2014年バレンタイン

「さあ!今日は待ちに待って待ち望んだセイントなバレンタインデーです!ずっとずっと待ってたんです今日この日を!そういうわけでチョコレート、もしくは貴女をください!むしろ貴女をください!」

「とりあえず寒いんで窓を閉めてくれませんか?貴方が帰ってくれるなんて期待していないので閉めてくれませんか?」

「僕と二人きりになりたいから密室にしてくれだなんて……そんな嬉しいことを言われたら今直ぐにでもチョコプレイをしたくなるじゃないですか」

「前言を撤回します。帰れ。むしろ還れ」

「嫌ですよ。折角チョコレートを持って来たんですから受け取ってくれるまで帰りません」

「……持ってきたんですか?」

「ふふ。貴女に食べていただきたくて」

「……そうですか」

「受け取ってくれますか?」

「まあ、受け取らないこともないですよ。……ただしそのチョコに何も入っていないことが前提ですが」

「貴女の為に丹精込めて作ったチョコですよ?得体の知れない物が入っているわけがないじゃないですか」

「はあ、そうですか。一応信用しましょう」

「ふふ。嬉しいです。僕の愛情と体液がたっぷり入っていますので味わって食べてくださいね」

「……」

「どうかしました?」

「いえ……何と云うか……全力でこの包みを窓の外に投げ捨てたい衝動が襲ってきました」

「折角作ったんですから食べてくださいよもう!」

「絶対食べません」

「そんなハッキリ云う貴女が大好きです」

「そうですか。私は嫌いです」

「ふふ。それで僕にチョコはいただけないんですか?」

「ありませんよそんなもの」

「残念です。では、ホワイトデーに期待してますね?」

「……それが狙いか」

「ふふ。一度受け取ったのでもうクーリングオフは効きませんよ?一ヶ月後に受け取りに来ますからね?」

「もう二度と来ないでもいいんですけど。そもそも招いてませんし」

「嫌です。来ます。なんなら明日も来ます」

「来ないでください」
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