9話:鎮めの供物
しーんと静まり返っているので、おそらく家にいる者達は大人しくしているのだろう。
…まぁ、大人しくできなかった者達は医院の一室に閉じ込めているのだが。
その件も含めて、里長に物申せばいいだろうと考えた
少々不用心ではあるが、大人しくできなかった者達が戻って来た時の為に開けていたのだろう。
どうせなら、全員が全員大人しく静かに過ごしていればいいのに…と、
足音を殺して廊下を行くと、扉の隙間から明かりが漏れている部屋を見つける――おそらく、長がいるのだろう。
(なるほど、報告を待っている…という事か)
静かにため息をついた
そして、指示を受けた彼は扉に手をかけて勢いよく扉を開ける。
「随分と呑気なものだな。だが、待ち人達は事態が収束するまで戻ってこないと思うぞ?」
「
突然の訪問者に、屋敷の主である長・
しかし、すぐに
「あれらに何かしたのか…さすが余所者、といったところか。貴様らはここの決まりを何ひとつ理解しておらんようだな?」
「ふっ、お前こそ何も理解していないようだな。俺達が余所者、ねぇ…そもそも、お前達はひとつ誤解をしている」
隣に立つ
嘲笑うように
「俺が余所者なら、
「言っている意味がわからん、
ふん、と鼻で笑う
その笑みに何かを感じ取ったのだろう、
「貴様ら、何がおかしい?」
「いえ、まったく気づいていなかったのだな…と、思わず――失礼しました」
小さく咳払いをした
何に気づいていないというのか、まったく理解できなかったのだ。
何かをやらかして飛ばされたのか、としか考えていなかったがここでも何かしていたのか?
そういえば2人がやって来た時、
…何やら大怪我を負った為、
前任者は別の医院へ移動するのだと言っていたので、何もできないだろうと放置している。
それでは、療養しに来ていた男の方か…?
だが、こちらの方は見舞いと称して紫色の髪をした娘が来たくらいで――そういえば、あの娘が帰っていくところは見ていない。
心当たりとしてはそれぐらいか、と考えている
「よし、まず訂正事項からいくべきだな。
そこまで語った
何も答えない
「お前達の方へ、
「偽りの報告、2年を遅らせた…?では、本物――誰と入れ替えたというのだ?」
拳を震わせながら、すぐ隣にいる
自分達の事を〈咎人〉と呼ぶ理由は、祖先達のした事を考えればわかる…が、その呼び方をするのは〈神の血族〉だけである。
――しかし、ぞんざいな言い方をしているが何故この男にそう呼ばれなければならないのだろうか?
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