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nmmn 実シ兄者 短編

友達とひさしぶりに遊んで友達が置いていったものを睨む。
やっと、ふたり同じ日に有給とれたのに。
まぁ、あの女好きな奴のことだ。
こんなこともあるだろうとは、予想をしていた。
「レトやん!今日○○ちゃんとのデートあった!忘れてた!やばい!」
そう言いながらバッグやコートやらを急いで持ち帰ってしまった
友達のアブさん。
そういえば、最近彼女できたって言ってたよな…
うらやましい、と思いながらも渋々部屋を片付けた。
そのときに事件は起きた。
アブさんが忘れ物をしている。
DVDらしく、表を見てみると背筋に冷たいものが走った。
口に出せないほど、禍々しいとてもマニアックなAV。
あの人、こんな趣味だっけ…
すぐに裏返してソファに投げる。
こんな恥ずかしいもの、よく持ってこられるなぁ…
ある意味尊敬する。
はぁ…とため息をついてパソコンをいじりだす。
彼女とかいたら溜まらないのかな。
そんなことを考えているうちに、手が勝手に動き、いわゆる
デリヘルサイトに飛んでいた。
「…ほーん…」
可愛い子多いなぁ…
気持ち悪い声を出しながら見ていると、一人の女の子が
目にとまった。
フジ…ちゃん?
色白の黒髪ショートでとてもきれいな顔立ち。
プロフィールの端にはタチと小さく書いていた。
タチ?なにそれ。
調べることがめんどくさくて、そのままその店に
電話をかける。
『はい、もしもし』
中年のおじさん、のような人が電話に出た。
俺より鼻声かもしれんわ。
「あの、フジっていう子頼めませんか?」
そう問うと、さっきまでとは変わり、弾んだ様子で
説明をしてくれた。
その子の家と俺の家は近いらしく、あと30分で着くらしい。
一応、礼儀として風呂入っておくか…
重い腰をイスから浮かし、元凶を恨みながら風呂に入った。
ほんと、アブさんなんなんだ…
友達の家に行くときにAV持ってくとか。
ほんとありえん。
あとでしばくわ。
髪をタオルで拭きながら時計を見る。
あと、5分で来るのか…
部屋着に着替えて、ベットに寝っ転がった。
あーこういうの初めてなんだよ…
俺はアブさんみたいにタラシでもないし、どっちかっていうと
童貞だし…
童貞をデルヘリ嬢に捧げるのか…
人生くそだな。
ピンポーンと無機質な大きい音が部屋に響き肩が揺れる。
「ひゃ、ひゃいっ!?」
また気持ち悪い声出た。
もうだめやわ、ほんとリアルくそやわ。
恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら玄関を開ける。
「…フジ…さん?ですよね…?」
まず目に入ってきたのは俺よりも身長が高い、美男子という感じの
男の人だった。
黒髪、ショート、色白…?
混乱していると男の人が口を開いた。
「あれ、お兄さん初めて?ご指名ありがとうございまーす。
フジって言います。お兄さん爽やかでイケメンですね!」
にこにこと笑顔でそう言われるが、わからない。
「あの…間違ったので、帰ってもらえませんか。お金は払うので」
こういう人は関わっちゃいけない、と本能が言っているので
扉を閉めようとする。
が、そんな行動もフジさんの足癖で叶わず。
閉めかけていた扉に足挟むとか、悪徳セールスマンか!
「え?お兄さんなに言ってるの?タチってちゃんと書いてたじゃん
女の子っぽく加工してたからわからなかったんだねー
お兄さん俺のタイプなんだよ、言いたいことわかる?」
男特有といったギラギラした目で見られた。
鳥肌が立つ。
助けを呼ぼうとスマホをポケットから出すと、手首を掴まれる。
真っ黒な笑みで、無駄だよ大人しくして、と言われ抵抗したら
危ないということを悟った。
スマホは玄関の棚に置かれ、そのままリビングのソファへ
押し倒される。
カツンと頭に少し痛みが走った。
アブさんのAVだ…
見ないでくれ、という願いとは逆に彼の手がのびる。
彼は一瞬驚いた顔をしていたが、すぐにぱっと笑顔になった。
「こういうの好きなの!?やっぱり!お兄さんMっぽい気してたんだよねッ!」
すごい勢いで迫られ、少しびっくりする。
そういえば名前教えてよ、と耳元で囁かれジンっと腰が疼いた。
なにが理由か知らないけど。
「…レ、レトルト…です」
そう言うと、彼がふわりと微笑む。
冷や汗で張り付いた髪をあげられ、額にキスを落とされた。
若干気をぬいていると、さっきの笑みのまま、また口を耳元に
近づけられる。
「まだ、本番どころか、肩慣らしもしてないよ?」
これから始まることが、なんとなく理解できた。
◆◇◆◇◆
「あッあぁッ、ぁう、うぁ゛ッ!もぅ、やッ!」
耳を塞ぎたい。
聞きたくなかった、自分とは思えないほどの甘ったるい声。
肌と肌がぶつかり合う音が部屋に響く。
彼が小さいうめき声を出すと自分の腹の下あたりに熱いモノが
ひろがった。
ぱっと手が離されると、動かなくなった身体がベットに沈み込む。
疲労感で眠たくなり、そのまま寝てしまった。



男限定のデルヘリ店の№1フジが辞め、一人のレトルトという
青年に依存しているらしい。
その店の№1を継いだのは外見詐欺のサイコパス、ヒラだったとか。

end…?
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