SS 41~60
ずっとずぅっと憎かった。
だって貴方は私を選んではくれなかったのだもの。
私と夫婦になって下さったのに、私以外の女を愛したんですもの。
そんな貴方がずぅっと憎くて。
殺してしまいたかった。
貴方も、貴方が愛した女も。
「でも、思ったんです」
うっそりと笑いながら、貴方を見つめる。
貴方の目は怯えと、そして敵意が込められていた。
「……あいつは、」
「……大丈夫ですわ。貴方が愛されたあの女に、手を出すつもりはありませんもの」
「それは、…本当か?」
「ええ、」
今は、まだ。
とは言わず、にこりと微笑み掛ければあからさまにホッとした顔。
むかつくむかつくむかつく。
あの女が生きていると、害が加えられていないと分かった瞬間。
そんな顔をするだなんて。
本当に、酷い人。
それでも、
「……私、ずっと貴方が好きだったんです」
「何を言って、」
「幼い頃から、ずっと、ずぅっと」
貴方を好きだったんです。
貴方の言葉を遮ってそう言えば、目を丸くする貴方の姿。
それに少しだけ笑ってしまう。
「ふふ。知らなかったんですか?私、本当に貴方が好きなんですよ」
だから。だから、
「許せないんです」
貴方も、あの女も。
「未来永劫、恨んで、憎み続けますわ。貴方もあの女も、苦しめばいいんです」
苦しんで苦しんで、楽になることなんてなければいいんです。
「私はそれを見て、笑っていて差し上げますわ」
「…っ!待て!」
スッと隠し持っていた短剣を振り翳した。
貴方は刺されると思ったのか咄嗟に腕を交差して顔を背ける。
「それまでは、さようなら」
振り翳した短剣を私の胸に突き刺す。
吹き出した血液が貴方に降り掛かるのを、霞む意識の中見ていた。
「ッオイ!」
焦った顔をする貴方。
どうして自分ではないかと、その瞳は言っていたけれど。
(私が貴方を刺せるわけがないですわ)
例え憎くても、それだけは出来なかった。
だから変わりに、自身を。
心臓からはどくりどくりと血液が溢れ出てきて、貴方の身体を濡らす。
私の憎しみの感情が貴方に染み付いていくようで、少しだけ気分が良かった。
(忘れられない程の鮮烈な記憶を、貴方の中に)
そうして。
私の呪いは完成する。
心臓に突き刺した呪いの掛かった短剣と、憎しみが隠った血液を。
貴方の全身に染み渡らせて、貴方があの女へ想いを寄せ続ける限り。
「あなたを、呪いつづけます」
この憎しみが潰える日まで。
好きだったんです。
幼い頃から、貴方だけが好きだったんです。
それをポッと出の女に取られて、私が納得するとでも思いましたか?
悔しくないと、傷付かないと。
笑っていられるとでも思いましたか?
そんなことあるわけ無いじゃないですか。
貴方の側に、私ではない女が居ることなんて許せるわけが無いじゃないですか。
大切で、愛していたからこそ、貴方に裏切られた事実が何よりも辛かった。
だから、貴方も、私から貴方を奪ったあの女も、苦しめばいいんです。
その代わり。
人を呪わば穴二つ。
貴方を呪ったその瞬間から。
私はとうに、穴の中。
未来永劫。
『貴方と』幸せになることはありませんわ。
だって貴方は私を選んではくれなかったのだもの。
私と夫婦になって下さったのに、私以外の女を愛したんですもの。
そんな貴方がずぅっと憎くて。
殺してしまいたかった。
貴方も、貴方が愛した女も。
「でも、思ったんです」
うっそりと笑いながら、貴方を見つめる。
貴方の目は怯えと、そして敵意が込められていた。
「……あいつは、」
「……大丈夫ですわ。貴方が愛されたあの女に、手を出すつもりはありませんもの」
「それは、…本当か?」
「ええ、」
今は、まだ。
とは言わず、にこりと微笑み掛ければあからさまにホッとした顔。
むかつくむかつくむかつく。
あの女が生きていると、害が加えられていないと分かった瞬間。
そんな顔をするだなんて。
本当に、酷い人。
それでも、
「……私、ずっと貴方が好きだったんです」
「何を言って、」
「幼い頃から、ずっと、ずぅっと」
貴方を好きだったんです。
貴方の言葉を遮ってそう言えば、目を丸くする貴方の姿。
それに少しだけ笑ってしまう。
「ふふ。知らなかったんですか?私、本当に貴方が好きなんですよ」
だから。だから、
「許せないんです」
貴方も、あの女も。
「未来永劫、恨んで、憎み続けますわ。貴方もあの女も、苦しめばいいんです」
苦しんで苦しんで、楽になることなんてなければいいんです。
「私はそれを見て、笑っていて差し上げますわ」
「…っ!待て!」
スッと隠し持っていた短剣を振り翳した。
貴方は刺されると思ったのか咄嗟に腕を交差して顔を背ける。
「それまでは、さようなら」
振り翳した短剣を私の胸に突き刺す。
吹き出した血液が貴方に降り掛かるのを、霞む意識の中見ていた。
「ッオイ!」
焦った顔をする貴方。
どうして自分ではないかと、その瞳は言っていたけれど。
(私が貴方を刺せるわけがないですわ)
例え憎くても、それだけは出来なかった。
だから変わりに、自身を。
心臓からはどくりどくりと血液が溢れ出てきて、貴方の身体を濡らす。
私の憎しみの感情が貴方に染み付いていくようで、少しだけ気分が良かった。
(忘れられない程の鮮烈な記憶を、貴方の中に)
そうして。
私の呪いは完成する。
心臓に突き刺した呪いの掛かった短剣と、憎しみが隠った血液を。
貴方の全身に染み渡らせて、貴方があの女へ想いを寄せ続ける限り。
「あなたを、呪いつづけます」
この憎しみが潰える日まで。
好きだったんです。
幼い頃から、貴方だけが好きだったんです。
それをポッと出の女に取られて、私が納得するとでも思いましたか?
悔しくないと、傷付かないと。
笑っていられるとでも思いましたか?
そんなことあるわけ無いじゃないですか。
貴方の側に、私ではない女が居ることなんて許せるわけが無いじゃないですか。
大切で、愛していたからこそ、貴方に裏切られた事実が何よりも辛かった。
だから、貴方も、私から貴方を奪ったあの女も、苦しめばいいんです。
その代わり。
人を呪わば穴二つ。
貴方を呪ったその瞬間から。
私はとうに、穴の中。
未来永劫。
『貴方と』幸せになることはありませんわ。