小ネタ
「それでも『此処』が、現実なんだよなァ」
2020/05/12 22:00散文ついったlog連作幕の外
これが夢だということは一目瞭然。なんなら何も見なくても匂いで分かる。
俺が俺の手で失ったあの日から、俺の鼻孔をつくのはいつだって血の臭い。
だから、なあ?神様とやら。これは悪い夢だと言ってくれ。
「それとも、カナリアが見せてるのか?」
そんなことを一瞬だけ思って、自分の頬を殴った。
俺であってもあの美しい鳥を侮辱することは許されてはいないから。
「はぁ、早く覚めるといいなァ」
こんな悪夢、早く目覚めちまえ。
国が豊かで、俺の隣には親友と部下達が居て。賑やかに笑い合いながら過ごす。
――そんなの俺が許せない。
好きな女を殺して、自分の手で殺して。守ることも出来なかった最低野郎が見ていい夢じゃねぇんだよ。
「俺には地獄が似合いだね」
そこに俺の求めるものがなくとも、な。
俺が俺の手で失ったあの日から、俺の鼻孔をつくのはいつだって血の臭い。
だから、なあ?神様とやら。これは悪い夢だと言ってくれ。
「それとも、カナリアが見せてるのか?」
そんなことを一瞬だけ思って、自分の頬を殴った。
俺であってもあの美しい鳥を侮辱することは許されてはいないから。
「はぁ、早く覚めるといいなァ」
こんな悪夢、早く目覚めちまえ。
国が豊かで、俺の隣には親友と部下達が居て。賑やかに笑い合いながら過ごす。
――そんなの俺が許せない。
好きな女を殺して、自分の手で殺して。守ることも出来なかった最低野郎が見ていい夢じゃねぇんだよ。
「俺には地獄が似合いだね」
そこに俺の求めるものがなくとも、な。