1-1 邂逅
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「月代さやぎの養母の実家と養父の実家はもともと仲が悪かったらしいが、養母の死をきっかけに関係は最悪な状態になっているようだ」
帰りの車内で、七瀬に「どうだったか」と訊かれて、見てきた印象を答える。
「両家とも彼女を引き取りなくないが相手には渡したくないというジレンマを抱えているから、手に入れるのは思いの外簡単そうだ。公的機関も、どちらの実家にも彼女を置いておくべきではないと考えているようだし…。それにしてもあの力、見たことないほど膨大だ…」
「使えるのですか?」
「わからないが、調べるだけでも面白そうだ」
予想通りさやぎを手に入れるのは簡単だった。
月代家の叔父とその背後にいる呪術師だけは彼女に執着していたが、膨大な力を単に「見るため」に使っている弱小術者など的場一門の相手にさえならなかった。
ただし、噂を聞きつけたのか、他の呪術師が彼女を引き取りたいと名乗り出てきたのは少々厄介だった。
しかし、もともと的場家は彼女の遠縁であり、こまごまと裏から手を回したこともあり、養子ではなく婚約として月代家に話を取り付けた。
さやぎを手に入れるために数ヶ月要したが、その間的場は一度も彼女に会いに行かなかった。
話してみたいという興味があったが、彼女に気づかれずにことを進めたかったため、彼女の叔母の言う「少し話しただけで何もかも見透かされる」という可能性を危惧して、あえて接触しないようにした。
外での生活を遠目に何度か見たが、多少ぼんやりしているものの、普通に友人と話したり、図書館で本を借りたり、ただのおしとやかな女子高生といった印象だった。
帰りの車内で、七瀬に「どうだったか」と訊かれて、見てきた印象を答える。
「両家とも彼女を引き取りなくないが相手には渡したくないというジレンマを抱えているから、手に入れるのは思いの外簡単そうだ。公的機関も、どちらの実家にも彼女を置いておくべきではないと考えているようだし…。それにしてもあの力、見たことないほど膨大だ…」
「使えるのですか?」
「わからないが、調べるだけでも面白そうだ」
予想通りさやぎを手に入れるのは簡単だった。
月代家の叔父とその背後にいる呪術師だけは彼女に執着していたが、膨大な力を単に「見るため」に使っている弱小術者など的場一門の相手にさえならなかった。
ただし、噂を聞きつけたのか、他の呪術師が彼女を引き取りたいと名乗り出てきたのは少々厄介だった。
しかし、もともと的場家は彼女の遠縁であり、こまごまと裏から手を回したこともあり、養子ではなく婚約として月代家に話を取り付けた。
さやぎを手に入れるために数ヶ月要したが、その間的場は一度も彼女に会いに行かなかった。
話してみたいという興味があったが、彼女に気づかれずにことを進めたかったため、彼女の叔母の言う「少し話しただけで何もかも見透かされる」という可能性を危惧して、あえて接触しないようにした。
外での生活を遠目に何度か見たが、多少ぼんやりしているものの、普通に友人と話したり、図書館で本を借りたり、ただのおしとやかな女子高生といった印象だった。