ハロウィンパーティー?

「まぁ…それで、貴方達も仮装を」

音瑠ねるから事の顛末を聞かされた音瑠ねるの母親・樟菜くすなは納得したように頷いた。

「ハロウィンですものね…お三方、とてもよく似合ってよ。はい、お菓子をどうぞ」

微笑んだ樟菜くすなは、緑のリボンで結われたハロウィン柄の包みを三人に手渡した。
受け取った倉世くらせは不思議そうに、樟菜くすなに訊ねた。

「…貴方達も、という事は俺達の他に誰が?」
「えぇ、みなさんがいらっしゃる前…白季しらきさんやたくさん仮装した方々に」

にこりと微笑んだ樟菜くすなの後ろには、これからまだ仮装した誰かが来るのだろう――たくさんのお菓子の山が見えた。

(まだ俺達の他に来るようだな……)

樟菜くすなの後ろにあるお菓子の山を見た七弥ななやは、納得したように小さく何度か頷いている。

「お母様…もしかして、大蛇を連れた方もいらっしゃったのですか?」

倉世くらせ七弥ななやも気になってはいたが、少し恐ろしくて聞けなかった事を音瑠ねるは訊ねた。

「いえその、そういう話を聞いたので……本当かしら?と思って」
「あら?貴女、知らなかったの?ハロウィンは、みなさんが楽しむべきお祭りですから…ね」

驚きもせず、樟菜くすなは微笑んだまま娘の質問に答える。

(ほ、本当だったんだ……)

倉世くらせ達の気持ちがひとつとなった。

――できれば出会いたくないなぁ、と。




樟菜くすなの所を後にした三人が、次に向かった場所は――

「あら、また仮装した子達……お菓子が欲しいの?」

そこには少し疲れた表情を浮かべる女性・織葉おりはが黒い魔女の格好をして立っていた。
手に長いかき混ぜ棒を持ち、傍には怪しげな煙りを出している大きな鍋がある。

「えっと…魔女、か?」

思わず訊ねた倉世くらせに、織葉おりはは無表情なまま頷いた。

「えぇ、息子がどうしてもって……一番似合うから、って」
「はぁ…そうでしたか」

確かに十分似合っている、と思った七弥ななやであるが、そこはあえて触れずに当たり障りのない返事をする。
怪しげな煙りを出している鍋から、白い包みを3つ取り出した織葉おりはは差しだした。

「はい、お菓子……」
「あ、ありがとうございます…」

代表しておずおずと受け取った音瑠ねるは、ゆっくりと頭を下げる。
倉世くらせ音瑠ねるの後に頭を下げたが、どうしても怪しげな煙りをあげている鍋の正体が気になってしまう。

「…ひとついいか?その鍋は――」
「あぁ、この鍋?」

やはり表情を変えず、織葉おりはは答える。

「ドライアイスと色のついた電球を鍋の底に仕込んでいるのよ…息子がそうしろって、ふふふ」
「恐ろしく知恵の回る3歳児子供だ……」

小さく呟いた七弥ななやは、苦笑するしかなかった。




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