小ネタ
いとしいとしへびさま
2019/08/15 14:37散文ついったlog続かない筈だったその後
「蛇さま、蛇さま」
「どうしました?坊」
「蛇さまはどうして人と結婚したの?」
「……どうしてでしょうね?」
はぐらかすようなその言葉に、僕はむぅっと唇を尖らせる。
蛇さまは自分のことをあまり話さない方だ。
だけれども、僕は知っている。
(人間を愛してしまった憐れな蛇さま)
囚われているくせに、逃げられるくせに。僕の付けた足枷たる赤い格子の中から出ることはない。
それはきっと、始祖たる男を思ってのことなのだろう。
「悔しいなぁ……」
どうしたって、蛇さまの欠片すらも、僕の手には入らないのだから。
「どうしました?坊」
「蛇さまはどうして人と結婚したの?」
「……どうしてでしょうね?」
はぐらかすようなその言葉に、僕はむぅっと唇を尖らせる。
蛇さまは自分のことをあまり話さない方だ。
だけれども、僕は知っている。
(人間を愛してしまった憐れな蛇さま)
囚われているくせに、逃げられるくせに。僕の付けた足枷たる赤い格子の中から出ることはない。
それはきっと、始祖たる男を思ってのことなのだろう。
「悔しいなぁ……」
どうしたって、蛇さまの欠片すらも、僕の手には入らないのだから。