流されてしまったので2
「いってきまぁす千帆ちゃん」
「はいはい、いってらっしゃい」
面倒くさそう、というよりは呆れた?顔をしながら玄関で俺を見送る千帆にふふ、と笑ってキスをした。
「っん、」
「ふふ、千帆ちゃんえっろーい」
「っ、美知!!」
「んじゃ、行ってきまぁす」
ちょっと深めにキスをしたら離れ難くなってしまい危うく早朝には似合わないことがしたくなっちゃった。
声を荒げて怒る千帆にクスクス笑いながらこれ以上欲が高まらない内に最後に頬に軽く口づけて早々に家を出る。
赤く染まった耳が可愛すぎて、もうどうしたら良いんだろう。
普段なら寝室に逆戻りして色々としてもいいんだけれど、今日はいつもと違って会社で大事な会議がある。
「絶対に遅れるな!」と親父に念押しされている為、色っぽい顔をして誘ってる(千帆にその気はないだろうけど)のに離れなくちゃいけないのは、ほんと。
殺意が湧くよね☆
……まぁ、親父には今度お返ししてあげるけど。
ふふ、と悪意に満ちた顔で笑う。
秘書は慣れたことと無視をしてくれたけれど、新しく入ってきたばかりの運転士が「ヒッ!?」と短い悲鳴を上げた。
こんな顔、絶対に千帆ちゃんに見せられないなぁー。
まぁ、千帆ちゃん相手には自然と笑顔になっちゃうから特に気にしないけれど。
ほんと。
こんなに一人の女に囚われるようになるなんて昔の自分からは考えられない。
でも千帆ちゃんに出会っていない自分はもっと想像が出来ないけれど。
ああ、本当に。
千帆に出会って、自分はかなり変わったなぁ。
◆◇◆
「……は?ナニ?」
目の前に居る木江 千帆(このえ ちほ)と名乗った女に対して低く唸る。
千帆はそれに怯えることなく先程と同じ言葉を口にした。
「朝日くんが好きです」
先に言っておくけれど。
今日は珍しく朝から学校に来ていて、でもやっぱり面倒になって裏庭で煙草を吸いながらサボっていた。
そこは俺のサボり場所になっていたから一般生徒はほとんど来ない絶好のサボりポイントで、たまに派手な外見をした女が自信満々に誘ってくるのを美味しく頂くような、そんな場所だった。
ほら?俺、性欲真っ盛りの男の子だから。
ええと。だからつまり、目の前に居る女が来るのはとても珍しいのだ。
綺麗な長い髪は一度だって染めたことがないのだろう艶々とした黒髪で。
制服を着崩すこともなく、短すぎず長過ぎずなスカートを穿き、アクセなんて1つも着けていない彼女を、俺は住む世界が違う人間だと瞬時に思った。
だからなのか。
口からは自然と辛辣な言葉が溢れ出る。
「先輩みたいにー、マジメそうな子。俺、きらぁい」
だからゴメンね?
と、かなりゆるっゆるな口調で馬鹿にするように笑って言った。
泣くかな?怒るかな?どっちにしても面倒くさそうだと思っていたら、予想に反して女は対して気にした様子もなく逆にスッキリしたような顔で微笑んだ。
「そっか。聞いてくれてありがとう」
「はぁ?それだけー?」
「ん?それだけって?」
「いや、だからぁ。身体だけで良いとか言わないわけぇ?」
「言わないよ?私は朝日くんの心が欲しいから。だけど朝日くんは私が嫌いなんでしょ?振られても身体だけが繋がってるなんて、そんなの私が虚しいじゃない」
絶句。とはこのことだと思ったよ。
今まで俺に告白してきた女達は振られて、それでも身体の繋がりを求めようとしてたし、最初からセフレになりたいって言う子だって居たんだ。
だからこの子の言ったことはとても新鮮で。
まるで新しいオモチャを見付けた気分になって。
「……オタメシで良いなら、付き合ってあげる」
気付いたら彼女に詰め寄っていた。
「はいはい、いってらっしゃい」
面倒くさそう、というよりは呆れた?顔をしながら玄関で俺を見送る千帆にふふ、と笑ってキスをした。
「っん、」
「ふふ、千帆ちゃんえっろーい」
「っ、美知!!」
「んじゃ、行ってきまぁす」
ちょっと深めにキスをしたら離れ難くなってしまい危うく早朝には似合わないことがしたくなっちゃった。
声を荒げて怒る千帆にクスクス笑いながらこれ以上欲が高まらない内に最後に頬に軽く口づけて早々に家を出る。
赤く染まった耳が可愛すぎて、もうどうしたら良いんだろう。
普段なら寝室に逆戻りして色々としてもいいんだけれど、今日はいつもと違って会社で大事な会議がある。
「絶対に遅れるな!」と親父に念押しされている為、色っぽい顔をして誘ってる(千帆にその気はないだろうけど)のに離れなくちゃいけないのは、ほんと。
殺意が湧くよね☆
……まぁ、親父には今度お返ししてあげるけど。
ふふ、と悪意に満ちた顔で笑う。
秘書は慣れたことと無視をしてくれたけれど、新しく入ってきたばかりの運転士が「ヒッ!?」と短い悲鳴を上げた。
こんな顔、絶対に千帆ちゃんに見せられないなぁー。
まぁ、千帆ちゃん相手には自然と笑顔になっちゃうから特に気にしないけれど。
ほんと。
こんなに一人の女に囚われるようになるなんて昔の自分からは考えられない。
でも千帆ちゃんに出会っていない自分はもっと想像が出来ないけれど。
ああ、本当に。
千帆に出会って、自分はかなり変わったなぁ。
◆◇◆
「……は?ナニ?」
目の前に居る木江 千帆(このえ ちほ)と名乗った女に対して低く唸る。
千帆はそれに怯えることなく先程と同じ言葉を口にした。
「朝日くんが好きです」
先に言っておくけれど。
今日は珍しく朝から学校に来ていて、でもやっぱり面倒になって裏庭で煙草を吸いながらサボっていた。
そこは俺のサボり場所になっていたから一般生徒はほとんど来ない絶好のサボりポイントで、たまに派手な外見をした女が自信満々に誘ってくるのを美味しく頂くような、そんな場所だった。
ほら?俺、性欲真っ盛りの男の子だから。
ええと。だからつまり、目の前に居る女が来るのはとても珍しいのだ。
綺麗な長い髪は一度だって染めたことがないのだろう艶々とした黒髪で。
制服を着崩すこともなく、短すぎず長過ぎずなスカートを穿き、アクセなんて1つも着けていない彼女を、俺は住む世界が違う人間だと瞬時に思った。
だからなのか。
口からは自然と辛辣な言葉が溢れ出る。
「先輩みたいにー、マジメそうな子。俺、きらぁい」
だからゴメンね?
と、かなりゆるっゆるな口調で馬鹿にするように笑って言った。
泣くかな?怒るかな?どっちにしても面倒くさそうだと思っていたら、予想に反して女は対して気にした様子もなく逆にスッキリしたような顔で微笑んだ。
「そっか。聞いてくれてありがとう」
「はぁ?それだけー?」
「ん?それだけって?」
「いや、だからぁ。身体だけで良いとか言わないわけぇ?」
「言わないよ?私は朝日くんの心が欲しいから。だけど朝日くんは私が嫌いなんでしょ?振られても身体だけが繋がってるなんて、そんなの私が虚しいじゃない」
絶句。とはこのことだと思ったよ。
今まで俺に告白してきた女達は振られて、それでも身体の繋がりを求めようとしてたし、最初からセフレになりたいって言う子だって居たんだ。
だからこの子の言ったことはとても新鮮で。
まるで新しいオモチャを見付けた気分になって。
「……オタメシで良いなら、付き合ってあげる」
気付いたら彼女に詰め寄っていた。