SS 101~120

※ちょっと下品です
※会話文



「先輩の処女をオレにくれませんか?」

「………………は?なんだって?」

「だから、先輩のしょ」

「ああ、うん。皆まで言わなくて良い」

「で?勿論くれますよね」

「何故私が君とそんな関係にならなきゃいけないのかな?」

「え?オレが先輩を好きだからですよ?勿論、性的な意味で」

「はあ。そんなことを言われてもだね」

「良いじゃないですか。処女くらい」

「いや、私にとっては“くらい”で済まない問題なんだけど」

「奇遇ですね。僕にとっても先輩の処女はとても重要な意味を持ちますよ」

「いや君、今さっき“処女くらい”って言ったよね?」

「好きな人のハジメテを誰かに奪われる前に欲しくて、つい」

「ああ、成る程。なんて納得できる要素は見当たらないんだけど」

「もう。強情だなぁ。別にいいじゃないですか。ちょっといっか……一晩抱かれるだけなんですから」

「何故言い直したのか訊いていいかな?」

「話が違うと怒った姿も見たいですが、先輩に嘘をつくのは嫌だなぁ、と」

「そんな気遣いが出来るならもっと違う所で発揮して欲しかったなぁ!」

「すみません。僕、これでも緊張してるんです」

「うん。どこら辺が?」

「ここで断られたら先輩に最悪な思い出を刻み付けながら抱かなきゃなぁ、と思うとこうふ、震えが」

「隠せてない。何一つ隠せてない。色々駄々漏れてるよ君」

「そんなわけで先輩。先輩は拒絶なんてしませんよね」

「有無を言わさないような笑顔浮かべられても困る、ってか。今私は一択しかない答えを求められていたりするのかな?」

「先輩が嫌だと思うことはしませんから。安心してください。多分大丈夫ですから」

「わー。凄い不安しかないんだけど」



というかさ、



「君は一体誰ですか?」



「……」

「……」

「……あ、そういえば実際にお会いするのは初めてでしたね。毎日先輩をストーキングしてたのでそんな気がしませんでしたが、いやぁ、ウッカリしてました」

「いつも感じる気配の主は君か!」
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