小ネタ
花束
2018/10/27 20:41散文
花束を手に持ち、俺はそこに立っていた。
灰色の石を目の前に何を想うでもなくただソレを見つめて。
「なあ、」
呼びかけるように発した声は、果たして誰に伝えたかったのか。
「俺はまだ、この花を供えることは出来ないみたいだ」
自嘲するように笑って、花束を抱えたままその場から背を向ける。
見上げた空は青く、晴れ渡り。
あまりに綺麗なその色に、思わず目を細めた。
灰色の石を目の前に何を想うでもなくただソレを見つめて。
「なあ、」
呼びかけるように発した声は、果たして誰に伝えたかったのか。
「俺はまだ、この花を供えることは出来ないみたいだ」
自嘲するように笑って、花束を抱えたままその場から背を向ける。
見上げた空は青く、晴れ渡り。
あまりに綺麗なその色に、思わず目を細めた。