nmmn 実シ兄者 短編
「ぴ、ぴーちゃん…」
あまり慣れていない手つきで、俺より身長が小さい彼の首に手をまわす。
次の言葉を言おうと口を開くが彼の言葉によって遮られた。
「…ごめんね、つわはすさん」
苦笑いで俺の手を戻し、チュッという軽いリップ音をたてて頬に唇を落とす。
その一連の流れは二ヶ月に一回くらいあるわけで。
もうぴーちゃんは慣れている様子だった。
付き合ってから一年。
恋人同士なのにも関わらず、俺とぴーちゃんは一回も行為をしたことがなかった。
「ううん、いつも、ごめんね」
あからさま、というわけではないが眉尻を下げて首を横に振る。
したことといえば、キスとか手つなぎとかだ。
キスもまだ浅いものしかしていない。
高校生でももっとやってると思う。
ごめん、ともう一度謝り家に帰る。
家に帰ってすることといえば、ひとつしかないわけで。
ひとりでスる。
ぐすぐすと鼻を鳴らし、抑えきれなかった欲望と性欲を吐き出す。
「ぴ、ちゃん…ッ!」
その行為が終わり、後片付けをしてそのまま布団にくるまった。
明後日はレトさんとぴーちゃんと一緒に遊ぶ予定だ。
ちゃんと、いつもどおり接せるかな。
不安を感じながらも眠りについた。
◆◇◆◇
心の準備ができずにその日を迎えてしまった。
準備をして、レトさんの家に向かう。
インターホンを押すとレトさんが笑顔で出る。
ぴーちゃんは少し遅れるとのこと。
ゲームをしながら雑談をする。
「つわはすくんはぴーちゃんのこと好きなんだよね?」
別の意味が含んでいる言葉のように感じて、若干動揺しながらも応えた。
でも、ぴーちゃんが行為に乗り気ではない、と。
俺の言葉を聞いて、レトさんがゲーム画面から目を離し、こちらを見る。
「付き合って一年経つんやろ?P‐Pもひどいなぁ」
俺ならそんな思いさせへんけど、小さなつぶやきが聞こえたのと同時に視界が反転した。
頭が整理できなくなる。
レトさんに押し倒された…?
頭の後頭部と背中が痛い。
こわくて瞑っていた瞳をうっすらと開ける。
レトさんが口角を上げ、微笑んでいることがわかった。
ひゅっと吸い込んだ空気が喉で音を出す。
レトさんの顔が近づいてきて、ぎゅっと目を閉じた。
こわい。
首筋に痛みを感じ、レトさんが離れる。
すーっと首筋を撫でられ肩が揺れた。
「ふーん、なにしてるの?」
聞き慣れた声がし、急いで起き上がる。
明らかに不機嫌そうな顔をしたぴーちゃんが立っていた。
レトさんはニヤニヤ笑っており、ぴーちゃんは不機嫌そうに顔をしかめている。
「今日の予定なしでいいよね、レトさん」
強く腕を掴まれ、そのままレトさんの家を出た。
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次がR
更新は明日だと思います。
あまり慣れていない手つきで、俺より身長が小さい彼の首に手をまわす。
次の言葉を言おうと口を開くが彼の言葉によって遮られた。
「…ごめんね、つわはすさん」
苦笑いで俺の手を戻し、チュッという軽いリップ音をたてて頬に唇を落とす。
その一連の流れは二ヶ月に一回くらいあるわけで。
もうぴーちゃんは慣れている様子だった。
付き合ってから一年。
恋人同士なのにも関わらず、俺とぴーちゃんは一回も行為をしたことがなかった。
「ううん、いつも、ごめんね」
あからさま、というわけではないが眉尻を下げて首を横に振る。
したことといえば、キスとか手つなぎとかだ。
キスもまだ浅いものしかしていない。
高校生でももっとやってると思う。
ごめん、ともう一度謝り家に帰る。
家に帰ってすることといえば、ひとつしかないわけで。
ひとりでスる。
ぐすぐすと鼻を鳴らし、抑えきれなかった欲望と性欲を吐き出す。
「ぴ、ちゃん…ッ!」
その行為が終わり、後片付けをしてそのまま布団にくるまった。
明後日はレトさんとぴーちゃんと一緒に遊ぶ予定だ。
ちゃんと、いつもどおり接せるかな。
不安を感じながらも眠りについた。
◆◇◆◇
心の準備ができずにその日を迎えてしまった。
準備をして、レトさんの家に向かう。
インターホンを押すとレトさんが笑顔で出る。
ぴーちゃんは少し遅れるとのこと。
ゲームをしながら雑談をする。
「つわはすくんはぴーちゃんのこと好きなんだよね?」
別の意味が含んでいる言葉のように感じて、若干動揺しながらも応えた。
でも、ぴーちゃんが行為に乗り気ではない、と。
俺の言葉を聞いて、レトさんがゲーム画面から目を離し、こちらを見る。
「付き合って一年経つんやろ?P‐Pもひどいなぁ」
俺ならそんな思いさせへんけど、小さなつぶやきが聞こえたのと同時に視界が反転した。
頭が整理できなくなる。
レトさんに押し倒された…?
頭の後頭部と背中が痛い。
こわくて瞑っていた瞳をうっすらと開ける。
レトさんが口角を上げ、微笑んでいることがわかった。
ひゅっと吸い込んだ空気が喉で音を出す。
レトさんの顔が近づいてきて、ぎゅっと目を閉じた。
こわい。
首筋に痛みを感じ、レトさんが離れる。
すーっと首筋を撫でられ肩が揺れた。
「ふーん、なにしてるの?」
聞き慣れた声がし、急いで起き上がる。
明らかに不機嫌そうな顔をしたぴーちゃんが立っていた。
レトさんはニヤニヤ笑っており、ぴーちゃんは不機嫌そうに顔をしかめている。
「今日の予定なしでいいよね、レトさん」
強く腕を掴まれ、そのままレトさんの家を出た。
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