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チョコレートがとけるまで

それはねぼすけの砂糖菓子のうさぎすら跳ねまわるような朗らかな朝。

そんな空気とはうってかわってとある森の奥にある小さなお菓子の家ではなにやらあやしげなふんいき。

「………を………て……………の………、………を…………………する………、よし、よし、よしっ!」

ピカピカのテーブルの上には大きなお皿に小さなお皿、それぞれの上に真っ白な粉の山がたくさんのっています。
よく見るとそれぞれ違うようです。
なんだか少し透明だったり、何か混ざっているようだったり。
不思議な香りもしてきますが、ふつうのひとにははんべつがむずかしそう。

そんな不思議な粉の前でなんだかぶつぶつ言っている存在はどれがどれだか全てわかっているのか、迷いもなく、目にも止まらぬ速さで粉を量っては混ぜ、粉を量っては混ぜてを繰り返していました。

そんなことが起きていようと、いちにちのはじまりは変わりません。いつもと同じように屋敷の朝のルールに従いピカピカのテーブルの上には淹れたての紅茶が置かれます。

どうやら最後の粉を混ぜ終えたようです。
粉を入れていたボールはたくさんの粉でいっぱい。
今にもあふれ出してしまいそうです。

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