過去拍手お礼文
ガタンバタン!
そんな騒々しい音を響かせながらソレはやって来た。
「ユイちゃん!今日こそおじちゃんとの結婚を受けてもらうよ!」
「……何度来られましても、わたくしの可愛いユイを差し上げることは出来ませんわよ侯爵?」
「おや?ウイちゃんだったんだね?ウイちゃんには用はないからユイちゃんを出してくれないかな?」
「ユイは今眠らせていますから無理です。あと、わたくしはユイの一片。わたくしを否定するのは構いませんがそこら辺を良くお考えになられて下さいませんか?」
「ああそれは失敬。ウイちゃんにも会いたかったよ。だからユイちゃんを出してね?」
「まあ、何度言わせる気かしらこの老害は。ユイは眠っています。会えません。だから帰りなさいと言っているではありませんか。それとも遠回しでは伝わりませんこと?」
「じゃあ言い直そうか?ユイちゃんを起こしてくれないかな?ちゃんとユイちゃんに会ってプロポーズしたいから」
「……チッ、この老害が」
ウイが去り際に一言吐き捨てた言葉がそれなりに侯爵。ハゼルの心臓を射ぬいていたりしているのだが、それこそがウイの狙いだ。
ざまぁみろとでも言うようにべぇ、っと舌を出して、ハゼルの反応を待つことなく目を伏せた。
そうして1分ほど目を瞑ったままだったウイはスウッと瞼を押し上げて、ぱちぱちと何度か瞬きをする。
そしてハゼルの姿を視界に納めた途端に眉を寄せた。
言葉で口撃をしてくるウイではなく、態度で威嚇をするユイに変わった証拠だ。
ハゼルはパアッと顔を明るくして、そのままユイの小さな身体を抱き上げ思い切り抱き締めた。
と、言っても潰さないように配慮されているので圧迫感のような苦しさはない。
「ユイちゃん!ユイちゃん!ほんっとぉぉぉに久しぶり!会いたかったよぉぉぉぉ!!」
「ハゼルさん髭が当たって痛いです。あと然り気無くお尻を触らないで下さい」
「はぁんユイちゃん本当に可愛い!今すぐ持って帰りたいくらい可愛い!食べちゃいたいくらい本当に」
「もういいので黙って下さい」
「ユイちゃんのツンツンかぁわいい~」
ダメだこりゃ。と内心で首を振る。
何故内心かといえば、実際はぎゅうぎゅうと抱き締められているので首を振るとか無理だから。
ユイはしばらくは離して貰えそうにないなと思い、少しでも呼吸が楽になるように、ハゼルの背に腕を回して服を掴んでいた引いた。
パッと見からは抱き合っているようにしか見えないのだが、あくまでも呼吸の確保の為だ。
「ゆ、ゆゆゆユイちゃん!どうしたのデレ期!?結婚するっ?」
「しないし出来ないですよ。落ち着いて下さいハゼルさん。あと出来れば年齢差を考えて下さい」
「愛の前に年齢差なんて存在しないよ!」
「愛の前には法律が立ち塞がっているんですよ」
ハゼルがああ言えばユイはこう言う。
なまじユイの方が正論だというのは大人として大丈夫なのだろうか?
そう思わないでもないが双方共に気にしない。
「それでハゼルさん。今日は一体何をしに?」
「ユイちゃんは分かっている癖に聞くなんて可愛らしいなぁ」
「ハゼルさんは口を開かなくてその性格ではなかったら好きになっていたかも知れないですね」
「分かった。後で南の魔女から性格を変える薬と一生喋らない薬を貰ってくるね」
「……冗談を真に受けないでくださいよ」
「ユイちゃんの言葉ならいつだって真摯に受け止めたいよ。未来の奥さんを幸せにしたいからね」
「多分良いことを言っているんでしょうが理解不能です」
そもそも結婚なんてしませんから。
そう言って、ハゼルが聞いたことなど一度足りともないのだけれど。
「そんなクールな所も愛してるよユイちゃん!結婚しよう!!」
「だから、しませんってば。というかたかだか10歳の少女に求婚しないで下さいよ」
いい加減にしないと、貴方の地位が危ういんじゃないんですか?
侯爵殿?
「ああ大丈夫大丈夫。俺がユイちゃんに骨抜きにされたと分かった途端に両親が結婚を進めてくるけど大丈夫」
「それご両親からめちゃくちゃ心配されてますよね?大丈夫じゃありませんよね?」
明らかに自分の息子が道を踏み外してロリコンに走ったことに対して心配している。
その内、国を追い出されるんじゃないかと危惧するのはユイだけで。
もう一人のユイであるウイはどうせハゼルが何とかするだろうと危機感すら抱いていない。
そしてそれは大いに当たりだ。
ユイのことに関して、ハゼルは異様なほどに力を振るう。
だからこそ今まで一度足りともユイに危害が加わったことがないのだ。
それを知っているのはウイとハゼルだけだけれども。
「ユイちゃんは気にしない!ほら?良く言うでしょ?気にしたら負けって」
「いや、それ」
負けちゃだめでしょう。気にしなさい。
そう言おうと口を開きかけたけれど、言っても無駄だと諦めてハゼルの胸に身を預けた。
そんな騒々しい音を響かせながらソレはやって来た。
「ユイちゃん!今日こそおじちゃんとの結婚を受けてもらうよ!」
「……何度来られましても、わたくしの可愛いユイを差し上げることは出来ませんわよ侯爵?」
「おや?ウイちゃんだったんだね?ウイちゃんには用はないからユイちゃんを出してくれないかな?」
「ユイは今眠らせていますから無理です。あと、わたくしはユイの一片。わたくしを否定するのは構いませんがそこら辺を良くお考えになられて下さいませんか?」
「ああそれは失敬。ウイちゃんにも会いたかったよ。だからユイちゃんを出してね?」
「まあ、何度言わせる気かしらこの老害は。ユイは眠っています。会えません。だから帰りなさいと言っているではありませんか。それとも遠回しでは伝わりませんこと?」
「じゃあ言い直そうか?ユイちゃんを起こしてくれないかな?ちゃんとユイちゃんに会ってプロポーズしたいから」
「……チッ、この老害が」
ウイが去り際に一言吐き捨てた言葉がそれなりに侯爵。ハゼルの心臓を射ぬいていたりしているのだが、それこそがウイの狙いだ。
ざまぁみろとでも言うようにべぇ、っと舌を出して、ハゼルの反応を待つことなく目を伏せた。
そうして1分ほど目を瞑ったままだったウイはスウッと瞼を押し上げて、ぱちぱちと何度か瞬きをする。
そしてハゼルの姿を視界に納めた途端に眉を寄せた。
言葉で口撃をしてくるウイではなく、態度で威嚇をするユイに変わった証拠だ。
ハゼルはパアッと顔を明るくして、そのままユイの小さな身体を抱き上げ思い切り抱き締めた。
と、言っても潰さないように配慮されているので圧迫感のような苦しさはない。
「ユイちゃん!ユイちゃん!ほんっとぉぉぉに久しぶり!会いたかったよぉぉぉぉ!!」
「ハゼルさん髭が当たって痛いです。あと然り気無くお尻を触らないで下さい」
「はぁんユイちゃん本当に可愛い!今すぐ持って帰りたいくらい可愛い!食べちゃいたいくらい本当に」
「もういいので黙って下さい」
「ユイちゃんのツンツンかぁわいい~」
ダメだこりゃ。と内心で首を振る。
何故内心かといえば、実際はぎゅうぎゅうと抱き締められているので首を振るとか無理だから。
ユイはしばらくは離して貰えそうにないなと思い、少しでも呼吸が楽になるように、ハゼルの背に腕を回して服を掴んでいた引いた。
パッと見からは抱き合っているようにしか見えないのだが、あくまでも呼吸の確保の為だ。
「ゆ、ゆゆゆユイちゃん!どうしたのデレ期!?結婚するっ?」
「しないし出来ないですよ。落ち着いて下さいハゼルさん。あと出来れば年齢差を考えて下さい」
「愛の前に年齢差なんて存在しないよ!」
「愛の前には法律が立ち塞がっているんですよ」
ハゼルがああ言えばユイはこう言う。
なまじユイの方が正論だというのは大人として大丈夫なのだろうか?
そう思わないでもないが双方共に気にしない。
「それでハゼルさん。今日は一体何をしに?」
「ユイちゃんは分かっている癖に聞くなんて可愛らしいなぁ」
「ハゼルさんは口を開かなくてその性格ではなかったら好きになっていたかも知れないですね」
「分かった。後で南の魔女から性格を変える薬と一生喋らない薬を貰ってくるね」
「……冗談を真に受けないでくださいよ」
「ユイちゃんの言葉ならいつだって真摯に受け止めたいよ。未来の奥さんを幸せにしたいからね」
「多分良いことを言っているんでしょうが理解不能です」
そもそも結婚なんてしませんから。
そう言って、ハゼルが聞いたことなど一度足りともないのだけれど。
「そんなクールな所も愛してるよユイちゃん!結婚しよう!!」
「だから、しませんってば。というかたかだか10歳の少女に求婚しないで下さいよ」
いい加減にしないと、貴方の地位が危ういんじゃないんですか?
侯爵殿?
「ああ大丈夫大丈夫。俺がユイちゃんに骨抜きにされたと分かった途端に両親が結婚を進めてくるけど大丈夫」
「それご両親からめちゃくちゃ心配されてますよね?大丈夫じゃありませんよね?」
明らかに自分の息子が道を踏み外してロリコンに走ったことに対して心配している。
その内、国を追い出されるんじゃないかと危惧するのはユイだけで。
もう一人のユイであるウイはどうせハゼルが何とかするだろうと危機感すら抱いていない。
そしてそれは大いに当たりだ。
ユイのことに関して、ハゼルは異様なほどに力を振るう。
だからこそ今まで一度足りともユイに危害が加わったことがないのだ。
それを知っているのはウイとハゼルだけだけれども。
「ユイちゃんは気にしない!ほら?良く言うでしょ?気にしたら負けって」
「いや、それ」
負けちゃだめでしょう。気にしなさい。
そう言おうと口を開きかけたけれど、言っても無駄だと諦めてハゼルの胸に身を預けた。