3-2 白黒のアドレッセンス・後編
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本当に、世の中いろんな人がいる。
「……」
「何を考えているんです?」
話が終わったと思って黙って自分の思考に入ろうとしたら、興味深いものを観察するかのように顔を覗き込まれた。
「…妖力の強い後継がほしいから結婚するために未成年を連れてくるとか…そんなことあるかなと思っていたけど、世の中いろんな人がいるものだから、まあそういう人もいるか、と…考えていました」
言葉を選びつつ答えたつもりだけど、これでは的場さんの言うことを信用していなかったと面と向かって言っているようなものだ…。
「あはは、世の中いろんな人がいますからねえ。はは、後々のことを考えて嘘も建前もなしに伝えたつもりなんですが、信用ないですねぇ。まあ、高い壺売ってると思われていたなら信用も何もないか」
まずいことを言ったと思ったけれど、軽く笑い飛ばされた。
「それにしても、高い壺って… もしかしてお母様のご実家に行ったことないんですか?」
くくくと思い出し笑いをした後、彼は不思議そうに訊く。
「ありますが…」
「草摩家も祓い屋の名家でしょう?」
「え?あの家はカルトかと思ってました」
「……」
…沈黙…からの…
「プッ、はははははは…」
…爆笑。しかも全員。
「…反社会的な組織ではないからセーフでしょうか」
あまりにも笑うのでどうしていいか困ってしまう。
「たしかに草摩家は占い師としての側面が強いので、熱狂的に信頼を寄せる一般顧客が付きがちですね。祓い屋内でも『草摩の目』への信頼はかなり高いですが、カルトって…」
「『目』を持つ内部の人達より、見えない一般の顧客が…顧客というよりもはや信者で、『目』を持つ人達を祭り上げる風潮があって…いつか公安とかに目をつけられるんじゃないかと」
「あはは、まぁ力は本物なので大丈夫でしょう」
目をつけられてもやましくないから大丈夫って意味?カルトに仕立て上げられる前にその芽を摘めるって意味?それなら初めからもっと上手くやればいいのに。
「本物だとしてもカルト感が出る態度を取らなきゃいいのに、と思ったりします」
「中から見るとそんなにカルト感出てるんですか?」
「ちょっと考えればわかることをわざわざ仰々しい道具で占う意味がわかりません。私が『目』の力を全く授からなかったからわからないだけかもですが」
「本当に有能な『目』を持つ人は道具などなくても一瞬で『視える』と聞きますが、私も個人的には君と同意見ですね。知識と推論で答えに辿り着けるならその方が効率的だ」
意外と現実主義なのかな。
…私が『草摩の目』が少しでも使えたなら、違った未来があっただろうか…。
「で、君は私達に他意があると思っていたようですが、本当に言葉通り妖力の強い後継を得るために連れてきたのだとしたら、どうするんですか?」
「びっくりする」
七瀬さんが吹き出した。
答えを間違えただろうか?
「どうするつもりなのか、と訊いたんですが」
やっぱり質問の意図を取り違えたようだ。的場さんはイライラしている感じではないけど。
「…どうって、どうかすることってあるんでしょうか…反社会的な組織と繋がりがあるなら警察に行くとかあるかと思いますけど、言葉通り婚姻のためなら、へーそんなことあるんだー。おしまい。という感じです」
軽く開いた両手の指を上に向けて、親指と他の4本の指が向かい合うようにすぼめながら手を下ろす。
指先は冷たかった。
「……」
「何を考えているんです?」
話が終わったと思って黙って自分の思考に入ろうとしたら、興味深いものを観察するかのように顔を覗き込まれた。
「…妖力の強い後継がほしいから結婚するために未成年を連れてくるとか…そんなことあるかなと思っていたけど、世の中いろんな人がいるものだから、まあそういう人もいるか、と…考えていました」
言葉を選びつつ答えたつもりだけど、これでは的場さんの言うことを信用していなかったと面と向かって言っているようなものだ…。
「あはは、世の中いろんな人がいますからねえ。はは、後々のことを考えて嘘も建前もなしに伝えたつもりなんですが、信用ないですねぇ。まあ、高い壺売ってると思われていたなら信用も何もないか」
まずいことを言ったと思ったけれど、軽く笑い飛ばされた。
「それにしても、高い壺って… もしかしてお母様のご実家に行ったことないんですか?」
くくくと思い出し笑いをした後、彼は不思議そうに訊く。
「ありますが…」
「草摩家も祓い屋の名家でしょう?」
「え?あの家はカルトかと思ってました」
「……」
…沈黙…からの…
「プッ、はははははは…」
…爆笑。しかも全員。
「…反社会的な組織ではないからセーフでしょうか」
あまりにも笑うのでどうしていいか困ってしまう。
「たしかに草摩家は占い師としての側面が強いので、熱狂的に信頼を寄せる一般顧客が付きがちですね。祓い屋内でも『草摩の目』への信頼はかなり高いですが、カルトって…」
「『目』を持つ内部の人達より、見えない一般の顧客が…顧客というよりもはや信者で、『目』を持つ人達を祭り上げる風潮があって…いつか公安とかに目をつけられるんじゃないかと」
「あはは、まぁ力は本物なので大丈夫でしょう」
目をつけられてもやましくないから大丈夫って意味?カルトに仕立て上げられる前にその芽を摘めるって意味?それなら初めからもっと上手くやればいいのに。
「本物だとしてもカルト感が出る態度を取らなきゃいいのに、と思ったりします」
「中から見るとそんなにカルト感出てるんですか?」
「ちょっと考えればわかることをわざわざ仰々しい道具で占う意味がわかりません。私が『目』の力を全く授からなかったからわからないだけかもですが」
「本当に有能な『目』を持つ人は道具などなくても一瞬で『視える』と聞きますが、私も個人的には君と同意見ですね。知識と推論で答えに辿り着けるならその方が効率的だ」
意外と現実主義なのかな。
…私が『草摩の目』が少しでも使えたなら、違った未来があっただろうか…。
「で、君は私達に他意があると思っていたようですが、本当に言葉通り妖力の強い後継を得るために連れてきたのだとしたら、どうするんですか?」
「びっくりする」
七瀬さんが吹き出した。
答えを間違えただろうか?
「どうするつもりなのか、と訊いたんですが」
やっぱり質問の意図を取り違えたようだ。的場さんはイライラしている感じではないけど。
「…どうって、どうかすることってあるんでしょうか…反社会的な組織と繋がりがあるなら警察に行くとかあるかと思いますけど、言葉通り婚姻のためなら、へーそんなことあるんだー。おしまい。という感じです」
軽く開いた両手の指を上に向けて、親指と他の4本の指が向かい合うようにすぼめながら手を下ろす。
指先は冷たかった。