小ネタ
こんな日もたまには、/天魔界事変 異聞
2023/01/25 21:13連作幕の外
「魔王様ぁぁぁ!! どこにいらっしゃられるのですかぁぁぁ!!」
悲鳴のような叫び声。私は静かにやり過ごします。たまの休暇、というやつでしょうか? 私にも何も言わずに一人になりたい時というやつがあるので、こっそり執務室から出たのが一時間前。
天界へ言い付けた用事を済ませた側近が気付いたのが、数分前。只今、私の大捜索が行われていました。
「やあ、魔王。こんなところで何してるの?」
「……」
「待って待って!? 無言で手から炎出さないで!? 僕はただ魔王に会いに来ただけなんだよ!」
「私に? 何故?」
「好きな子には会いたくなっちゃ、グファ」
「私が言うのもなんですが仕事をしなさい堕神」
「今のは効いたよ、魔王……」
右ストレートを無駄に良い顔に向けて放ちました。見事なまでに無抵抗だった神は崩れ落ちましたが、むくりとゾンビが生き返るかのように起き上がってきました。この場合はキョンシーでしょうか?
まあ、どちらでも構いませんが。
「で? どーする?」
「何がですか……?」
「攫ってあげようか。この世界の果てまで、きみが満足するまで。いくらでも」
「……言葉だけでは証明出来ませんよ? どこに連れて言ってくれるんですか?」
「手始めに、甘味処とかどうですか? お姫様」
「是非も無し」
「では、お手をどうぞ」
差し出された手。重ねるように神の手に手を重ねました。
悲鳴のような叫び声。私は静かにやり過ごします。たまの休暇、というやつでしょうか? 私にも何も言わずに一人になりたい時というやつがあるので、こっそり執務室から出たのが一時間前。
天界へ言い付けた用事を済ませた側近が気付いたのが、数分前。只今、私の大捜索が行われていました。
「やあ、魔王。こんなところで何してるの?」
「……」
「待って待って!? 無言で手から炎出さないで!? 僕はただ魔王に会いに来ただけなんだよ!」
「私に? 何故?」
「好きな子には会いたくなっちゃ、グファ」
「私が言うのもなんですが仕事をしなさい堕神」
「今のは効いたよ、魔王……」
右ストレートを無駄に良い顔に向けて放ちました。見事なまでに無抵抗だった神は崩れ落ちましたが、むくりとゾンビが生き返るかのように起き上がってきました。この場合はキョンシーでしょうか?
まあ、どちらでも構いませんが。
「で? どーする?」
「何がですか……?」
「攫ってあげようか。この世界の果てまで、きみが満足するまで。いくらでも」
「……言葉だけでは証明出来ませんよ? どこに連れて言ってくれるんですか?」
「手始めに、甘味処とかどうですか? お姫様」
「是非も無し」
「では、お手をどうぞ」
差し出された手。重ねるように神の手に手を重ねました。