小ネタ
天魔界事変
2018/06/12 21:16連作幕の外
「魔王さま!」
「その声はアグリですね? 良く一人で遊びに来れましたね。父上殿の許可は得ているのですか」
執務中、唐突に背後から何者かに抱き着かれて私は少しだけ前のめりになります。
まあ、気配で誰かは解っていましたけれども。
灰色の髪に紫の縦に割れた瞳孔を持つ幼い少年がそこに立っていました。
凛と伸ばした背は、「魔王様をお守りする立派な悪魔へと育てます!」と宣言され、実行されている賜物か。
この子が私の側近である女悪魔の胎に宿った時からこの子の道は決まっているようで、私には少しだけ心苦しくもありました。
けれども、
「魔王さま。お仕事が終わったらぼくと遊んでくださいませんか?」
「両親のどちらにも許可を得ていないのですね。――仕方がありません、超特急で仕事を終わらせますから少しだけ待っていてくださいね」
しかし私にとってアグリは大切な部下の子ながら弟のような存在だと勝手に認識しています。
とにかく可愛くて仕方がない。
この子の可愛いおねだりに応える為、今日も私は最近になって大人しくしているようで結局遊び惚けている蛆虫、ああ、間違えました。
神の起こした魔界での不始末を一秒でも早く片付ける為に机に向かうのです。
「その声はアグリですね? 良く一人で遊びに来れましたね。父上殿の許可は得ているのですか」
執務中、唐突に背後から何者かに抱き着かれて私は少しだけ前のめりになります。
まあ、気配で誰かは解っていましたけれども。
灰色の髪に紫の縦に割れた瞳孔を持つ幼い少年がそこに立っていました。
凛と伸ばした背は、「魔王様をお守りする立派な悪魔へと育てます!」と宣言され、実行されている賜物か。
この子が私の側近である女悪魔の胎に宿った時からこの子の道は決まっているようで、私には少しだけ心苦しくもありました。
けれども、
「魔王さま。お仕事が終わったらぼくと遊んでくださいませんか?」
「両親のどちらにも許可を得ていないのですね。――仕方がありません、超特急で仕事を終わらせますから少しだけ待っていてくださいね」
しかし私にとってアグリは大切な部下の子ながら弟のような存在だと勝手に認識しています。
とにかく可愛くて仕方がない。
この子の可愛いおねだりに応える為、今日も私は最近になって大人しくしているようで結局遊び惚けている蛆虫、ああ、間違えました。
神の起こした魔界での不始末を一秒でも早く片付ける為に机に向かうのです。