小ネタ

地へ堕ちて天へ逝く

2019/07/18 15:52
散文ついったlog
「何故、人の子など愛したのです?」

その問いに、わたくしはただ微笑みだけを返しました。
言葉など要らぬのです。
神が人の子を慈しむように、わたくしも人の子を愛してしまっただけなのですから。

「神格を失っても良いと?」

その問いにもわたくしは微笑んだまま。
わたくしのお仕えする神は呆れたように首を振り、白磁のような腕を上げて指さし一言。

「お行き」

そこは地獄の門。貴方様の居る、わたくしの天国。
わたくしは微笑んだまま、そこに飛び込むように堕ちて行きました。

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