友人
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「ところで君のボーイフレンドはどんな人だったんですか?」
「え?私のボーイフレンド?」
急に話題が変わって話の流れが掴めない。
「この前言っていた君を『僕のネズミクッキー』と呼んだ元カレはどんな人なのかなと思って」
「…あー…彼は私が11年生の時の9年生です」
「…君が何歳の時で、彼は何歳なんですか?」
「私が13歳で、彼は15歳です」
「何がきっかけで付き合ったんです?」
ずいぶんと根掘り葉掘り訊く…。結婚相手の恋愛遍歴が気になるのは普通のことか?
「階段の踊り場で、下の階から『僕と踊ってくれない?』と言われました」
「…どういう意味ですか?」
日本語訳したつもりだけど…。
「学年末にダンスパーティーがあって、その時に1曲目を一緒に踊ってくれないかというお誘いだと受け取ったんですが」
「それで結局彼とはどうなったんです?」
「踊りましたけど…」
「いえ、その後です。交際を継続していたら、申し訳ないかなと思って」
本当に思っているのだろうか。たとえ交際が継続していても、何かしてくれそうな雰囲気ではないけど。
「『パーティーの後に西門で待ってる』と言われたけど眠くて忘れて帰ってしまいました」
「彼にはお気の毒ですが、ある意味その程度だったということですかね」
的場さんはどこか面白そうに笑う。
「ダンスパーティーは6時半開始9時半解散だったのでとても眠くて…」
「さすが学生のイベント、健全ですね」
「健全?心身にとって健康的ってことですか?」
ラジオ体操とでも思っている?
「ふふ…ある意味、学生らしく健康的ってことですかね」
私の疑問を他所に余裕のある大人びた笑みを浮かべる。
「…起きて半袖短パンで行って体操するなら健康的かもしれませんが、ラジオ体操と違ってドレスコードもあって、5時前に起きてヘアセットしてメイクして…早過ぎません?」
「ん?朝なんですか?」
夜だと思っていたのか、驚いたような表情。少し可愛い。
「朝です」
「朝か。あはは、そりゃ彼氏を忘れて帰っても仕方ないですね。夜のイメージでしたが、ダンスパーティーってそんなラジオ体操並みの早朝なんですか?」
「学期末パーティーなので。スイスで長期休暇前日の早朝に、カウベルを鳴らして子供達が練り歩く風習があるんですが、近所迷惑だから最近は校内でパーティーするように変わってきていて、私の通っていた学校はスイスの流れを汲んでいたので、早朝カウベルの名残りで早朝パーティーだったんだと思います」
「普通に昼に移行するのではダメなんですかね」
「ほんと、そう。合理的じゃない人達の考えることはよくわかりません」
「たしかに。で、その後彼とはどうなったんですか?」
話戻った。
「なんか…親しい友達も1人しかいなくて元々人付き合いが苦手だし、出会わないようにしてました。周りにあれこれ言われて、どうしていいかわからなくて…」
なんと続けていいかわからず、言葉を濁して里芋を口に入れる。
「へー」
どこか子供っぽいリアクションを受けて、逸らしていた視線的場さんに戻すと、意味ありげに笑う彼と目が合った。
「いえ、過去にどんな男とどう付き合っていたとしても構わないんですが、告白しない文化で曖昧な関係が継続していると面倒だから聞いただけです」
「新学期に階段の踊り場にいたら、上の階から『僕と付き合いたい?』と訊かれたので、『今誰かと付き合う気持ちになれない』と答えました」
「それは告白なのでは?」
「はい、私が顔を合わせないようこそこそしていたから言ったんだと思います」
「随分と上から目線の告白ですね」
「踊り場と上の階だから中二階分くらいの高さです」
「…高さではなくて、言い方が」
「あ、私の直訳のせいです。この場面では相手を主語にした方が丁寧らしいです」
「そうなんですか。それにしても、意外とはっきり断るもんですね」
意外と?言いたいことを言えないタイプだと思っているのかな?その通りだけど。
「私の友人の一人が、受け答えの例文を71個メールに添付して送ってくれて、このパターンは14番目にあったので、そのまま暗唱しました」
「…71個の14番目…送ってくる方もなかなかですね。その友人がさっき言っていた一人しかいない君の親しい友人ですか?」
「…ええ、ああ、はい」
「何か違いました?」
「いえ、一人しかいないのに『私の友人の一人』って変な日本語だったなと思って…」
「たしかに。その人は高IQクラスの子ですか?」
「そうですけど…」
「君と同じく天才気質な感じがしたので」
つまり、私の普段の行動も『なかなか』ということ?
「……私はともかく、彼は万能型の天才です」
「おや、男だったんですか」
意外そうな顔で言われた。
「え?ああ、はい。そう、話者が女性の場合『私の男友達』は男性名詞の『友人』を使って『私の友人の一人』という言い方をするんです。男性名詞型を使って単に『私の友人』と言うと『私の彼氏』という意味になるので。『彼氏でない男友達』を思い浮かべていたから、さっき変な日本語になってしまったんです」
「ボーイフレンドが男友達のことではなく彼氏、というのと似た原理ですね」
「はい」
「え?私のボーイフレンド?」
急に話題が変わって話の流れが掴めない。
「この前言っていた君を『僕のネズミクッキー』と呼んだ元カレはどんな人なのかなと思って」
「…あー…彼は私が11年生の時の9年生です」
「…君が何歳の時で、彼は何歳なんですか?」
「私が13歳で、彼は15歳です」
「何がきっかけで付き合ったんです?」
ずいぶんと根掘り葉掘り訊く…。結婚相手の恋愛遍歴が気になるのは普通のことか?
「階段の踊り場で、下の階から『僕と踊ってくれない?』と言われました」
「…どういう意味ですか?」
日本語訳したつもりだけど…。
「学年末にダンスパーティーがあって、その時に1曲目を一緒に踊ってくれないかというお誘いだと受け取ったんですが」
「それで結局彼とはどうなったんです?」
「踊りましたけど…」
「いえ、その後です。交際を継続していたら、申し訳ないかなと思って」
本当に思っているのだろうか。たとえ交際が継続していても、何かしてくれそうな雰囲気ではないけど。
「『パーティーの後に西門で待ってる』と言われたけど眠くて忘れて帰ってしまいました」
「彼にはお気の毒ですが、ある意味その程度だったということですかね」
的場さんはどこか面白そうに笑う。
「ダンスパーティーは6時半開始9時半解散だったのでとても眠くて…」
「さすが学生のイベント、健全ですね」
「健全?心身にとって健康的ってことですか?」
ラジオ体操とでも思っている?
「ふふ…ある意味、学生らしく健康的ってことですかね」
私の疑問を他所に余裕のある大人びた笑みを浮かべる。
「…起きて半袖短パンで行って体操するなら健康的かもしれませんが、ラジオ体操と違ってドレスコードもあって、5時前に起きてヘアセットしてメイクして…早過ぎません?」
「ん?朝なんですか?」
夜だと思っていたのか、驚いたような表情。少し可愛い。
「朝です」
「朝か。あはは、そりゃ彼氏を忘れて帰っても仕方ないですね。夜のイメージでしたが、ダンスパーティーってそんなラジオ体操並みの早朝なんですか?」
「学期末パーティーなので。スイスで長期休暇前日の早朝に、カウベルを鳴らして子供達が練り歩く風習があるんですが、近所迷惑だから最近は校内でパーティーするように変わってきていて、私の通っていた学校はスイスの流れを汲んでいたので、早朝カウベルの名残りで早朝パーティーだったんだと思います」
「普通に昼に移行するのではダメなんですかね」
「ほんと、そう。合理的じゃない人達の考えることはよくわかりません」
「たしかに。で、その後彼とはどうなったんですか?」
話戻った。
「なんか…親しい友達も1人しかいなくて元々人付き合いが苦手だし、出会わないようにしてました。周りにあれこれ言われて、どうしていいかわからなくて…」
なんと続けていいかわからず、言葉を濁して里芋を口に入れる。
「へー」
どこか子供っぽいリアクションを受けて、逸らしていた視線的場さんに戻すと、意味ありげに笑う彼と目が合った。
「いえ、過去にどんな男とどう付き合っていたとしても構わないんですが、告白しない文化で曖昧な関係が継続していると面倒だから聞いただけです」
「新学期に階段の踊り場にいたら、上の階から『僕と付き合いたい?』と訊かれたので、『今誰かと付き合う気持ちになれない』と答えました」
「それは告白なのでは?」
「はい、私が顔を合わせないようこそこそしていたから言ったんだと思います」
「随分と上から目線の告白ですね」
「踊り場と上の階だから中二階分くらいの高さです」
「…高さではなくて、言い方が」
「あ、私の直訳のせいです。この場面では相手を主語にした方が丁寧らしいです」
「そうなんですか。それにしても、意外とはっきり断るもんですね」
意外と?言いたいことを言えないタイプだと思っているのかな?その通りだけど。
「私の友人の一人が、受け答えの例文を71個メールに添付して送ってくれて、このパターンは14番目にあったので、そのまま暗唱しました」
「…71個の14番目…送ってくる方もなかなかですね。その友人がさっき言っていた一人しかいない君の親しい友人ですか?」
「…ええ、ああ、はい」
「何か違いました?」
「いえ、一人しかいないのに『私の友人の一人』って変な日本語だったなと思って…」
「たしかに。その人は高IQクラスの子ですか?」
「そうですけど…」
「君と同じく天才気質な感じがしたので」
つまり、私の普段の行動も『なかなか』ということ?
「……私はともかく、彼は万能型の天才です」
「おや、男だったんですか」
意外そうな顔で言われた。
「え?ああ、はい。そう、話者が女性の場合『私の男友達』は男性名詞の『友人』を使って『私の友人の一人』という言い方をするんです。男性名詞型を使って単に『私の友人』と言うと『私の彼氏』という意味になるので。『彼氏でない男友達』を思い浮かべていたから、さっき変な日本語になってしまったんです」
「ボーイフレンドが男友達のことではなく彼氏、というのと似た原理ですね」
「はい」
