4-1 標本(サンプル)
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「聞いていますか、さやぎさん」
的場さんの声で、思い出から引き戻された。
「いつまでうずくまっていても私は妥協しませんよ。諦めて翼を出して下さい」
翼を出すこと自体は特に痛みはない。
でも、力を搾り取られるのは苦痛を伴う。
「できる限り傷はつけませんが、自分で出す気がないなら、術で無理にでも引き出しますよ」
苛立っている声色ではないけれど、顎を押さえて無理やり顔をあげさせる。
術で引き出されるのは痛い。
覚悟を決めて深呼吸して翼を出す。
「いい子だ」
優しく私の頭を撫でると、目を細めて
「いつ見ても見事な翼ですねぇ」
と羽根を指ですいた。
的場さんほどの力があれば翼に触れることができるのだろう。
搾取されるのは言うまでもなく嫌だが、翼を見られること自体嫌なのに。
逃れるように身じろぎするが、抵抗は難なく制され陣の中に寝かせられた。
押さえつけられて動かない腕の代わりに、手首を動かして拳で床を叩く。
コンコンコンッ
乾いた木の音が無意味に響く。
あとは身体を固定され、苦痛に耐えるだけ。
いや、耐えられない苦痛に暴れて疲れ果てて気を失い、苦痛で目覚めては暴れてを繰り返すのだが。
母の実家にいた時も、叔母のもとにいた時もそうだった。
羽ばたいても羽ばたいても翼は床を打つだけ…。慣れたからといって痛くないわけではない。
そんなことを考えている間に的場さんは私が予想した通り身体や手足を固定していく。
少し冷たい指先で私の首元に触れて何か囁いたようだけれど、何と言ったのかは聞き取れなかった。
全て終えてあとは陣から出ていくだけと思った時、
「少しだけ我慢してください」
耳元に声をかけられ、それと同時に右の翼に痛みが走った。
次いで左の翼にも同じ痛みが走り、思わず涙が流れた。
「1時間程で済みます」
親指で私の涙を拭いながらそれだけ言うと、彼は陣から出ていった。
頭を動かせないので横目で翼を見ると、白い紙が結んである矢が見える。
翼に矢を突き刺されたのだろう。両翼とも動かせない。
部屋から人が出ていく気配と扉が閉ざされる音がした直後、あの苦痛が襲ってきた。
でも、いつもと違う。
痛みから逃れようとしても身体に力が入らない。
翼が固定されていて羽ばたくことさえできない。
暴れることさえできない、疲れ果てて気を失うことさえも…。
的場さんの声で、思い出から引き戻された。
「いつまでうずくまっていても私は妥協しませんよ。諦めて翼を出して下さい」
翼を出すこと自体は特に痛みはない。
でも、力を搾り取られるのは苦痛を伴う。
「できる限り傷はつけませんが、自分で出す気がないなら、術で無理にでも引き出しますよ」
苛立っている声色ではないけれど、顎を押さえて無理やり顔をあげさせる。
術で引き出されるのは痛い。
覚悟を決めて深呼吸して翼を出す。
「いい子だ」
優しく私の頭を撫でると、目を細めて
「いつ見ても見事な翼ですねぇ」
と羽根を指ですいた。
的場さんほどの力があれば翼に触れることができるのだろう。
搾取されるのは言うまでもなく嫌だが、翼を見られること自体嫌なのに。
逃れるように身じろぎするが、抵抗は難なく制され陣の中に寝かせられた。
押さえつけられて動かない腕の代わりに、手首を動かして拳で床を叩く。
コンコンコンッ
乾いた木の音が無意味に響く。
あとは身体を固定され、苦痛に耐えるだけ。
いや、耐えられない苦痛に暴れて疲れ果てて気を失い、苦痛で目覚めては暴れてを繰り返すのだが。
母の実家にいた時も、叔母のもとにいた時もそうだった。
羽ばたいても羽ばたいても翼は床を打つだけ…。慣れたからといって痛くないわけではない。
そんなことを考えている間に的場さんは私が予想した通り身体や手足を固定していく。
少し冷たい指先で私の首元に触れて何か囁いたようだけれど、何と言ったのかは聞き取れなかった。
全て終えてあとは陣から出ていくだけと思った時、
「少しだけ我慢してください」
耳元に声をかけられ、それと同時に右の翼に痛みが走った。
次いで左の翼にも同じ痛みが走り、思わず涙が流れた。
「1時間程で済みます」
親指で私の涙を拭いながらそれだけ言うと、彼は陣から出ていった。
頭を動かせないので横目で翼を見ると、白い紙が結んである矢が見える。
翼に矢を突き刺されたのだろう。両翼とも動かせない。
部屋から人が出ていく気配と扉が閉ざされる音がした直後、あの苦痛が襲ってきた。
でも、いつもと違う。
痛みから逃れようとしても身体に力が入らない。
翼が固定されていて羽ばたくことさえできない。
暴れることさえできない、疲れ果てて気を失うことさえも…。
