小ネタ

魔導書館は変人だらけ

2018/08/20 01:27
連作幕の外
「あなたは今、どんな気持ちですか」

くっきー、と胸にある宝石に問い掛けた。
わたくしの命を繋ぐ石。紅い血を連想させるような宝石は胸に飾られ、揺れる。
何事かを問い掛けたいのか、ただ揺れただけなのか。
宝石になってしまったあなたの考えは全くもって分かりは致しませんが。

「もし、くっきーがまた姿を現す時があれば、わたくし一発あなたを殴りたいのですよねぇ」

まあ、もっとも。その時が来るということは、わたくしの命が尽きる時なのでしょうけれども。

「壱乃さぁん!また天蔵さんが本を売り飛ばしに行こうとしてますよー」

「あ!咲良ちゃんのおばかちん!壱乃に言ったらまァた椅子にされるでしょー!」

騒がしい館内にわたくしはふふ、と微笑む。
この『魔導書館』の館長を務めるのがわたくしの大事なお役目、としか思ってはいませんでしたが。
騒々しい『友人』と『助手』のお陰でわたくしも生きたいと願うようになりましたよ。

「それもくっきー。あなたの狙いですかね」

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