0話:終焉の街
多少、意識が朦朧としている時もあるようだが…おおむね計画通り、強大な力を維持した状態だ。
後はある程度データを取ったら、彼らを人体冷凍保存装置に入れて眠らせておく予定である。
慌てて今までのデータを調べ直したら、手を加える度に少しずつ減っていたのだ。
ひとり分だけを、誰かが持ち出している…のに、その翌日には戻されていた。
つまり、
俺達三人は容疑者から外れるとして考えられるのは
疑いだしたらきりがない状況だ…そもそも、監視をしていた
やはり、秘密警察内にも敵がいるのだろう…でなければ、こんな見過ごしが起こるはずない。
まだ起きるにしても早過ぎるが、だからといって眠ろうにも目は覚めてしまっていた。
そういえば、新たに補充されたものの成分が気になった…というか、それは同じものなのか?
気になった俺は、隣の部屋にいる
目的の場所へ着くと、ちょうど
「おや、
「
首をかしげた先生に訊ねると、今ある『薬』の成分調査の為にごく少量をサンプルとして採ってきたと答えた。
どうやら、先生も俺と同じ事を考えたらしい…というか、師弟揃ってこっそり調べようと考えたようだ。
…この後、俺と先生で『薬』の分析を
さすがに、犯人や目的まではわからないが『薬』の成分は劣っていないのでしばらく様子を見る事となった。
変に騒ぎ立てたとして、減ったままでない為にうやむや――むしろ、こちらが疑われる可能性もある。
盗んだものを何処へ隠しているのか現在わからないので、
もちろん俺も、仕事をしながら様子をうかがっておこうと思っている。
翌日の早朝、薬が消えていた事実に気づいたらしい研究者に会った。
その研究者は
もちろん、初めて知ったように答えたが…彼曰く、今まで自分が記録をつける当番の時にだけ一時的に減っているようで不思議に考えていたらしい。
どうしても気になって、勇気を出して俺に訊ねてみたそうだが…そういう事は早く言え!
とりあえず、この新人には俺も調べてみるので誰にも言わないよう言い含めておいた。
この日の早朝会議はその新人の挙動不審な様子以外、特に疑わしい人物はいなかった…が、あの新人には落ち着いて『報・連・相』をできれば実行してもらいたい。
それから少し経った13日の会議前、
近くを通りかかった
「――待ってください、約束が違います。そんな危険を冒す必要はないでしょう?」
「そもそも、今回の被験者は戦闘訓練を受けていた者達ばかり…
先生の言葉に、
同意するように頷いた
「ふむ…
どう考えるか、と訊ねられても…何がどうなのかわからないので、俺としてはもう少し情報をもらえると嬉しいのだが?
返答に困っていると、
…どうやら、戦闘訓練をまったく受けていない人間に投与した場合の結果が知りたいと
だが、
あの『薬』の危険性は、学生時代に調べているので知っている――だから、俺も
例え、何かの治療に役立つ可能性があったとしても…危険性の方が高いので、使うのはやめた方がいい。
それを
会議の議題としてあがり、多数決で
…会議後、
おそらく
もちろん、非人道的な実験を自分達がやっている自覚もある…実験期間は残り2ヶ月、余計な波風はたてるべきでないはずだがな。
30分もしない内に、
あの短時間で、なんとか連絡がとれたのだろう…そもそも、相手の目的がわからないと潰す機会を失ってしまう。
巻き込んでしまう患者には申し訳ないが、同時に特効薬で治療するので耐えてほしい。
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