8話:真実の刃
――夕刻前、輝琉実 にある教会の前で淡い赤色の髪をした青年がひとり、千森 のある方向の空を睨みゆけるように眺めていた。
教会から修道女 が姿を現すと、そんな彼に声をかける。
「……向かわれますか?」
「あぁ、何時 までも休んでいるわけにもいかない…いろいろと手配してくれて感謝する」
ちらりと修道女 を見やった青年は足元に置いている剣を鞘ごと持った。
そして、千森 へ出発する後ろ姿に向けて修道女 は深く頭を下げる。
「お気をつけて…悠河 様――」
***
教会から
「……向かわれますか?」
「あぁ、
ちらりと
そして、
「お気をつけて…
***