8話:真実の刃

――夕刻前、輝琉実ひかるみにある教会の前で淡い赤色の髪をした青年がひとり、千森ちもりのある方向の空を睨みゆけるように眺めていた。
教会から修道女シスターが姿を現すと、そんな彼に声をかける。

「……向かわれますか?」
「あぁ、何時いつまでも休んでいるわけにもいかない…いろいろと手配してくれて感謝する」

ちらりと修道女シスターを見やった青年は足元に置いている剣を鞘ごと持った。
そして、千森ちもりへ出発する後ろ姿に向けて修道女シスターは深く頭を下げる。

「お気をつけて…悠河はるか様――」









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