1章
夢小説設定
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オールマイトの案内のもと、私はプライドに再び持ち上げられて運んでもらっている
どうやらさっきの部屋は地下にあったらしく、何故か電気が通っていない階段をひたすら上り続けることに
私の今の体は筋肉が赤ん坊レベルに未発達で、階段を上るのも一苦労だった
見かねたプライドに持ち上げられてしまい、仕方なく無抵抗で運ばれているのだ
このままでは何も出来ないダメ人間になってしまうので、体力・筋力は最低でも平均値ぐらい確保しなくては…
「ところで、君の名前は宝と言うのかい?」
沈黙が気まずかったのか、先程から気になっていたのか分からないが、オールマイトが質問してきた
唐突な上にどう返答しようか悩んでいた案件で私はすぐに口を開けなかった
すると、プライドがゆらりと体を揺らして私を隠す
《人間風情が気安く宝の名を呼ばないで頂きたいですね。そもそも自分が名乗らずに淑女 の名前を勝手に呼ぶなど失礼なのでは?》
「し、失礼した!私としたことが…。私はオールマイト、プロヒーローなんだ。君の名前を聞いてもいいかい?」
プライドのただならぬ殺気に驚いたオールマイトだが、怯えたりはしない
それだけでこの人がどれだけ凄い人なのか感じ取れた
おまけにこんな子どものために目線を合わせてくれる
思いやりの心を持った優しい人なんだな
『…宝、です』
「宝少女だね、素敵な名前だ。これから私と一緒に来てもらうことになるが、大丈夫かい?」
分かってる、自分がこれからどういう扱いを受けるかなんて…
“人造人間”だとあの男は言っていた
なら私は人間じゃない、別の生き物と認識されてどこかの研究施設に管理される筈だ
それは、少し怖いけど……
《心配いりません、宝のことは私達が全力で守ります。実験体になど絶対にさせませんよ》
プライドは触手でスルスルと頬を撫でてくれる
見た目からは想像出来ない優しい手付き
それだけで私の不安は薄れていく
「実験体!?宝少女、それは私が断固反対する!!君が例え人造人間だとしても、心を持っているのは紛れもない事実だ。もしそんな非道徳的な輩が居れば、私が守ってみせよう!」
そう言って自分の胸を拳で叩く彼は何故こんなにも頼もしいのだろうか
見た目もそうだが、彼の言葉には嘘なんて1つもないんだ
それがどれだけ凄いことなのか、彼は自覚しているのだろうか
『……まもって、くれますか?』
「!勿論だ!!だから安心してくれ」
白い歯を見せて笑うオールマイト
彼は信用しても大丈夫だと判断した私はぎこちなく、だが確実に口角を上げて笑った
『…ありが、とう……』
「ッ……!あぁ、こちらこそ!」
何故かお礼を言われてしまったが、これ以上プライドを放置すると怖いから先に進もう
オールマイトも段々殺気が冗談の域を越えているのに気付いて歩き始めた
私を運びながら後ろに続くプライドは小さく溜め息を吐く
《ハァ…全く、宝は甘すぎます。人間を簡単に信用してはいけませんよ。人間は我が身可愛さで他人を騙し、奪い、蹴落とす生き物なんですからね》
酷い言われようだ…
どう反応するか迷い、結局オールマイトは特別ということにした
それにもしそういう事態になった時、プライドが守ってくれるなら何も怖くないのが私の本音でもある
それを伝えたらプライドが目を細めて笑いかけてくれる
《全く…そんな可愛らしいことを言われては折れるしかないじゃないですか》
『?』
《何でもありません。それよりほら、外が見えてきましたよ》
前を向くといつの間にか階段は上り終わっていたし、通路の奥から光が差している
その光の中でオールマイトが私に手を伸ばして待ってくれている
プライドに戻ってもらった私は自分の足でコンクリートの床を走り、オールマイトの大きくて温かい手にしがみつく
「さぁ、行こうか」
『はい…!』
眩い光の向こう側
そこは私にとって無害か、はたまた有害か
まだ分からないことだらけだが、今度は簡単に死んでやらないつもりで生きていこう
どうやらさっきの部屋は地下にあったらしく、何故か電気が通っていない階段をひたすら上り続けることに
私の今の体は筋肉が赤ん坊レベルに未発達で、階段を上るのも一苦労だった
見かねたプライドに持ち上げられてしまい、仕方なく無抵抗で運ばれているのだ
このままでは何も出来ないダメ人間になってしまうので、体力・筋力は最低でも平均値ぐらい確保しなくては…
「ところで、君の名前は宝と言うのかい?」
沈黙が気まずかったのか、先程から気になっていたのか分からないが、オールマイトが質問してきた
唐突な上にどう返答しようか悩んでいた案件で私はすぐに口を開けなかった
すると、プライドがゆらりと体を揺らして私を隠す
《人間風情が気安く宝の名を呼ばないで頂きたいですね。そもそも自分が名乗らずに
「し、失礼した!私としたことが…。私はオールマイト、プロヒーローなんだ。君の名前を聞いてもいいかい?」
プライドのただならぬ殺気に驚いたオールマイトだが、怯えたりはしない
それだけでこの人がどれだけ凄い人なのか感じ取れた
おまけにこんな子どものために目線を合わせてくれる
思いやりの心を持った優しい人なんだな
『…宝、です』
「宝少女だね、素敵な名前だ。これから私と一緒に来てもらうことになるが、大丈夫かい?」
分かってる、自分がこれからどういう扱いを受けるかなんて…
“人造人間”だとあの男は言っていた
なら私は人間じゃない、別の生き物と認識されてどこかの研究施設に管理される筈だ
それは、少し怖いけど……
《心配いりません、宝のことは私達が全力で守ります。実験体になど絶対にさせませんよ》
プライドは触手でスルスルと頬を撫でてくれる
見た目からは想像出来ない優しい手付き
それだけで私の不安は薄れていく
「実験体!?宝少女、それは私が断固反対する!!君が例え人造人間だとしても、心を持っているのは紛れもない事実だ。もしそんな非道徳的な輩が居れば、私が守ってみせよう!」
そう言って自分の胸を拳で叩く彼は何故こんなにも頼もしいのだろうか
見た目もそうだが、彼の言葉には嘘なんて1つもないんだ
それがどれだけ凄いことなのか、彼は自覚しているのだろうか
『……まもって、くれますか?』
「!勿論だ!!だから安心してくれ」
白い歯を見せて笑うオールマイト
彼は信用しても大丈夫だと判断した私はぎこちなく、だが確実に口角を上げて笑った
『…ありが、とう……』
「ッ……!あぁ、こちらこそ!」
何故かお礼を言われてしまったが、これ以上プライドを放置すると怖いから先に進もう
オールマイトも段々殺気が冗談の域を越えているのに気付いて歩き始めた
私を運びながら後ろに続くプライドは小さく溜め息を吐く
《ハァ…全く、宝は甘すぎます。人間を簡単に信用してはいけませんよ。人間は我が身可愛さで他人を騙し、奪い、蹴落とす生き物なんですからね》
酷い言われようだ…
どう反応するか迷い、結局オールマイトは特別ということにした
それにもしそういう事態になった時、プライドが守ってくれるなら何も怖くないのが私の本音でもある
それを伝えたらプライドが目を細めて笑いかけてくれる
《全く…そんな可愛らしいことを言われては折れるしかないじゃないですか》
『?』
《何でもありません。それよりほら、外が見えてきましたよ》
前を向くといつの間にか階段は上り終わっていたし、通路の奥から光が差している
その光の中でオールマイトが私に手を伸ばして待ってくれている
プライドに戻ってもらった私は自分の足でコンクリートの床を走り、オールマイトの大きくて温かい手にしがみつく
「さぁ、行こうか」
『はい…!』
眩い光の向こう側
そこは私にとって無害か、はたまた有害か
まだ分からないことだらけだが、今度は簡単に死んでやらないつもりで生きていこう