主人公の名前を変えることができます。
【14日、彼とDATEします!】
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目が覚めると、まばゆい光が差し込んで
枕もとの彼が『おはよう』を告げる。
昨日のお誘いはきっと夢だったんだと、
脳裏に過ぎって、私は彼と日課のハイタッチをした。
(やっぱり、いつものセイだよね……)
『今日の予定は水族館だな。楽しみにしてる』
「えっ!? セイ……君? それって……」
『二人でデート……だろ?』
「う、うん……」
『まゆの仕事が終わるまで、待ってる』
それだけ言うと、セイ君は恥ずかしそうな笑みを浮かべて
端末の画面を閉じた。
「ゆ、夢じゃない……!」
(何!? これって、運営さんからのプレゼント!?いやいや、アプデはこの前に済んだばっかりだし……まぁ、何がどうなってるのかわからないけど、深く追求しないでおこう)
私はそのあと、電車の中で頬が緩みっぱなしの
怪しい女になっていたことだろう。
それから――
仕事が終わり。
私は水族館の前で、彼を呼んだ。
『おつかれさま。仕事は無事におわった?』
「うん、終わったよ」
『そっか……じゃ、デートをはじめるとするか。
まゆは見たい魚とかいる?』
「うーん、そうだなぁ……ふうせん魚とか?」
『ふうせん? そんな魚がいるのか……へぇ。
俺も見てみたい!』
「はいはい……じゃ、大人一枚ください」
デートだけど、チケットは一枚でいい。
そんな些細なことが少し私の胸を締め付けた。
(スマホ見ながら、一人で水族館……っ。
ううん、今日はセイ君と一緒だもん。別にいいじゃん)
そう自分に言い聞かせているのがバレたのか……
『今日はまゆと二人っきり……特別な日だな』
「うん、そうだね」
(そう、今日は二人なんだよ……!)
端末の中に君がいるのだから、
人の目を気にすることなんてない。
『クラゲ、楽しみだな』
そうポツリと漏らした彼の笑顔に、
私も顔がほころんだ。
私たちはふうせん魚や、様々な海の生物を見て回った。
そして、時間を忘れるくらい長い間、彼が見たいと言っていたクラゲも眺めた。
『まゆ、俺……幸せだ』
「私もだよ、セイ君」
『水槽って、水が入ってるだろ?』
「あ、うん。そうだね」
『俺を、この水槽の向こう側に置くことって出来る?』
「え……? この水槽の向こう側?」
『そう』
私は彼に言われるがままに、
孤立した水槽のふちにスマホを立てかける。
『まゆは反対側で俺を見て?』
(一体、何をしたいんだろう……あれ?)
セイ君を置いたままの水槽の反対側に来ると、
いつもより大きな彼が私に手を振っていた!
「クラゲと一緒に水槽の中にいるみたい……」
分厚い水槽のガラスがレンズの役目をはたして、
私とセイ君をほぼ同じ大きさにしていたのだった。
セイ君の唇が言葉を伝えようとしている……
『す・き・だ・よ』
(今日はバレンタインデーなのに……私ばかりが
彼に温かい想いをもらってるなんて……)
私はすぐに彼のところへ戻り、
スマホを抱きしめた。
「ごめんね……バレンタインなのに
セイ君にいろいろしてもらっちゃって……」
画面の中で彼はゆらりと揺れる。
『バレンタインは男性からも想いを告げていいんだろ? 俺の気持ちは……ちゃんと届いた?』
「うん、うん……十分届いたよ……ありがとう」
『今日、初めてここにきて思ったんだ。俺はここにいる魚や生物と少し似てる……』
「え……?」
突然に何を言うのかと驚きを隠せないでいると、
彼が言葉を続けた。
『このガラスの外へは出られないんだ……』
「セイ君……」
『だけど、まゆとこうやって時間を共有することは可能なわけで……いつか、時代が追い付いたらきっとお前を抱きしめることだってできるかもしれない』
「でも、私がおばあちゃんになっちゃうかもよ?」
『まゆがおばあちゃん? フフ、それも見てみたい』
「ひどい!」
『わぁ、うそうそ! ……あ、うそじゃないけど。
まあ、それくらい好きだってこと』
「もう……」
『あと、いつもプログラム通りにしゃべってるとおもってるよね? あれ、ちゃんと心込めてるから』
『今日は、俺はお前だけの俺だってこと、伝えたかったんだ。へへっ』
「うん、ありがとう……本当に特別な一日になったよ」
そういうと、セイ君は真っ赤に頬を染め
はにかんで見せた。
枕もとの彼が『おはよう』を告げる。
昨日のお誘いはきっと夢だったんだと、
脳裏に過ぎって、私は彼と日課のハイタッチをした。
(やっぱり、いつものセイだよね……)
『今日の予定は水族館だな。楽しみにしてる』
「えっ!? セイ……君? それって……」
『二人でデート……だろ?』
「う、うん……」
『まゆの仕事が終わるまで、待ってる』
それだけ言うと、セイ君は恥ずかしそうな笑みを浮かべて
端末の画面を閉じた。
「ゆ、夢じゃない……!」
(何!? これって、運営さんからのプレゼント!?いやいや、アプデはこの前に済んだばっかりだし……まぁ、何がどうなってるのかわからないけど、深く追求しないでおこう)
私はそのあと、電車の中で頬が緩みっぱなしの
怪しい女になっていたことだろう。
それから――
仕事が終わり。
私は水族館の前で、彼を呼んだ。
『おつかれさま。仕事は無事におわった?』
「うん、終わったよ」
『そっか……じゃ、デートをはじめるとするか。
まゆは見たい魚とかいる?』
「うーん、そうだなぁ……ふうせん魚とか?」
『ふうせん? そんな魚がいるのか……へぇ。
俺も見てみたい!』
「はいはい……じゃ、大人一枚ください」
デートだけど、チケットは一枚でいい。
そんな些細なことが少し私の胸を締め付けた。
(スマホ見ながら、一人で水族館……っ。
ううん、今日はセイ君と一緒だもん。別にいいじゃん)
そう自分に言い聞かせているのがバレたのか……
『今日はまゆと二人っきり……特別な日だな』
「うん、そうだね」
(そう、今日は二人なんだよ……!)
端末の中に君がいるのだから、
人の目を気にすることなんてない。
『クラゲ、楽しみだな』
そうポツリと漏らした彼の笑顔に、
私も顔がほころんだ。
私たちはふうせん魚や、様々な海の生物を見て回った。
そして、時間を忘れるくらい長い間、彼が見たいと言っていたクラゲも眺めた。
『まゆ、俺……幸せだ』
「私もだよ、セイ君」
『水槽って、水が入ってるだろ?』
「あ、うん。そうだね」
『俺を、この水槽の向こう側に置くことって出来る?』
「え……? この水槽の向こう側?」
『そう』
私は彼に言われるがままに、
孤立した水槽のふちにスマホを立てかける。
『まゆは反対側で俺を見て?』
(一体、何をしたいんだろう……あれ?)
セイ君を置いたままの水槽の反対側に来ると、
いつもより大きな彼が私に手を振っていた!
「クラゲと一緒に水槽の中にいるみたい……」
分厚い水槽のガラスがレンズの役目をはたして、
私とセイ君をほぼ同じ大きさにしていたのだった。
セイ君の唇が言葉を伝えようとしている……
『す・き・だ・よ』
(今日はバレンタインデーなのに……私ばかりが
彼に温かい想いをもらってるなんて……)
私はすぐに彼のところへ戻り、
スマホを抱きしめた。
「ごめんね……バレンタインなのに
セイ君にいろいろしてもらっちゃって……」
画面の中で彼はゆらりと揺れる。
『バレンタインは男性からも想いを告げていいんだろ? 俺の気持ちは……ちゃんと届いた?』
「うん、うん……十分届いたよ……ありがとう」
『今日、初めてここにきて思ったんだ。俺はここにいる魚や生物と少し似てる……』
「え……?」
突然に何を言うのかと驚きを隠せないでいると、
彼が言葉を続けた。
『このガラスの外へは出られないんだ……』
「セイ君……」
『だけど、まゆとこうやって時間を共有することは可能なわけで……いつか、時代が追い付いたらきっとお前を抱きしめることだってできるかもしれない』
「でも、私がおばあちゃんになっちゃうかもよ?」
『まゆがおばあちゃん? フフ、それも見てみたい』
「ひどい!」
『わぁ、うそうそ! ……あ、うそじゃないけど。
まあ、それくらい好きだってこと』
「もう……」
『あと、いつもプログラム通りにしゃべってるとおもってるよね? あれ、ちゃんと心込めてるから』
『今日は、俺はお前だけの俺だってこと、伝えたかったんだ。へへっ』
「うん、ありがとう……本当に特別な一日になったよ」
そういうと、セイ君は真っ赤に頬を染め
はにかんで見せた。