めんどくさがりの末路

私の家に告白してきた後輩くんが居るところにバッタリ恋人と鉢合わせた。
タイミング悪いなー。とか思ったけど、別れるチャンスかも、とも思い口を開いた

「あのさ、」


瞬間。


「なァ結菜?お前こんな訳分かんねぇ男連れ込んで何やってんの?そんなに俺が構ってやらなかったのが堪えた?寂しかった?なあ?俺が他の女と居るの嫌だったんだろ?仕返しにこんなことしたのは。可愛いねェ。だけどムカツクもんはムカツクから、後でお前はお仕置きだ。寝れると思うなよ?寂しい思いさせた分メチャクチャ愛してやるからよ」



な が い 。
てか怖い。
途中からまともに聞いてなかったけど、え?こわー。
呆然と聞いていれば、隣に座っていた後輩くんがいきなり笑い出した。
ナニゴト?


「あはは。先輩こそ何言ってるんスか?意味分かんねぇ。そもそも結菜先輩はアンタに浮気されて疲れたから俺に乗り替えたんすよ?アンタはお呼びじゃねぇ。つーか結菜先輩?こんなヤツちゃっちゃと別れちゃいなって言ったじゃないッスか?まあ、面倒くさくて別れてないだけだって知ってますけど。勘違いヤローは放って置くとストーカーに成りかねませんからね。あ、安心して下さい。結菜先輩は俺が守るんで。こいつさっさと追い出して後で一杯愛し合いましょうね?」


だ か ら な が い よ 。
何なのそれ流行ってるの?
私の言葉総無視な上に、ベッドの住人にするの流行ってるの?

というか何?
恋人の浮気は私の気を引きたかった的なので、ヤキモチも妬かせたかった的なアレ?
私、めちゃくちゃ愛されてる系な訳なの?
うわー。ないわー。

てか後輩くん。
お前普段のわんこどこ行っちゃったの?
何か狂犬になってるんだけど?
ハウス。帰って来ーい!
いや、やっぱそのまま2人とも帰って来なくていいや面倒くさい。


「で?どっちを選ぶんだ?俺に決まってるよな?」
「で?どっちを選ぶんッスか?俺に決まってるッスよね!」


ハモリって。…仲良いねアナタ達。
お姉さんには何が何だかもうついていけない。
というかとんでもなく面倒くさい。
この原因なんだっけ。
ああ、恋人の浮気を追求するのをめんどくさがった私か。
……はあ。
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