1章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
闇に飲み込まれた私が次に目を覚ましたのは、水の中だった
海とか湖なんて自然で綺麗なものじゃなく、人工的に作られた水槽の中
体温を奪わない為か温 い水で、口には酸素を送り込むマスクが取り付けられている
他にも身体中にチューブが刺さっていて違和感が凄い
手足は枷で拘束されているし、起きてすぐの視界では水槽の向こう側まで見えない
気泡に包まれながら何度も瞬きを繰り返す内に視覚が戻り、こちらを見て気色悪い笑みを浮かべるイカれた科学者っぽい男が見えた
目が合った途端に全身を走る嫌悪の感情
何故そんな感情を抱くかは何となく察せる
この"身体"に沁みついている男にされた"検証"と言う名の人体実験の数々
マッドサイエンティストなんて初めて見たが、本当に人間としての色んなものが欠けている生き物なんだな
水槽は相当分厚いのか、男が興奮気味に何かを叫んでいても何も聞こえない
男が叫び声を聞いてワラワラと白衣を着た連中が水槽越しに私を囲む
その顔はどれも嬉しそうだけど、どれもこれも欲望塗れで私はちっとも嬉しくない
このままコイツ等のおもちゃにされるのかと軽く絶望していると、遠くから何かが近付いてくるのを察知した
何故そんなことが分かるのか疑問に思うよりも先に、暗かった部屋の壁が轟音と共に吹き飛んだ
次から次へと状況がコロコロ変わって考えるのが疲れてきた
「ーーーー!?」
「ーーーーーーーー!!ーーーーーーーーーーーー!?」
壁から現れたのは、アメコミから飛び出したような変わった格好の金髪の筋骨隆々男
部屋全体を混乱した空気が流れる中、アメコミ男は白衣の連中に続いて私の存在に気付いた
彫りの深い顔立ちの影響で影になっている目元に光る碧眼が驚愕の色に染まる
人体実験の被験者なんて見れば誰だってそうなる
“あぁ、見つかったのか”と他人事として捉えていた私は、アメコミ男に次々と吹っ飛ばされる白衣野郎達に同情してこの状況を傍観する
すると、マッドサイエンティストがどこかから持ってきたのか鉄パイプで水槽を叩き割り始めた
分厚かった水槽に亀裂が入り、それが大きくなれば水が漏れ出て最後は盛大に砕け散った
水ごと外に流された私はマスクが外れて咳き込み、チューブが刺さっていた場所からは血が細く流れる
『っ、ゲホ…ケホ……』
「さぁ、144号!お前の力を見せてやれ!!忌まわしいヒーロー共を皆殺しにしろ!!」
うるさい…、ちょっと黙っててくれないか
こちとら今咳き込んでる最中だっての…
「こんな幼い少女に非道なことを…ッ!許さんぞ!!」
「黙れオールマイト!!こいつは"ヒーロー抹殺"の為に複数の個性を融合させて生まれた"人造人間"!お前の時代は、今日この日をもって終止符を打つのだ!!」
「人造、人間だと……!?どこまで人間の道を外れれば気が済むのだ!!」
……うるさい…
「長かった!研究と実験を繰り返す日々で何度も作っては壊れ、また作る毎日だった…。だがそれも今日で終わる!!さぁ144号、父である私の命令に従え!」
…うるさい……ッ
「殺せ!!"平和の象徴"、オールマイトを!!」
うるさい…!うるさい!!
「ヒーローを名乗る全てのイカれた奴等を血祭りにしろ!!」
私にそんな力なんて…ッ!
「そして!!俺を新しい社会の王にするのだ!!」
ある筈が―――――
《ありますよ、貴女には》
『ッ!!』
…誰だ、今の……
《貴女の"個性"よ》
《俺達はお前の力だ》
《存分に振るうが良い》
《食べていい?ソイツ食べていい?》
《メンドクセー…けど、お前やられるの、もっとメンドクセー》
《そんなゴミクズ、すぐに消してやるよ》
何、これ……
頭に声が響いて…!
「何をしている、144号!早くコイツを殺せ!!」
『ぅう、あ、あぁ…!あ゛あ゛あぁ!!』
「いかん!少女!!」
《さぁ、命じてください。我等の主》
個性だの力だの主だの、知ったことじゃないけど…!
『コイツを黙らせろ!!“人造人間 ”!!!』
《はい、お望みのままに》
子供のような、大人のような声を皮切りに、私は不思議な闇に包まれた
海とか湖なんて自然で綺麗なものじゃなく、人工的に作られた水槽の中
体温を奪わない為か
他にも身体中にチューブが刺さっていて違和感が凄い
手足は枷で拘束されているし、起きてすぐの視界では水槽の向こう側まで見えない
気泡に包まれながら何度も瞬きを繰り返す内に視覚が戻り、こちらを見て気色悪い笑みを浮かべるイカれた科学者っぽい男が見えた
目が合った途端に全身を走る嫌悪の感情
何故そんな感情を抱くかは何となく察せる
この"身体"に沁みついている男にされた"検証"と言う名の人体実験の数々
マッドサイエンティストなんて初めて見たが、本当に人間としての色んなものが欠けている生き物なんだな
水槽は相当分厚いのか、男が興奮気味に何かを叫んでいても何も聞こえない
男が叫び声を聞いてワラワラと白衣を着た連中が水槽越しに私を囲む
その顔はどれも嬉しそうだけど、どれもこれも欲望塗れで私はちっとも嬉しくない
このままコイツ等のおもちゃにされるのかと軽く絶望していると、遠くから何かが近付いてくるのを察知した
何故そんなことが分かるのか疑問に思うよりも先に、暗かった部屋の壁が轟音と共に吹き飛んだ
次から次へと状況がコロコロ変わって考えるのが疲れてきた
「ーーーー!?」
「ーーーーーーーー!!ーーーーーーーーーーーー!?」
壁から現れたのは、アメコミから飛び出したような変わった格好の金髪の筋骨隆々男
部屋全体を混乱した空気が流れる中、アメコミ男は白衣の連中に続いて私の存在に気付いた
彫りの深い顔立ちの影響で影になっている目元に光る碧眼が驚愕の色に染まる
人体実験の被験者なんて見れば誰だってそうなる
“あぁ、見つかったのか”と他人事として捉えていた私は、アメコミ男に次々と吹っ飛ばされる白衣野郎達に同情してこの状況を傍観する
すると、マッドサイエンティストがどこかから持ってきたのか鉄パイプで水槽を叩き割り始めた
分厚かった水槽に亀裂が入り、それが大きくなれば水が漏れ出て最後は盛大に砕け散った
水ごと外に流された私はマスクが外れて咳き込み、チューブが刺さっていた場所からは血が細く流れる
『っ、ゲホ…ケホ……』
「さぁ、144号!お前の力を見せてやれ!!忌まわしいヒーロー共を皆殺しにしろ!!」
うるさい…、ちょっと黙っててくれないか
こちとら今咳き込んでる最中だっての…
「こんな幼い少女に非道なことを…ッ!許さんぞ!!」
「黙れオールマイト!!こいつは"ヒーロー抹殺"の為に複数の個性を融合させて生まれた"人造人間"!お前の時代は、今日この日をもって終止符を打つのだ!!」
「人造、人間だと……!?どこまで人間の道を外れれば気が済むのだ!!」
……うるさい…
「長かった!研究と実験を繰り返す日々で何度も作っては壊れ、また作る毎日だった…。だがそれも今日で終わる!!さぁ144号、父である私の命令に従え!」
…うるさい……ッ
「殺せ!!"平和の象徴"、オールマイトを!!」
うるさい…!うるさい!!
「ヒーローを名乗る全てのイカれた奴等を血祭りにしろ!!」
私にそんな力なんて…ッ!
「そして!!俺を新しい社会の王にするのだ!!」
ある筈が―――――
《ありますよ、貴女には》
『ッ!!』
…誰だ、今の……
《貴女の"個性"よ》
《俺達はお前の力だ》
《存分に振るうが良い》
《食べていい?ソイツ食べていい?》
《メンドクセー…けど、お前やられるの、もっとメンドクセー》
《そんなゴミクズ、すぐに消してやるよ》
何、これ……
頭に声が響いて…!
「何をしている、144号!早くコイツを殺せ!!」
『ぅう、あ、あぁ…!あ゛あ゛あぁ!!』
「いかん!少女!!」
《さぁ、命じてください。我等の主》
個性だの力だの主だの、知ったことじゃないけど…!
『コイツを黙らせろ!!“
《はい、お望みのままに》
子供のような、大人のような声を皮切りに、私は不思議な闇に包まれた