SS 21~40

愛しているから独占したいし。
愛しているから嫉妬する。
愛しているから誰にも見せたくないし。
愛しているから僕以外を見ないで欲しい。


月並みな言葉の数々だけれど、全て僕の本心だ。
君の全ては僕のもので僕の全ては君のもの。
最高で最良で幸福な僕らの関係。
愛していると何度言っても尽きることはなく。
むしろ湧き水のように後から後から溢れ出てくる。
愛している。
それ以上の言葉はこの世に存在しないし。
それ以上に君に伝える術を僕は持ち合わせてはいない。
だから君が、


「愛していると言えば何でも許されるわけではないんですよ」


そう言ったことが酷く心を抉った。
僕のこの気持ちの一辺すらも、君には伝わっていないのかと悲しくなった。
だって僕は君を「愛してる」
だから君に関することに僕が関わって何が可笑しい?

例えばこの前。
君を僕と君の大切な家から連れ出そうとした悪人が居ただろう?
僕から君を奪おうとする人間。
そんな危険な人間を二度と君に触れさせないようにしたって良い筈だ。
これは正当防衛の筈だろう?
だって愛しい君を守るためにしたことなんだから。

なのにどうして君はそんなにも悲しそうな顔をする。
どうしてあの悪人の心配をする。
どうして君を守った筈の僕を責める。
全部全部。
君を守りたくてしたことだと言うのに。

こんなにも愛しているのに。
どうして君には分からない?
どうして君には伝わらない。
どうして君は僕の愛を受け入れてくれない。
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

こんなにも君を愛しているのに。
僕を愛してくれない君すら愛しているのに。




君を愛している。
だからいっそ君を殺してしまいたい。



(その目が、二度と僕以外を見えないように)



そうして僕は、君の白い首に――
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