SS 21~40
「飽きたらポイッ。なんて、良いご身分ね?何様のつもりなの?」
昼寝していたら突然頭上から声が降ってきた。
渋々目を開ければそこには仁王立ちをする女子。
「……あんた誰?」
「アナタが捨てた女の子の友達よ」
「ふぅん。それいつの?何番目?…まあ、言われても分かんないし言わなくて良いけどさ」
「アナタ最低な男ね」
「……うざいな。あんたに迷惑掛けてる訳じゃないんだから別にいいでしょ?」
「アナタが捨てた子が私の友達って言ったでしょ?私だって人の恋愛にとやかく言う気はないわよ!てか言いたくもない。でもね?『あんた、名前なんだっけ?』なんて仮にも付き合ってた子に普通言う?」
グチグチとうるさい女だなー。
眉間に皺が寄るのを感じながら反論する。
「……俺は最初に言ってんの。『好きにならないし、ヤりたい時に呼び出すだけだけど、それでもいいの?』って。それでもあんたの友達とやらは頷いたんだよ」
そもそも言い掛かりを付けられる意味が分からないのだと言えば女は「はあ?」と眉を寄せた。
「知ってるわよそんなの。アナタがそういう子としか付き合わないのくらい有名だし」
「はあ?じゃあ何」
「アナタがどんな理由で付き合おうと勝手だし、それで女の子達が頷いたのは知ってるけどね?その子と居る時くらいは名前を覚えてあげてって言ってるのよ」
忘れるならその都度聞けば済む話でしょ?
女はさも当たり前だと言わんばかりの態度で言い放つ。
その発言はどうなのかと疑問に思うような言葉を聞いた気がしたが、むしろ女は言い切ったとばかりに心なしかスッキリとした顔をしていた。
女がいくらスッキリした顔をしていようと俺はむしろ不快指数が溜まる一方なんだけど。
大体この女はなんなんだ。
人の事にギャーギャー口出ししてきて鬱陶しい。
「あのさ!」
「なに?」
「あんた結局何しに来たわけ?俺がやってること止めに来た訳じゃないならほっとけばいいじゃん」
「は?」
何言ってんだコイツ?
みたいな訝しげな顔をする女に、そっくりそのまま同じ表情を返してやりたい。
沸々と怒りが沸いてくる。
そんな中、女は何食わぬ顔でその怒りの中心に水をぶっかけた。
「アナタみたいな最低な男でも、可愛い女の子が恋してるって言うなら出来るだけ協力してやりたいってのがフェミ道ってもんでしょう?」
だから私はせめて名前くらいは呼んでやって欲しいって抗議しに来たのよ。
さも当たり前だと言わんばかりに女は言う。
その言葉にくらりと目眩がした。
恋に落ちたとかそんな馬鹿げた理由な訳ではない。
呆れ果てた。なんだコイツ!?
「…………レズ?」
「偏見はないけど違うわね。私はただの女好き」
「うん。それ余計タチ悪いよね」
「可愛い女の子を愛でて何が悪い!」
「威張らないでよ、もー。あんたと話してると疲れるなぁ」
なんだか頭が痛くなってきてこめかみを抑える。
するとさっきまで偉そうに喋っていた女は一変してその顔に心配の色を浮かべて顔を覗き込んできた。
「な、っ!?」
「ちょっと。アナタ体調悪いの?保健室連れて行こうか?」
至近距離から見た女の顔は百人中百人が綺麗だと答える部類で。
不覚にもドキリと心臓が一度脈打った。
だから余計に性格の残念さが際立って見えて、女に向けて絞り出すように言い放ったのだ。
「…………頭痛の種はあんただよ」
鼓動が早く感じるのは、ただの不整脈だと言い聞かせながら。
昼寝していたら突然頭上から声が降ってきた。
渋々目を開ければそこには仁王立ちをする女子。
「……あんた誰?」
「アナタが捨てた女の子の友達よ」
「ふぅん。それいつの?何番目?…まあ、言われても分かんないし言わなくて良いけどさ」
「アナタ最低な男ね」
「……うざいな。あんたに迷惑掛けてる訳じゃないんだから別にいいでしょ?」
「アナタが捨てた子が私の友達って言ったでしょ?私だって人の恋愛にとやかく言う気はないわよ!てか言いたくもない。でもね?『あんた、名前なんだっけ?』なんて仮にも付き合ってた子に普通言う?」
グチグチとうるさい女だなー。
眉間に皺が寄るのを感じながら反論する。
「……俺は最初に言ってんの。『好きにならないし、ヤりたい時に呼び出すだけだけど、それでもいいの?』って。それでもあんたの友達とやらは頷いたんだよ」
そもそも言い掛かりを付けられる意味が分からないのだと言えば女は「はあ?」と眉を寄せた。
「知ってるわよそんなの。アナタがそういう子としか付き合わないのくらい有名だし」
「はあ?じゃあ何」
「アナタがどんな理由で付き合おうと勝手だし、それで女の子達が頷いたのは知ってるけどね?その子と居る時くらいは名前を覚えてあげてって言ってるのよ」
忘れるならその都度聞けば済む話でしょ?
女はさも当たり前だと言わんばかりの態度で言い放つ。
その発言はどうなのかと疑問に思うような言葉を聞いた気がしたが、むしろ女は言い切ったとばかりに心なしかスッキリとした顔をしていた。
女がいくらスッキリした顔をしていようと俺はむしろ不快指数が溜まる一方なんだけど。
大体この女はなんなんだ。
人の事にギャーギャー口出ししてきて鬱陶しい。
「あのさ!」
「なに?」
「あんた結局何しに来たわけ?俺がやってること止めに来た訳じゃないならほっとけばいいじゃん」
「は?」
何言ってんだコイツ?
みたいな訝しげな顔をする女に、そっくりそのまま同じ表情を返してやりたい。
沸々と怒りが沸いてくる。
そんな中、女は何食わぬ顔でその怒りの中心に水をぶっかけた。
「アナタみたいな最低な男でも、可愛い女の子が恋してるって言うなら出来るだけ協力してやりたいってのがフェミ道ってもんでしょう?」
だから私はせめて名前くらいは呼んでやって欲しいって抗議しに来たのよ。
さも当たり前だと言わんばかりに女は言う。
その言葉にくらりと目眩がした。
恋に落ちたとかそんな馬鹿げた理由な訳ではない。
呆れ果てた。なんだコイツ!?
「…………レズ?」
「偏見はないけど違うわね。私はただの女好き」
「うん。それ余計タチ悪いよね」
「可愛い女の子を愛でて何が悪い!」
「威張らないでよ、もー。あんたと話してると疲れるなぁ」
なんだか頭が痛くなってきてこめかみを抑える。
するとさっきまで偉そうに喋っていた女は一変してその顔に心配の色を浮かべて顔を覗き込んできた。
「な、っ!?」
「ちょっと。アナタ体調悪いの?保健室連れて行こうか?」
至近距離から見た女の顔は百人中百人が綺麗だと答える部類で。
不覚にもドキリと心臓が一度脈打った。
だから余計に性格の残念さが際立って見えて、女に向けて絞り出すように言い放ったのだ。
「…………頭痛の種はあんただよ」
鼓動が早く感じるのは、ただの不整脈だと言い聞かせながら。