4話:赦されざる咎人
(…何故、走水 博士の警護についた者達全員がぐっすり寝ているのだろうか?)
飛行艇内で一番警備を厳重にしている『とある部屋』の前に立った帽子を目深に被った軍人は、呆れたように辺りを見回していた。
――そこには警備する軍人達がいるのだが、床の上に横になり小さな寝息をたてて眠っている。
(まぁ、色々あって疲れているのはわかるけどな……)
その時、すぐ近くで小さく着信音がした。
…その音は、彼のベルトにつけた通信機からのようだ。
(…ん?もしかして、定期連絡の時間だったか…?)
首をかしげながら通信機を取ると、返事をした。
「はい…あぁ、斐歌 様。今…は、『例の部屋』の前でぐっすり眠ってる軍人達と一緒ですよ。ははは、サボりですかね?」
通信機の向こうから呆れたような声で「そんなわけはない」というツッコミを受けるが、帽子を被った軍人は笑って答える。
「いやいや、本当ですって――そんな事より、何ですか?ご命令通り、飛行艇内を内偵し…って、はいはい…了解」
帽子を被った軍人は通信を終えると、苦笑しながら眠っている軍人達に目を向けた。
「よかったな…到着しても、ここで寝てサボっていた事を咎められずに済むぞー。まぁ、最もそんな呑気な事を言っている場合じゃなくなるわけだけどね」
口元にだけ笑みを浮かべ、帽子を被った軍人は帽子の鍔を持ち上げて『とある部屋』の方へ視線を向ける。
(まぁ、こっちは…もう少し泳がせておいても大丈夫かな。それよりも、希衣沙 のバカが相変わらずバカやってて面白かったし…)
希衣沙 が右穂 の制裁を受けた事やその後、杜詠 に痛めた肩をたたかれてもがき苦しんでいた事を思いだし…思わず声にだして笑いかけ、慌てて口元をおさえた。
(っと、危ない危ない…さてと、肝心の倉世 と右穂 を探さないといけないんだった。希衣沙 のバカが面白かったせいで、すっかり見失ったからなー…っと、忘れない内に――)
はたと思い出したように手を音もなくたたいた彼は、ちょっとやそっとでは起きそうにない軍人達の携帯している銃や刀をごっそり回収して持ち抱える。
「…よし、後はこれら をどこかに隠しておけば…こっちが動く時、少しは楽になるかな?」
小声で呟くと、もう一度ちらりと『とある部屋』の方を見た。
――まぁ、あの秘密を知った者 は確実に消さないといけないわけだけどね。
誰にも聞こえないような囁き声だけを残して、帽子を被った軍人は、その場から静かに去っていった。
飛行艇内で一番警備を厳重にしている『とある部屋』の前に立った帽子を目深に被った軍人は、呆れたように辺りを見回していた。
――そこには警備する軍人達がいるのだが、床の上に横になり小さな寝息をたてて眠っている。
(まぁ、色々あって疲れているのはわかるけどな……)
その時、すぐ近くで小さく着信音がした。
…その音は、彼のベルトにつけた通信機からのようだ。
(…ん?もしかして、定期連絡の時間だったか…?)
首をかしげながら通信機を取ると、返事をした。
「はい…あぁ、
通信機の向こうから呆れたような声で「そんなわけはない」というツッコミを受けるが、帽子を被った軍人は笑って答える。
「いやいや、本当ですって――そんな事より、何ですか?ご命令通り、飛行艇内を内偵し…って、はいはい…了解」
帽子を被った軍人は通信を終えると、苦笑しながら眠っている軍人達に目を向けた。
「よかったな…到着しても、ここで寝てサボっていた事を咎められずに済むぞー。まぁ、最もそんな呑気な事を言っている場合じゃなくなるわけだけどね」
口元にだけ笑みを浮かべ、帽子を被った軍人は帽子の鍔を持ち上げて『とある部屋』の方へ視線を向ける。
(まぁ、こっちは…もう少し泳がせておいても大丈夫かな。それよりも、
(っと、危ない危ない…さてと、肝心の
はたと思い出したように手を音もなくたたいた彼は、ちょっとやそっとでは起きそうにない軍人達の携帯している銃や刀をごっそり回収して持ち抱える。
「…よし、後は
小声で呟くと、もう一度ちらりと『とある部屋』の方を見た。
――まぁ、
誰にも聞こえないような囁き声だけを残して、帽子を被った軍人は、その場から静かに去っていった。