堅物なアラサーOL
鉄橋にて
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職場から帰る道すがらコンビニで安酒を買い、お気に入りの場所へ向かう。これが私のいつものルーティーンだ。
最近はこの鉄橋が気に入っている。生ぬるい潮風に当たりながら欲望の町、ネオ東京の煌めきを見つめる。そして安酒をあおる。この街は遠くから見るぶんには美しい場所なのだ。そんな場所から少しでも離れられるこの時間が好きだ。
「はぁ…今日も酒がうまいなァ」
ほろ酔いの状態で眺めたネオ東京のきらびやかさで荒んだ心を癒す。
突然閃光とエンジンの轟音が近づいてくるではないか。 うるさいなァ せっかくリラックスしていたのに
すると音が私の横で止まる 降りてきたのは大柄な男たちだ。ピエロのような化粧を施している。恐怖を感じて思わず身構える。
「よォ、コンバンワ…こんな所で一人で飲んでるなんて寂しいじゃねェか」「ねェちゃん俺たちと遊ばねェか…?」「地味だがよく見りゃ出るとこ出てるぜ…」口々に失礼なことを言ってくる。一体なんなんだ。
「嫌です…」
恐怖と緊張の中、声を絞り出す。
「ふぅン…そうかよ」
品定めするような下卑た視線に嫌悪を感じる。するとまたエンジン音が轟く。次から次へもう勘弁してほしいものだ。
「いたぞォ!クラウンだ!追え!」「逃すかよ!」「こいつら女引っかけようとしてるじゃねェか!なめられたもんだぜ!」「待ちやがれ!」
今度は少年の集団らしい」
「チッ!あいつらだ!」「行くぞォ!」「金田ァ…」
金田?
いや、この隙に逃げないと
「へェ…確かにクラウンの奴らが誘ったのもわかるぜ…」
赤いバイクに乗った少年が言う
「オネーサンよく見りゃカワイイしィ…俺と遊ばない?ねッ」
バカにしているのだろうか
「子供がなにいってンのよ、バカにするんじゃないわよ」
「へッそうかい じゃあ俺たちは行くぜ、忙しいんでね…」「じゃあな!」
行くぞォ!
少年たちがピエロの様な集団を追って走り去っていく。 帰ろう。今日はなんだったろう。疲れを癒しに来ていたはずなのに。腹が立って仕方がない。
しばらくこの鉄橋には来ないと決めた
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