7話:記憶の海風


――…どうやら、試作体の【機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナ】が暴走したらしい。




それは…数多の生命を道連れにし、世界の半分を破壊するという最悪な結果をもたらしました。
威力だけで言えば、この世界全てを破壊するものでしたが……


人間ひとの愚行を阻止する為に、〈神の血族古代種〉の半数の者がその生命をした事で半分だけで済んだわけです。
その中に、私の同母弟おとうとも含まれており…半分だけとはいえ、世界を守った彼は〈神の血族古代種〉王家の者としての務めを果たしたといえるでしょう。
報告を聞いた時、私は弟を誇りに思うと同時に深い哀しみに襲われたものです。


しかし、破壊の力を半減させたとはいえ――世界が深く傷つけられた事実は変わりありません。
だから与えられました…終わる事のない時を生き永らえる、という罰を。
……苦しみが永遠に続くように、と。


どんなに深く…生命を失うような傷を負ったとしても、終われないのです。


だから、私は造った――生き残っている〈神の血族古代種〉を救う為のすべを……
赦されない行動かもしれないと思いましたが、世界はそれを赦した。
…それでも、苦しみが伴うので見逃されただけだろう事は簡単に理解できましたが。



唯一ともいえる救いは、世界が人間ひとにまで罰を与えなかった事かもしれません。
さすがの私でも、人間ひとを救うすべまでは造れませんから……




――ただ、ひとつわからない事があります。


どうして世界は、咎人である人間ひとだけを赦したのか…?
何故、我々だけが罪を背負う事になってしまったのか…?


その答えは…いずれ、私達――〈神の血族古代種〉が本当の意味で救われ、終焉を迎える時にわかるのかもしれません。








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