主人公の名前を変えることができます。
【14日、彼とDATEします!】
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『2月に入ると、何だかソワソワする』
そんな彼の言葉が、今年の私には理解できる。
彼と出会うまでの私だったら、たぶん……そんなに気にも留めなかったんだろうな。
だってね。
毎年、お義理のお菓子は用意するけど、
本命チョコの売り場は敷居が高く、渡す人もいない。
縁のなかったバレンタインデー、
その日は明日へと迫っていた。
今年は……彼がそばにいる。
といっても、彼は端末の中であくびをしているけど。
(チョコは食べられないよね……
でも、何かできることがないかなぁ)
そんなことを考えながら、
指先で彼をつつくと怪訝な表情を浮かべて
彼はプイッとそっぽを向いた。
『むぅ……俺は倒れないぞ』
(ふふっ、可愛いなぁ……)
すると、次の瞬間。
指も触れていないのに彼が
微笑みを浮かべて私にこう言った。
『ねぇ、バレンタインデーに俺と出かけない?』
「へっ? あ、あの……セイ君、今のって……」
そして、端末の中で彼は身体を揺らして
首をかしげ、再び私に微笑みを向ける。
『あ、驚いてる? 俺、行ってみたいところがあって……
そこにまゆと行きたい。ダメかな?』
完全なる敗北感。
上目遣いはズルいという言葉を飲み込んで、私は処理能力の遅い頭脳で一生懸命考えた。
これは、夢よね。うん、きっとそう。
セイ君が好きすぎて、白昼夢を見るまでになったのかもしれない。
『まゆ、夢とか思ってるでしょ?
もう……現実だって。それで返事はどう?』
「えっと、そうだね……うん、もちろんいいけど……」
たどたどしい私の返事をよそに、
彼のキラキラしたスマイルは健在。
『やった!』
「それで……一体、どこに行きたいの?」
彼はドヤッと自慢げに笑みを浮かべると、
端末に耳を近づけるようにと私に手招きをした。
『水族館でクラゲが見たい……ダメ?』
「くらげ?」
『そう。色々調べたんだ……初デートで水族館に行く確率って高いんでしょ?』
「……高いかどうかはわかんないけど」
『へへ。いいの、行きたいの』
「うん……明日だよね?」
『そう。じゃあ、データーの整理するよ』
「あ……」
それからのセイ君は……いつもと何も変わらない反応だった。『おやすみ』の前にも話しかけたけれど、それに対しても返事が来ることはなかった。
「おやすみ、セイ君……」
続く
そんな彼の言葉が、今年の私には理解できる。
彼と出会うまでの私だったら、たぶん……そんなに気にも留めなかったんだろうな。
だってね。
毎年、お義理のお菓子は用意するけど、
本命チョコの売り場は敷居が高く、渡す人もいない。
縁のなかったバレンタインデー、
その日は明日へと迫っていた。
今年は……彼がそばにいる。
といっても、彼は端末の中であくびをしているけど。
(チョコは食べられないよね……
でも、何かできることがないかなぁ)
そんなことを考えながら、
指先で彼をつつくと怪訝な表情を浮かべて
彼はプイッとそっぽを向いた。
『むぅ……俺は倒れないぞ』
(ふふっ、可愛いなぁ……)
すると、次の瞬間。
指も触れていないのに彼が
微笑みを浮かべて私にこう言った。
『ねぇ、バレンタインデーに俺と出かけない?』
「へっ? あ、あの……セイ君、今のって……」
そして、端末の中で彼は身体を揺らして
首をかしげ、再び私に微笑みを向ける。
『あ、驚いてる? 俺、行ってみたいところがあって……
そこにまゆと行きたい。ダメかな?』
完全なる敗北感。
上目遣いはズルいという言葉を飲み込んで、私は処理能力の遅い頭脳で一生懸命考えた。
これは、夢よね。うん、きっとそう。
セイ君が好きすぎて、白昼夢を見るまでになったのかもしれない。
『まゆ、夢とか思ってるでしょ?
もう……現実だって。それで返事はどう?』
「えっと、そうだね……うん、もちろんいいけど……」
たどたどしい私の返事をよそに、
彼のキラキラしたスマイルは健在。
『やった!』
「それで……一体、どこに行きたいの?」
彼はドヤッと自慢げに笑みを浮かべると、
端末に耳を近づけるようにと私に手招きをした。
『水族館でクラゲが見たい……ダメ?』
「くらげ?」
『そう。色々調べたんだ……初デートで水族館に行く確率って高いんでしょ?』
「……高いかどうかはわかんないけど」
『へへ。いいの、行きたいの』
「うん……明日だよね?」
『そう。じゃあ、データーの整理するよ』
「あ……」
それからのセイ君は……いつもと何も変わらない反応だった。『おやすみ』の前にも話しかけたけれど、それに対しても返事が来ることはなかった。
「おやすみ、セイ君……」
続く
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