みんな忘れる
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「さやぎちゃん、お疲れさま。これから帰る?」
帰り支度をした多軌ちゃんが教室の後ろのドアからこちらに手を振る。
「多軌ちゃんもお疲れさま。えっと、下校しようかなと思ってる」
「?どこか寄るの?」
首を傾げながら私の席にやって来る。
「この辺に文房具屋さんあるなら寄りたいなと思ってる。赤ペンと蛍光ペン欲しくて。ないなら明日家の人と教科書受け取りに行く時本屋さんで買うからいいんだけど」
いいんだけど、的場さんを自分の用事に付き合わせるのは気が引けるから、出来れば今日買いたい。
「教科書も明日届くのね」
「うん」
制服は嵩張るから、教科書は重いから、明日的場さんが一緒に受け取りについて来てくれる。
「文房具屋さんなら駅の近くにあるわよ。小さいけれど、結構品揃えがいいお店」
駅の近く…電車に乗っていて見えないので、線路沿いから離れたところかな。
「よかったらご一緒させてもらってもいい?私も蛍光ペン欲しくて。ここ数日ずっと買おうと思って財布忘れて来てて、やっと持って来たけど今日土曜日だもの購買休みよね」
もうほんとうっかり、と多軌ちゃんは笑う。
「こちらこそ、一緒行ってもらえるととても助かる。電車の時間までに探せないと困ると思っていたの」
「本通りから1本入ったところだからちょっとわかりにくい場所だけど、何度も行ったことあるから任せて」
柔らかく笑う多軌ちゃん。
こんな笑顔が出来たら人間関係上手くいくのだろうな。いや、人当たりがよく、気遣いが出来て、心根が優しいからこんな笑顔が出来るのか。
「よろしくお願いします」
心持ち口角を上げて多軌ちゃんに応え、鞄を肩にかけて席を立つ。
「月代、解説集…もう読み終わった?」
男子3人で何を食べて帰るか話していた夏目くんにふいに声を掛けられて、机に目を向けると解答解説集が全教科分重なったまま。
「あ、忘れて行くところだった。まだ見てないよ。ありがとう」
鞄を再び開けて解説集を入れる。
「早速忘れるところだったな」
ふふっと夏目くんは柔らかく笑う。
「あのー突然失礼致しますー。夏目様とお見受けします。お久しぶりですが、名前を返していただきたくお伺いいたしましたー」
夏目くんの席の横の窓から突然高齢の男性が顔を覗かせた。ん?ここ3階じゃないっけ?
びくりと肩を震わせ窓を振り返る夏目くん。
「あ、悪い!西村、北本、おれ用事あったんだっけ!コロッケはまた今度!」
急に立ち上がる夏目くん。
「お、おう!またな!」
「焦って転ぶなよー」
「ああ、ほんと悪い!また!」
走って教室を出て行く夏目くんを見送る西村くんと北本くん。
「大丈夫かしら…」
夏目くんの出て行った廊下を見てつぶやく多軌ちゃん。
「あいつも、結構用事忘れるよなー」
頭の後ろに両手を組んで西村くんが笑う。
「ああ、ほんと。結論、みんな結構忘れる」
西村くんに応えた後、北本くんは私に向かって柔らかく微笑んだ。
暖かい、ここは陽当たりがいい。
帰り支度をした多軌ちゃんが教室の後ろのドアからこちらに手を振る。
「多軌ちゃんもお疲れさま。えっと、下校しようかなと思ってる」
「?どこか寄るの?」
首を傾げながら私の席にやって来る。
「この辺に文房具屋さんあるなら寄りたいなと思ってる。赤ペンと蛍光ペン欲しくて。ないなら明日家の人と教科書受け取りに行く時本屋さんで買うからいいんだけど」
いいんだけど、的場さんを自分の用事に付き合わせるのは気が引けるから、出来れば今日買いたい。
「教科書も明日届くのね」
「うん」
制服は嵩張るから、教科書は重いから、明日的場さんが一緒に受け取りについて来てくれる。
「文房具屋さんなら駅の近くにあるわよ。小さいけれど、結構品揃えがいいお店」
駅の近く…電車に乗っていて見えないので、線路沿いから離れたところかな。
「よかったらご一緒させてもらってもいい?私も蛍光ペン欲しくて。ここ数日ずっと買おうと思って財布忘れて来てて、やっと持って来たけど今日土曜日だもの購買休みよね」
もうほんとうっかり、と多軌ちゃんは笑う。
「こちらこそ、一緒行ってもらえるととても助かる。電車の時間までに探せないと困ると思っていたの」
「本通りから1本入ったところだからちょっとわかりにくい場所だけど、何度も行ったことあるから任せて」
柔らかく笑う多軌ちゃん。
こんな笑顔が出来たら人間関係上手くいくのだろうな。いや、人当たりがよく、気遣いが出来て、心根が優しいからこんな笑顔が出来るのか。
「よろしくお願いします」
心持ち口角を上げて多軌ちゃんに応え、鞄を肩にかけて席を立つ。
「月代、解説集…もう読み終わった?」
男子3人で何を食べて帰るか話していた夏目くんにふいに声を掛けられて、机に目を向けると解答解説集が全教科分重なったまま。
「あ、忘れて行くところだった。まだ見てないよ。ありがとう」
鞄を再び開けて解説集を入れる。
「早速忘れるところだったな」
ふふっと夏目くんは柔らかく笑う。
「あのー突然失礼致しますー。夏目様とお見受けします。お久しぶりですが、名前を返していただきたくお伺いいたしましたー」
夏目くんの席の横の窓から突然高齢の男性が顔を覗かせた。ん?ここ3階じゃないっけ?
びくりと肩を震わせ窓を振り返る夏目くん。
「あ、悪い!西村、北本、おれ用事あったんだっけ!コロッケはまた今度!」
急に立ち上がる夏目くん。
「お、おう!またな!」
「焦って転ぶなよー」
「ああ、ほんと悪い!また!」
走って教室を出て行く夏目くんを見送る西村くんと北本くん。
「大丈夫かしら…」
夏目くんの出て行った廊下を見てつぶやく多軌ちゃん。
「あいつも、結構用事忘れるよなー」
頭の後ろに両手を組んで西村くんが笑う。
「ああ、ほんと。結論、みんな結構忘れる」
西村くんに応えた後、北本くんは私に向かって柔らかく微笑んだ。
暖かい、ここは陽当たりがいい。
