0話:惨劇の祭り
このペンダントも匠によって造られた一品物なのだ、と彼は教えてくれた。
「ありがとうございます、
「よかった、喜んでもらえて。あ、そうだ。僕がつけてあげるよ」
包みからだしたペンダントを、
ペンダントの金具を外して、そっと私の首元にかけて金具をつけてくれた。
自分の胸元に光る桜のペンダントに目を向けたまま、照れた様子の彼にもう一度お礼を伝える。
「ありがとう、私一生大切にします!」
私は桜のペンダントを両手で握りしめ、目を閉じて幸せをかみしめた。
大切な人からの贈り物――これは私の、何にも代えられない宝物。
父が母に贈ったエーデルワイスの花が描かれた小箱と同じ、唯一無二のもの。
彼も同じ気持ちなのか、お互いに視線を合わせるのが照れくさくて…なんだか顔が熱いよ。
しばらく会話のない状態でいる私達の耳に、扉をノックする音が聞こえてきた――誰だろう、一体?
もう一度ノック音が聞こえてきたので、慌てて立ち上がって扉を開けた。
そこにいたのは淡い赤い色の髪に茶色の瞳をした青年で、彼は私を見ると頭を下げる。
「我が主を迎えに来た、が…そろそろ、いいか?」
「あ、はい。すみません、
……あぁ、もしかして桜のペンダントをつける
そう考えていたら、また顔に熱が集まって――多分、すごく赤面してしまっていると思う。
「
扉の前に立つ私の傍まで来た
ひとつ咳払いをした
「足をくじき、全身を
「あぁ、そういえば今日こっちに来てるんだっけ…
たまたま用事があって
お見舞いの許可がでたという事で、私達は
扉を開けて室内に入ると、包帯を頭に巻いた叔父さんが寝台の縁に座ってこちらに向けて頭を下げた。
「
「いや、気にしなくていい。
安堵した様子の
頭を上げた叔父さんは私の存在に気づいて「心配かけた…ごめん」と謝った。
叔父さんが謝るような事は何もないのに――
あまり長居をしては駄目だから、他愛無い話を少しして
……多分、祭りの件と叔父さんが突き落とされた件でまだ話さないといけない事があるのかもしれない。
このまま自室に戻るのもあれなので、久しぶりに屋敷内を探索してみようと私は考えた。
もしかしたら、私が学校へ行っている間に知らない物とか増えているかもだし。
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