二次創作女夢主
月桂樹の花は枯れた
2018/07/16 02:29コ/ナ/ン
私は空を仰ぎ見る。
藍に塗れた空は時折、瞬くような光を発するのみで月はない。
私はくすりと微笑んだ。
「来ると思っていたわよ」
「……どうして逃げなかった」
「逃げる?何からかしら?」
とぼけるようにそう言えばギュッと唇を噛み締める男。
私の恋人……だった男。バーボン。
本名は知らない。知らないことにした。
「何も、道はないのか……!」
「ないわよ。何処にも」
ねぇ、バーボン。
あなたがなって頂戴な。
私の死刑執行人に。
「ノックであるあなたが私を殺すか、私があなたを殺すか。さて、どちらが早いかしらね?」
にっこりと微笑めば、無情なくらい優しい彼は戸惑ったような顔をして。
けれどもその手に持った拳銃は離さない。
私に殺されることを危惧しているのかしらね?
こんなところで殺されるわけにはいかないと。
あなたが組織にとって邪魔な存在だと、ノックだと知っていたら。
私はあなたを好きにならなかったのかしら?
答えは簡単。
「早く決めなさい、バーボン」
私はあなたになら殺されても良い。
でもね?とほくそ笑む。
私はとても優しくて、とても非道だから。
「……っ待て!」
微笑みを浮かべながら、私はそっと自分のこめかみに銃口を。
止めようと近づいてくるバーボンに、たった一言だけ囁いた。
「愛していたわ」
返事は要らない。
死出の旅路に、そんなもの要らないでしょう?
藍に塗れた空は時折、瞬くような光を発するのみで月はない。
私はくすりと微笑んだ。
「来ると思っていたわよ」
「……どうして逃げなかった」
「逃げる?何からかしら?」
とぼけるようにそう言えばギュッと唇を噛み締める男。
私の恋人……だった男。バーボン。
本名は知らない。知らないことにした。
「何も、道はないのか……!」
「ないわよ。何処にも」
ねぇ、バーボン。
あなたがなって頂戴な。
私の死刑執行人に。
「ノックであるあなたが私を殺すか、私があなたを殺すか。さて、どちらが早いかしらね?」
にっこりと微笑めば、無情なくらい優しい彼は戸惑ったような顔をして。
けれどもその手に持った拳銃は離さない。
私に殺されることを危惧しているのかしらね?
こんなところで殺されるわけにはいかないと。
あなたが組織にとって邪魔な存在だと、ノックだと知っていたら。
私はあなたを好きにならなかったのかしら?
答えは簡単。
「早く決めなさい、バーボン」
私はあなたになら殺されても良い。
でもね?とほくそ笑む。
私はとても優しくて、とても非道だから。
「……っ待て!」
微笑みを浮かべながら、私はそっと自分のこめかみに銃口を。
止めようと近づいてくるバーボンに、たった一言だけ囁いた。
「愛していたわ」
返事は要らない。
死出の旅路に、そんなもの要らないでしょう?