2015年ハロウィン

「ご主人ご主人。ハロウィンですね!犯してください!」

「……聞き間違いか?」

「嫌ですねぇ。こういうことを女から何度も言わせないでくださいよー」

「いつもの『血をください』じゃないのか?」

「それも思ったんですけどー、今日はご主人もお仕事1日お休みですし、買い物も昨日済ませてあるので出かけることもないですし、じゃあご主人に犯して貰おうかなぁって」

「……はあ。そんな近所の公園に行く感覚で、そんなことを言うな」

「んふふ。はぁい」

「……やっぱり揶揄ったのか」

「だって、今日は悪戯しても良い日なんですよねー?」


テレビでやってましたよ。


「悪戯しても、なぁ」

「ふふふ。ご主人の困った顔、素敵でしたよ」

「そりゃ良かったな」

「はい!朝から良いもの見れましたー」


今日はHappyな1日になりそうです。


「……なあ」

「はい?」

「trick or treat」

「……はい?」

「お菓子くれないと、悪戯するぞ」

「……こういうの、興味ないと思ってましたー」

「たまには乗ってやるよ」

「んふふふふ」

「何だ。気持ち悪い笑い方して」

「あ、酷いですー。嬉しいのにー」

「嬉しいのか」

「嬉しいですよ。ご主人が構ってくれるんですから」


で、ご主人?


「私はお菓子なんて持ってないですよ」

「それじゃあ仕方ないな」


悪戯してやるからこっち来いよ。
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