4-2 サンプル(標本)
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目が覚めると見たことのない天井、見たことのない電灯。
最初に寝かされた部屋と似ているけれど違う。
一体何部屋あるんだろう?
布団も何組あるんだろう?
大きなお家。
天井に書かれているのは、絵?文字?動いている。なんだか綺麗だ。
陽が落ちて肌寒くなってきたからか、薄手の毛布が掛けられている。
手触りがいい、ふわふわ。
あまりにも手触りがいいので、毛布を口元まで引き上げた。
気持ちいい、ふわふわ。
遠くから足音が近づいてくる。
たぶん的場さん。
会いたくないわけではないけれど、よく知らない人と話すのは緊張する。
今日はたくさん話したから、そっとしておいてくれてもいいんだけどな…。
「失礼します。さやぎさん、起きていますか?…入りますね」
返事をしようとしたけれど、声が出なかった。
扉が開いて的場さんが入ってくる。
「目が覚めたんですね。痛いところはないですか?」
「……」
的場さんはチラリとこちらを見てから、水差しとコップ、白い箱が乗ったお盆を部屋の奥のテーブルに置く。
今度こそ返事をしようとしたのに、声が出ない。咳払いしようとしても強い呼気が出るだけ。声帯麻痺?
「ああ、声が出ないんですね。すみません、痛みで大声を出して喉が潰れたりしないように術をかけていたんでした」
こちらを振り向いて思い出したように言う。
「今、解きますね。毛布、下げますよ」
布団の横に座り、私が口元まで引き上げていた毛布を鎖骨の下まで下ろす。
「失礼します。……」
私の喉仏の辺りに右手の人差し指と中指を当てて何か囁く。
ほんの少し冷たい指先。
「終わりましたよ。声、出ますか?」
「…はい」
普通に声が出た。
「眠っていると解術出来ない類の術なので、起きたら解こうと思っていたんですが、声が出なくて驚かせてしまったでしょうか?」
「今、起きたばかりでした」
本当は驚いたけれど。
「痛いところはないですか?」
「はい」
呪符で固定されていた手首にも傷はない。
手脚は動くので起きあがろうとしたけれど、そこまで力は出なかった。
「しばらくすれば動けるようになると思うので、それまで横になっていたほうがいいですよ」
「…はい」
しばらくってどのくらいだろう?
「水飲みますか?」
起きるのを手伝ってもらうのは気が引けるので、首を横に振った。
「…起きられるようになったら飲んでください」
手伝われたくないから飲まないのだと気付かれたようだ。
「お土産にプリンを買って来たんですが、後で食べますか?」
テーブルの上の白い箱に0.3秒ほど視線を向けた後こちらを見て訊かれた。
「…いただきます」
「夕飯は食べられますか?」
「…プリンだけ、食べたい」
言ってから子供っぽかったと後悔した。
夕飯を作ってくれた人にも申し訳なかったな…。
「ふふ、じゃあプリンだけ食べましょう。もともと、夕飯は食べれそうなら伝えると言ってあるので」
私の後悔を見透かしたかのように軽く笑われた。
心を読まれている?
単に顔に出ているだけか。
「…何か?」
「……洋服だなぁと…」
心を見透かされたのかと思ってじっと表情を見てしまっただけだけれど、それを誤魔化すためにふと思いついたことを口にした。
パーカーにジーンズ。
カジュアルな服装だと、年齢相応に若く見える。
「ああ、君をここに寝かせてからもう1時間以上経っていますからね。今日はもう出掛けないし、部下もほとんど帰しましたし、完全プライベートですから」
脚を崩して胡座をかく。
完全プライベート…家業のために結婚相手を決めるくらいだ、仕事とプライベートをきちんと分けるタイプには思えないけど。
でも、家でもスーツでいる人は少ないか。
「まあ、面倒で着替えずにいることもありますが」
なるほど、普段から和服を着ている着物男子なわけではないのか。
最初に寝かされた部屋と似ているけれど違う。
一体何部屋あるんだろう?
布団も何組あるんだろう?
大きなお家。
天井に書かれているのは、絵?文字?動いている。なんだか綺麗だ。
陽が落ちて肌寒くなってきたからか、薄手の毛布が掛けられている。
手触りがいい、ふわふわ。
あまりにも手触りがいいので、毛布を口元まで引き上げた。
気持ちいい、ふわふわ。
遠くから足音が近づいてくる。
たぶん的場さん。
会いたくないわけではないけれど、よく知らない人と話すのは緊張する。
今日はたくさん話したから、そっとしておいてくれてもいいんだけどな…。
「失礼します。さやぎさん、起きていますか?…入りますね」
返事をしようとしたけれど、声が出なかった。
扉が開いて的場さんが入ってくる。
「目が覚めたんですね。痛いところはないですか?」
「……」
的場さんはチラリとこちらを見てから、水差しとコップ、白い箱が乗ったお盆を部屋の奥のテーブルに置く。
今度こそ返事をしようとしたのに、声が出ない。咳払いしようとしても強い呼気が出るだけ。声帯麻痺?
「ああ、声が出ないんですね。すみません、痛みで大声を出して喉が潰れたりしないように術をかけていたんでした」
こちらを振り向いて思い出したように言う。
「今、解きますね。毛布、下げますよ」
布団の横に座り、私が口元まで引き上げていた毛布を鎖骨の下まで下ろす。
「失礼します。……」
私の喉仏の辺りに右手の人差し指と中指を当てて何か囁く。
ほんの少し冷たい指先。
「終わりましたよ。声、出ますか?」
「…はい」
普通に声が出た。
「眠っていると解術出来ない類の術なので、起きたら解こうと思っていたんですが、声が出なくて驚かせてしまったでしょうか?」
「今、起きたばかりでした」
本当は驚いたけれど。
「痛いところはないですか?」
「はい」
呪符で固定されていた手首にも傷はない。
手脚は動くので起きあがろうとしたけれど、そこまで力は出なかった。
「しばらくすれば動けるようになると思うので、それまで横になっていたほうがいいですよ」
「…はい」
しばらくってどのくらいだろう?
「水飲みますか?」
起きるのを手伝ってもらうのは気が引けるので、首を横に振った。
「…起きられるようになったら飲んでください」
手伝われたくないから飲まないのだと気付かれたようだ。
「お土産にプリンを買って来たんですが、後で食べますか?」
テーブルの上の白い箱に0.3秒ほど視線を向けた後こちらを見て訊かれた。
「…いただきます」
「夕飯は食べられますか?」
「…プリンだけ、食べたい」
言ってから子供っぽかったと後悔した。
夕飯を作ってくれた人にも申し訳なかったな…。
「ふふ、じゃあプリンだけ食べましょう。もともと、夕飯は食べれそうなら伝えると言ってあるので」
私の後悔を見透かしたかのように軽く笑われた。
心を読まれている?
単に顔に出ているだけか。
「…何か?」
「……洋服だなぁと…」
心を見透かされたのかと思ってじっと表情を見てしまっただけだけれど、それを誤魔化すためにふと思いついたことを口にした。
パーカーにジーンズ。
カジュアルな服装だと、年齢相応に若く見える。
「ああ、君をここに寝かせてからもう1時間以上経っていますからね。今日はもう出掛けないし、部下もほとんど帰しましたし、完全プライベートですから」
脚を崩して胡座をかく。
完全プライベート…家業のために結婚相手を決めるくらいだ、仕事とプライベートをきちんと分けるタイプには思えないけど。
でも、家でもスーツでいる人は少ないか。
「まあ、面倒で着替えずにいることもありますが」
なるほど、普段から和服を着ている着物男子なわけではないのか。
