SS 21~40

「はぁ~…委員長今日も可愛い…」

「へー。で、お前が右手に持ってるカメラはなんだ?」

「なんであんな委員長可愛いんだろうな。あの可愛さはもう犯罪だろ。ほんと天使だわ~委員長可愛い」

「無視か。委員長の可愛さが犯罪なら委員長を盗撮してるお前はなんなんだろうな」

「あ!」

「……あ?」

「委員長と目が合った!」

「思いっきり逸らされたな」

「委員長照れちゃって可愛い~。走って行かなくてもいいのにほんと委員長可愛い」

「ああ。まあ、お前がそう思ってんなら俺は別に(実害がないから)いいんだけどな」



【目を逸らされるのは照れてるからじゃないって気づこうね】



(まあ、気付いてたらとっくの昔にストーカー止めてるんだろうけどな)



◆◇◆



「あ、花飛ばしても可愛いかも」

「……何やってんだ」

「見て分かんねぇのかよ。マフラー編んでんだよ」

「それは分かるっつの。そうじゃなくて、何?もしかして委員長に上げるとか言わねぇよな」

「はぁ?ふざけんなよ」

「そりゃ、そうだよな」

「委員長以外に俺がこんなたるい事するわけねぇだろ」

「ああ、だよな。お前はそういう奴だったよな」

「この前委員長がマフラー欲しいって言ってたから編んでんの。模様も委員長が欲しがってた奴真似てるし」

「(なんで知ってるとか聞くだけ無駄か。それにしても)……無駄に器用だな、お前」

「そうか?結構難しいけどな」

「そんなもんか?めちゃくちゃ綺麗に編まれてるように見えるけどな(コイツの委員長への愛が怖ぇわ…)」



【手編みマフラー贈っていいのは二次元の住人だけだからさ】



(つかコイツ受け取って貰う前提かよ)



◆◇◆



「……はぁ~、委員長が好きすぎて胸が痛ぇ」

「そうか」

「委員長も同じ気持ちだったらいいなぁ」

「(それは無いだろ)」

「なあ、委員長と付き合うにはどうしたらいいと思う?」

「ストーカー止めろ」

「却下。俺は委員長のおはようからおやすみの間まで見守っていたい」

「委員長家の盗撮もやってんのかよ(今度委員長に言っとくか)」

「委員長が可愛すぎるのがいけねぇ」

「無駄にいい顔すんなストーカー野郎」

「うるせぇ。あ~…委員長可愛い。早く委員会終わんねぇかな」

「どうだろうな」



【「見つめるだけで胸が痛い」か、相手は頭が痛いだろうよ】



(委員長は盗聴器外して裏門からとっくに帰ってたりするんだけどな)



◆◇◆



「……なあ、俺もしかして委員長に嫌われてたりすんのかな」

「はあ?今更だろ」

「いやだってよ。いつ委員長に電話掛けても通話中だし、メールしても返ってくんだぜ?絶対嫌われたし!どうしよう!委員長に嫌われたら生きてけねぇ……っ」

「(あんだけ盗撮やら盗聴やらしてて嫌われてる自覚無しなお前がすげぇ)……つかお前委員長のアドレス良く知ってたな」

「委員長の中学時代の知り合いに金積んで脅して聞いた」

「……ああ、お前残念過ぎて忘れかけてたけど不良だったな。残念だけど」



【いつ電話しても話し中ってそれ着拒だから】



(気付くのは世界が終わっても無理だろうな)



◆◇◆



イライライライライライラ


「……」

「何?お前の不機嫌オーラに殺られてるクラスメートが可哀想なんだけど」

「……んでもねぇよ」

「いや、苛々が聞こえるレベルだから。どうでもいいけど授業進まねぇから苛々してんなら外行けば?」

「はあ?そんなんしたら委員長からの評価が不良になんだろ!バカか!」

「心配しなくてもお前は手遅れで残念な不良だよ」

「あ゛あぁ」

「……はあ。うぜぇ。いつもなら授業中は委員長見放題で機嫌良いだろ」

「……押してダメなら引けって言われて、一昨日から盗撮も盗聴もストーカーも自制してんだよ。ぁあ゛!クソッ!委員長不足で苛々する!」

「……だから最近委員長が機嫌良かったのか」

「引けばこっち気にしてくるっつうからそれまで耐えねぇとだし!ああ、でも委員長が俺を気にするとか考えただけでヤベェ。ニヤケ止まんねぇわ」

「……そうだな。そのまま引いとけ」



【押してもダメなら引いてみろ、相手も大喜びだ】



(あ、委員長からメール)

(何!?お前いつの間にっ)

(お前の相談受けてたらいつの間にかメル友になってた)





titel by 確かに恋だった様
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