、最近は変な気配が多いからね、気をつけるんだよ?おや、手洗い場が空いたようだ、行こうか」
「お、おう……」
『最近は変な気配が多いからね』……。
(え、いや、え……)
「………ちょっと、パッパ〜??」
1人意気揚々と手洗い場に向かう石切丸さんの背にきっと聞こえないであろうが呼びかける。
光忠お手製の冷し汁(いつの間にか私の母から教わっていたらしい)で夕飯を済ませ、しばらく縁側で涼みながら、タバコを一服していると外にある溜池の側に今剣の様な姿が見えた。
1人で涼みに来たのだろうか、それにしては何だか様子がおかしい気がする。
いつもの様な明るさがないと言うか、生気が感じられない気がする。
ただ、こちらをじっ…と見つめる赤い目だけが、何故からんらんと光っていた。
「いまt___」
「___呼ばない方がいいよ」
「うわぁ‼‼わぁ!!!」
心配になって呼ぼうとすると、青江が後ろからぬっと現れた。
飛び出そうな心臓を抑えながら青江の方を向く。
「よ、呼ばいない方がいいって?」
「ほら」
青江が指をさす方を見ると
「あれ?………いない」
そこに居たはずの今剣らしき影はもうなかった。
「いいかい、夜中に誰が来ても部屋の扉を開けてはいけないよ、絶対に。入ってきてしまうからね……もしなにかあったら僕か石切丸さんを呼ぶと良いよ。それじゃあおやすみ」
「お、おやすみ……」
何やら不安を煽り去っていった青江。
『入ってきてしまうから』
「何が入ってくんのさ……」
と呟いた時、タバコの灰がポトリ…と落ちた。
夜の八時を回った頃だろうか。
自分の部屋で次の出陣をどこの部隊にするかを考えている時だった。磨りガラスの扉の向こうに何かの気配を感じた。
先程の件もあり、いつも以上に用心していたら、聞き慣れた声がした。
『主君ただいまー、任務から帰ったよ、報告をしたいんだけど、開けてくれるかな?』
「ん、なんだ光忠か、おかえり、ちょっと待ってろ……」
声は燭台切光忠の物だった。
扉を開けてやろうと手をかけ少し開けて、はたと我に返る。
(いや…待てよ、あいつ、今『任務の報告をしたい』って、言ったよな………確か光忠は今日非番のはずだぞ……)
そう、今日光忠は非番である。
ここ最近任務続きだったので、たまにはと、休みにしたのだ。
では、襖の向こうの"光忠"は一体誰だ、
___いや"何"だ。
『どうしたの主君?早く開けてよ』
「あなや………」
思わず三日月から感動詞を借りてしまった。
扉の隙間から"何かが"覗いていた。
どす黒い塊の中にギラギラと光る黄色い目が確実にこちらを見ている。
全身の毛穴が思い切り開き、痛いくらいに鳥肌がたつ。
助けを呼ばなくては、しかし、隙間から覗く瞳から視線が逸らせず、体が思うように動かない。
声を出そうとしても、喉が張り付いてうまく出せない。ただ、ぱくぱく、と鯉の口の様に動くだけ。
(こんなB級ホラーなお約束いらないよっ‼)
何も出来ず、とにかくどこかに行ってくれと必死に願う。
だが、それに反して、黒い塊の化け物はするすると隙間から侵入してくる。
化け物の手のような物がもうすぐそこまで来ている。
(あ、オワタ)
そう諦めた時だった、
「かっこよく決めたいよね‼‼‼‼」
という言葉と同時に化け物が手だけ残して吹っ飛んだ。
「へ?」
「大丈夫かい主君?!?!!ってうわ気持ち悪い!!石切丸さん、ここ、ここに残骸が」
「少しは加減してくれると良かったんだが、まあ、いいか…はらいたまえきよめたまえ……」
「これはこれは、派手にやったもんだねぇ、廊下、大変な事になってるよ」
あれよあれよと、出来事が進んでいった。
まず部屋に入って来たのは岩を持った本物の光忠、そして次に、はらきよしてくれた石切丸。
そして扉の近くで笑ってる青江。
「え、え、え、何、何事、何が起きた、いや、そんな事より、まず光忠、お前は何故石を持っている、青江も楽しそうにするんじゃない、パッパはもう少し起きてて」
すでに寝そうな石切丸を起こし、事態を説明してもらった。
「ここ最近変な気配があったろう?それがさっきの黒い塊さ。主の部屋の結界が破れた気配がしたから、もしかしてと思って、駆けつけたのさ」
「わぁ……ありがとう、めっちゃ死ぬかと思ってた、んで、その光忠の石っぽいのは?」
そして、先程から気になっていた光忠が持っている白っぽいごつごつした石を指さす。
「これかい?これは石切丸さんに清めてもらった岩塩だよ」
「この人ね、主の部屋に置くはずだった少し小さめのを握ってさっきの黒い塊を殴ったんだ、それで木っ端微塵、すごいよね」
「あれは中々良いすとれーとだったね」
「え?」
「ちょっと青江君に石切丸さん!!止めてくれよ!主君の前で恥ずかしいじゃないか!」
すごく楽しそうに話す青江と石切丸、手を顔で覆い生娘のような反応を示す光忠。
あの化け物は『手だけ残して吹っ飛んだ』と思ったら『手だけ残して胴体木っ端微塵』だったようだ。
「………怖っ」
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