MEMO
スパコミday3狗夢新刊サンプル①
2026/05/09 20:30お知らせ同人新刊サンプル
2026年5月31日(日)インテックス大阪にて開催される
SUPER COMIC CITY33-day3-【超妖言2026大阪】内、【呪転じて恋となす】にサークル参加します!
こちらはその際に頒布する狗夢新刊サンプル①になります。
宜しければ最後までご覧ください。
***
『逝くは地獄二人ならば』
CP:狗◎棘×創作女夢主
何度喚いても。何度叫んでも。
あなたは決して還っては来ないから。
だから段々と何も感じなくなった。……フリをした。何も感じないフリをし続けて、ただ日々を過ごして。
そうして生きていたら本当に何も感じない気がした。
このまま彼を忘れられるのではないのかと、ほんの一瞬だけ思った時もあった。
それでも結局は忘れられなかった。忘れるなんて出来る筈がなかった。
だからこそ生きる為に何も知らないフリをし続けた。この想いに蓋をして、失った痛みに気が付かないフリをしていたの。
賑やかな時には一瞬だけ忘れられるその痛みも、ひとりになると不意に思い出す。
眩しい程の彼と過ごしたあの日々を、これから死に逝くまで何度も。何度だって、思い出すのだろう。
どれほど彼のことを忘れたフリをしようとも。どれだけ思い出さないように心に蓋をしても。
何度でも、何度だって。
この苦しい程の激情は、あなたを想い泣いた涙は、一度だって無かったことにはならないから。
「と、……げ、くん……?」
だから、真っ先に思った。
――これは夢だと、そう思ったの。
泡沫の日に見る、触れたら消えてしまうような、何度も何度も見た、あの日の夢。
失った時のまま、そのままの姿でそこに立つあなたの姿。
「棘くん!」
暗闇の中にひとりで立つその姿に近付けばどうなるかくらいは分かっていた。
それでもいくら鍛錬はしているとはいえ、老いたこの身のどこにこんな力があったのかと思う程、力強く走り出していた。
近付けば近付く程、老いたこの身が彼と過ごした日々の姿に巻き戻っていくのを感じる。命が巻き戻っていく。記憶が鮮やかに蘇る。
それが自分の身体に何を巻き起こすのか分かっていた。それでもそんなことに構ってなんていられなかった。
だってそこに、あの時のまま。あの頃のまま。ううん。例えそんな姿じゃなかったとしても、そこに棘くんが居るのだ。駆け寄らない理由はない。
「……とげ、くん!」
きっとこれが最後になる。彼に会える本当の最後に。
彼を忘れたと嘘を吐き続けていたこの身に、これ程までの激情が渦巻いているとは思ってもいなかった。
これほどまでの想いを抱いていたとは思っていなかった。
身体が軽い。どれだけだって走っていけるような気がする。
この日を何度夢見たことだろう。何度、思い描いたことだろう。
ぼろぼろと涙が零れては流れていく。そんなことにすらも構ってなんていられない。
例えこの光景が夢幻でも、呪霊の見せる悪夢でも。なんでもいい。
暗闇の中、棘くんの姿を持ったその人にようやく近付き抱き着いた。
その人は確かに私の身体を抱き留める。
背中に回る腕の確かな感触も、あたたかさも、何もかもが彼と同じ。
過去、何度も受けた抱擁と同じ温度と、強さ。
「っ、とげくん……!」
ゆっくりと彼は私を見て、そうして柔らかに微笑んだ。
「しゃけしゃけ」
ああ、昔と変わらない、何も変わらない。あたたかな声。
涙がどんどんと零れて、止まらなくなっていく。
視界がぼやけて、棘くんの姿が上手く見えない。
ちゃんと彼を見ていたいのに。もう見失いたくないのに。
もう二度と、失うなんてしたくないのに。
「あいた、かった……っ」
でもきっと。今までの想いすべてこの言葉に集約されている気がした。
この人が本当の棘くんでなくても。自分で見ている死出の幻でもなんでもいい。
これが夢でも、泡沫でも。あぶくのように消えていくような、儚いものでもなんでもいい。
「あいたかった……っ」
何度も何度もその言葉を吐き出した。
彼に、そう。棘くんに会いたかったの。ずっと、ずっと。会いたかったの。
「……しゃけ」
小さく、自分もと言うかのように棘くんは頷いて。そうして彼は私の身体を抱き締める力を強くする。
自身の身体に確かに伝わる力強さを返すように、私も棘くんを抱き締め返した。
この時がずっと、永遠に続けばいいのに。
そう願っていたら、棘くんは不意に抱き締める強さを緩めた。
「とげくん?」
柔らかな微笑みはそのままに、棘くんは私の身体をなぞるかのように肩から腕、そうして手のひらを撫でた。
そうしてゆっくりと私の手を掴んで、握る。
手を繋ぐような優しいものではない。もう決して離さないという、そんな意思さえ感じた。
そのまま棘くんは懐かしいものでも見るかのように目を細め、私の手を握ったまま空いた片方の手で、ある方向に指をさす。
そこには明るい光が差していて、きっとそこに行くことは私にとって幸せなことなのだろう、と。そう思って確信した。
でも、と緩く首を振る。
******
はい!そんなわけで、再度告知させてください。
2026年5月31日(日)インテックス大阪にて開催されるSUPER COMIC CITY33-day3- にサークル【水色欠片】でサークル参加します!
ジャンルは【超妖言2026大阪】内、女夢主受けプチオンリー【呪転じて恋となす】です。
新刊二冊と支部からの加筆再録コピー本を引っ提げて参りますので、よろしくお願いいたします。
新刊サンプル①
『逝くは地獄二人ならば』
CP:狗◎棘×創作女夢主
A6サイズ/全14P/イベント頒布価格200円
参加される方いらっしゃいましたら良ければ遊びに来てやってください~!
またスペース番号が出たら日記に書きに来たいと思います。
ご縁などありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
支部にも同じものを投稿しておりますので、そちらをご覧の肩は重複してしまい申し訳ありません。
もう一冊の方も近々日記にサンプル投稿しに来ます!
泣いても笑ってもあと三週間。体調に気を付けながら準備頑張ります~!皆様もお体ご自愛くださいね。
SUPER COMIC CITY33-day3-【超妖言2026大阪】内、【呪転じて恋となす】にサークル参加します!
こちらはその際に頒布する狗夢新刊サンプル①になります。
宜しければ最後までご覧ください。
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『逝くは地獄二人ならば』
CP:狗◎棘×創作女夢主
何度喚いても。何度叫んでも。
あなたは決して還っては来ないから。
だから段々と何も感じなくなった。……フリをした。何も感じないフリをし続けて、ただ日々を過ごして。
そうして生きていたら本当に何も感じない気がした。
このまま彼を忘れられるのではないのかと、ほんの一瞬だけ思った時もあった。
それでも結局は忘れられなかった。忘れるなんて出来る筈がなかった。
だからこそ生きる為に何も知らないフリをし続けた。この想いに蓋をして、失った痛みに気が付かないフリをしていたの。
賑やかな時には一瞬だけ忘れられるその痛みも、ひとりになると不意に思い出す。
眩しい程の彼と過ごしたあの日々を、これから死に逝くまで何度も。何度だって、思い出すのだろう。
どれほど彼のことを忘れたフリをしようとも。どれだけ思い出さないように心に蓋をしても。
何度でも、何度だって。
この苦しい程の激情は、あなたを想い泣いた涙は、一度だって無かったことにはならないから。
「と、……げ、くん……?」
だから、真っ先に思った。
――これは夢だと、そう思ったの。
泡沫の日に見る、触れたら消えてしまうような、何度も何度も見た、あの日の夢。
失った時のまま、そのままの姿でそこに立つあなたの姿。
「棘くん!」
暗闇の中にひとりで立つその姿に近付けばどうなるかくらいは分かっていた。
それでもいくら鍛錬はしているとはいえ、老いたこの身のどこにこんな力があったのかと思う程、力強く走り出していた。
近付けば近付く程、老いたこの身が彼と過ごした日々の姿に巻き戻っていくのを感じる。命が巻き戻っていく。記憶が鮮やかに蘇る。
それが自分の身体に何を巻き起こすのか分かっていた。それでもそんなことに構ってなんていられなかった。
だってそこに、あの時のまま。あの頃のまま。ううん。例えそんな姿じゃなかったとしても、そこに棘くんが居るのだ。駆け寄らない理由はない。
「……とげ、くん!」
きっとこれが最後になる。彼に会える本当の最後に。
彼を忘れたと嘘を吐き続けていたこの身に、これ程までの激情が渦巻いているとは思ってもいなかった。
これほどまでの想いを抱いていたとは思っていなかった。
身体が軽い。どれだけだって走っていけるような気がする。
この日を何度夢見たことだろう。何度、思い描いたことだろう。
ぼろぼろと涙が零れては流れていく。そんなことにすらも構ってなんていられない。
例えこの光景が夢幻でも、呪霊の見せる悪夢でも。なんでもいい。
暗闇の中、棘くんの姿を持ったその人にようやく近付き抱き着いた。
その人は確かに私の身体を抱き留める。
背中に回る腕の確かな感触も、あたたかさも、何もかもが彼と同じ。
過去、何度も受けた抱擁と同じ温度と、強さ。
「っ、とげくん……!」
ゆっくりと彼は私を見て、そうして柔らかに微笑んだ。
「しゃけしゃけ」
ああ、昔と変わらない、何も変わらない。あたたかな声。
涙がどんどんと零れて、止まらなくなっていく。
視界がぼやけて、棘くんの姿が上手く見えない。
ちゃんと彼を見ていたいのに。もう見失いたくないのに。
もう二度と、失うなんてしたくないのに。
「あいた、かった……っ」
でもきっと。今までの想いすべてこの言葉に集約されている気がした。
この人が本当の棘くんでなくても。自分で見ている死出の幻でもなんでもいい。
これが夢でも、泡沫でも。あぶくのように消えていくような、儚いものでもなんでもいい。
「あいたかった……っ」
何度も何度もその言葉を吐き出した。
彼に、そう。棘くんに会いたかったの。ずっと、ずっと。会いたかったの。
「……しゃけ」
小さく、自分もと言うかのように棘くんは頷いて。そうして彼は私の身体を抱き締める力を強くする。
自身の身体に確かに伝わる力強さを返すように、私も棘くんを抱き締め返した。
この時がずっと、永遠に続けばいいのに。
そう願っていたら、棘くんは不意に抱き締める強さを緩めた。
「とげくん?」
柔らかな微笑みはそのままに、棘くんは私の身体をなぞるかのように肩から腕、そうして手のひらを撫でた。
そうしてゆっくりと私の手を掴んで、握る。
手を繋ぐような優しいものではない。もう決して離さないという、そんな意思さえ感じた。
そのまま棘くんは懐かしいものでも見るかのように目を細め、私の手を握ったまま空いた片方の手で、ある方向に指をさす。
そこには明るい光が差していて、きっとそこに行くことは私にとって幸せなことなのだろう、と。そう思って確信した。
でも、と緩く首を振る。
******
はい!そんなわけで、再度告知させてください。
2026年5月31日(日)インテックス大阪にて開催されるSUPER COMIC CITY33-day3- にサークル【水色欠片】でサークル参加します!
ジャンルは【超妖言2026大阪】内、女夢主受けプチオンリー【呪転じて恋となす】です。
新刊二冊と支部からの加筆再録コピー本を引っ提げて参りますので、よろしくお願いいたします。
新刊サンプル①
『逝くは地獄二人ならば』
CP:狗◎棘×創作女夢主
A6サイズ/全14P/イベント頒布価格200円
参加される方いらっしゃいましたら良ければ遊びに来てやってください~!
またスペース番号が出たら日記に書きに来たいと思います。
ご縁などありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
支部にも同じものを投稿しておりますので、そちらをご覧の肩は重複してしまい申し訳ありません。
もう一冊の方も近々日記にサンプル投稿しに来ます!
泣いても笑ってもあと三週間。体調に気を付けながら準備頑張ります~!皆様もお体ご自愛くださいね。
