過去拍手お礼文

「ねぇ~、そろそろ人間とか滅ぼさない?要らなくない?ウザくない?」

「藪から棒に何ですか一体」

「いやぁ、だってアイツら自分の都合の良い時だけ神頼みだとか言って拝みに来るんだよぉ?ウザくない?」

「それが貴方の本分でしょうが」

「そーだけどさぁ。何か使い捨て感覚で頼られても困っちゃうってかねぇ」

「それなら耳を貸さなければ良いでしょう。別に貴方が手助けをしてあげる義理はないのですから」

「それが出来たら苦労はしないよねぇ?後でさんっざん!狐に怒られてる神とか想像してよぉ。ないでしょ?」

「個人的には此処数十年で変わった貴方の口調の方がないですけどね」

「魔王たんに誉められちった☆」

「気持ち悪いです」

「真面目なトーン止めてよぉ。傷付いちゃうかも知れないでしょー」

「つまり傷付いてないんですね?それは良かった」

「それは俺が傷付かなくて良かった的なぁ?」

「そうですね。絶対鬱陶しいので良かったです」

「あはは魔王たんの言葉に泣いちゃいそう」

「泣けばいいじゃないですか」

「まさか薦められるとわぁ」

「人を苦しめ悦がるのが私の本分なので」

「俺は人じゃないけどぉ?」

「知ってますが?」

「……」

「……」

「……あー、人類ぶっ殺★したいなぁ」

「まだ言ってるんですか。その会話に詰まると人類滅亡させたくなるの止めません?何百年言ってるつもりです。いい加減鬱陶しいですよ」

「……っ、だってしょうがないだろ!お前と何話していいか未だに分からないんだから!」

「ああ。久し振りに貴方の素を見られましたね。嬉しいです」

「……っ!」

「ということで私は魔界に帰ります」

「ちょっ!待ってよ!まだ帰って良いなんて言ってないだろ!」

「はぁ。でも私と話すことも特にないのでしょう?」

「……そ、れは、」

「理由が明確でないなら帰ります」

「……、っ」

「……はあ。貴方は何時になっても一歩を踏み出してはくれませんね。今時の言葉で言うのなら『へたれ』というのでしょうか。全く以て情けない」

「…っるさい!」

「あと何百年待てば貴方から欲しい言葉を聞けるのやら。今度貴方の元を訪れる時にはせめて『人類滅亡』の言葉が出ないことを祈りますよ」

「……善処する」

「ふふ。はい。楽しみにしています」


『へたれな神様と余裕な魔王』
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