序章
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そこは、無限の白が広がる空間だった
血生臭い死に方をした私の前に浮いている巨大な扉
石なのかどうかは知らないが、女の私が簡単に開けられるとは思えないソレ
扉の中央には5枚の花弁を持つ何かの花、そのバックには大地に根を張る実を成した巨大な木の絵が彫られている
ペタペタと扉を触っていると、後ろから人とは一線を画する何かの視線を感じた
振り向かなきゃ何も分からないのに、私は振り向くことを本能で恐れた
見てはいけない、そう警告する自分の中の誰かの声を無視して体が勝手に動いた
《漸く気付いたか、寝坊助さん》
声を発したと思われるソレが何なのか、私は理解出来なかった
離れた場所に座ってこちらを見ていたのは、人の形はしているが人とは呼べないモノ
真っ白な奴だった
ソイツは座ったまま私を見て笑っている
《随分冷めてるんだな、自分の死なのに。…あぁ、"自分"だからか》
『……誰だ、お前は』
《私か?私は…お前達が"世界"と呼ぶ存在。あるいは"宇宙"、あるいは"神"、あるいは"真理"、あるいは"全"、あるいは"一"。そして、私は"お前"だ》
『?…何を、言って……』
《人が思い上がらぬよう、正しい絶望を与えるのが私。しかし、お前には別のものを与えてやろう》
"世界"と自称した何かが私の後ろにある扉を指差すと、扉がひとりでに開いた
扉の先にはこの空間とは対照的な黒があり、大きな目がこちらを見ている
普通なら未知の存在に泣き叫ぶところだが、私は"逃げられない"と悟り、無数に伸びてくる黒い小さな手に自ら掴まりに行く
後ろで"世界"が不思議そうにしているのを察知した私は、その様を想像して笑ってしまった
『…じゃあな、"私"』
《!!》
手に引っ張られる中、振り向いて奴に向かってそんな声を掛けた
ハッと顔を上げた"世界"を最後に、私は完全な闇に飲み込まれた
《…じゃあな、"私"》
血生臭い死に方をした私の前に浮いている巨大な扉
石なのかどうかは知らないが、女の私が簡単に開けられるとは思えないソレ
扉の中央には5枚の花弁を持つ何かの花、そのバックには大地に根を張る実を成した巨大な木の絵が彫られている
ペタペタと扉を触っていると、後ろから人とは一線を画する何かの視線を感じた
振り向かなきゃ何も分からないのに、私は振り向くことを本能で恐れた
見てはいけない、そう警告する自分の中の誰かの声を無視して体が勝手に動いた
《漸く気付いたか、寝坊助さん》
声を発したと思われるソレが何なのか、私は理解出来なかった
離れた場所に座ってこちらを見ていたのは、人の形はしているが人とは呼べないモノ
真っ白な奴だった
ソイツは座ったまま私を見て笑っている
《随分冷めてるんだな、自分の死なのに。…あぁ、"自分"だからか》
『……誰だ、お前は』
《私か?私は…お前達が"世界"と呼ぶ存在。あるいは"宇宙"、あるいは"神"、あるいは"真理"、あるいは"全"、あるいは"一"。そして、私は"お前"だ》
『?…何を、言って……』
《人が思い上がらぬよう、正しい絶望を与えるのが私。しかし、お前には別のものを与えてやろう》
"世界"と自称した何かが私の後ろにある扉を指差すと、扉がひとりでに開いた
扉の先にはこの空間とは対照的な黒があり、大きな目がこちらを見ている
普通なら未知の存在に泣き叫ぶところだが、私は"逃げられない"と悟り、無数に伸びてくる黒い小さな手に自ら掴まりに行く
後ろで"世界"が不思議そうにしているのを察知した私は、その様を想像して笑ってしまった
『…じゃあな、"私"』
《!!》
手に引っ張られる中、振り向いて奴に向かってそんな声を掛けた
ハッと顔を上げた"世界"を最後に、私は完全な闇に飲み込まれた
《…じゃあな、"私"》