8話:真実の刃
「――そういえば、真那 ちゃん」
何かを思い出したように手を打った桜矢 さんが、準備をしている先生達の姿を横目に囁きかけてきた。
首をかしげながら返事をすると、彼は言葉を続ける。
「あの時、途中までしか聞いてなかったけど…天宮 様、他の人の目を通して見てるって話してたよね?」
「え…ぁ、はい」
医院で襲われた時に、そんな話をしていた気がする…というか、私に代わりに見ているように言ってたような?
それを話すと、桜矢 さんは更に声を潜めるように言う。
「実は、本当に見えてるわけじゃないんだよ…視力以外の感覚と感応能力で相手の思考を読んで動いてるだけで――」
そういえば目が見えない分、他の感覚が鋭くなるっていう話を聞いた事があった。
天宮 様は、それに加えて感応能力を使って思考を読んでいたんだろう…それだけで、あの動きができるのはすごいと思う。
だから、八守 さんや先生達が過保護レベルで守ろうとしている理由 がなんとなく理解できた。
何も知らなかったら、他人の目を通して見ていると思ってしまうかもしれない…現に、私は教えてもらうまで勘違いしていたもの。
でも、どうしてそんな事を天宮 様は勘違いするような事を言っているのだろう?
そんな事を考えていると、悠河 さんから着替えを受け取っていた桜矢 さんが答えてくれた。
「天宮 様が幼い頃、人間 のお姫様のひとりが聞いていたんだよね。まるで見えているみたいだって……」
そのお姫さまもかなり幼かったから、純粋に疑問だったんだろう…だから、どうしてなのかを訊ねた。
――自分にある残りの四感と〈神の血族 〉の力である感応能力で、大体の雰囲気を感じ取って動けるのだと説明したそうだ。
ただ、そのお姫様が理解できなかったらしく詳しく教えてほしいといつも言っていたらしい。
四感だけでもすごいのに、感応能力も使ってだと人間 には理解できないものだからお姫様の気持ちも分からなくもないけど。
最終的に、天宮 様が「他の人のはもちろん、貴女の目を通して見ている」と話したのだという……
「説明自体面倒になって、そう言った事で解決できたんだけど…それ以来、その説明で済ませるようになったんだ」
「あぁ…なるほど」
思わず納得してしまったけど、天宮 様も大変だったんだろうな。
うん、私もここにいる間は八守 さんや先生達に協力して天宮 様の手伝いをしてあげようと思った。
***
何かを思い出したように手を打った
首をかしげながら返事をすると、彼は言葉を続ける。
「あの時、途中までしか聞いてなかったけど…
「え…ぁ、はい」
医院で襲われた時に、そんな話をしていた気がする…というか、私に代わりに見ているように言ってたような?
それを話すと、
「実は、本当に見えてるわけじゃないんだよ…視力以外の感覚と感応能力で相手の思考を読んで動いてるだけで――」
そういえば目が見えない分、他の感覚が鋭くなるっていう話を聞いた事があった。
だから、
何も知らなかったら、他人の目を通して見ていると思ってしまうかもしれない…現に、私は教えてもらうまで勘違いしていたもの。
でも、どうしてそんな事を
そんな事を考えていると、
「
そのお姫さまもかなり幼かったから、純粋に疑問だったんだろう…だから、どうしてなのかを訊ねた。
――自分にある残りの四感と〈
ただ、そのお姫様が理解できなかったらしく詳しく教えてほしいといつも言っていたらしい。
四感だけでもすごいのに、感応能力も使ってだと
最終的に、
「説明自体面倒になって、そう言った事で解決できたんだけど…それ以来、その説明で済ませるようになったんだ」
「あぁ…なるほど」
思わず納得してしまったけど、
うん、私もここにいる間は
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