いつかの夕焼けはまた赤くなる【長編】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……眠」
「大丈夫?」
母さんが取ってくれた席はザカオの隣だった。
朝早くに家を出たお陰で身体が眠たいと悲鳴をあげていたのだった。
「東京までどんくらいだっけ」
「んー、正確な時間は覚えてないけど結構かかるよね。ちょっとまってて調べてみる」
「いや、いいよ。でも結構かかるなら一眠りしていいよね」
「うん。毛布借りる?」
「んー、借りる」
ザカオは笑うと、ちょうど近くを通ったCAの人に毛布を頼んだ。
私はそれを横目に前の座席を覗き込んだ。
「何それ、パズドラ?」
「うわっ! なんだ、びっくりした……」
私の前にはダーマが座ってる。
ダーマはゲームをポーズメニューにしてこっちを向いた。
「なんだよ」
「離陸時はマナーモードでっせ」
「小夏も危ないから座った方がいいよ」
ダーマの隣に座るンダホに言われ、私は大人しく席に戻った。
隣を見ると、ザカオは毛布を手にしてこっちを向いていた。
ありがと、とお礼を言って毛布を受け取る。
「じゃ、おやすみ〜」
離陸まで後少しという事で、機内の至る所でシートベルト着用のサインが出ていた。
私はシートベルトを付けてから広げた毛布にくるまって眠りにつくことにした。
「……っ…………小夏!」
「んあっ?」
どのくらい経っただろう。
体を揺すられて目を覚ますと、隣のザカオが小さく笑った。
「もうすぐ着くって」
「え、マジすか」
「うん。だからシートベルト付け直さないとダメだから」
ザカオに言われ、毛布をめくって見てみる。
すると、寝る前は付けていた筈なのに外れていた。
「あれ、いつの間に外したっけ」
「あ、外したのは俺」
ザカオを見ると、少しだけ照れくさそうにしている。
自分でやったくせになんでやねん。
「ってもう着くの?」
「うん」
「早……」
窓を見ると、一面の雲。
早いな〜と再度呟きながらそっと前の方を隙間から覗いて見た。
前に座ってるのはダーマとンダホ。
ンダホはダーマの肩に頭を置いて寝てるらしく、ダーマが時折肩を揺すっていた。
「頭乗せるのって、する側楽だけどされる側辛いよね」
私は思わず隣のザカオにそう言った。
「まあ、ンダホを乗せるのはは大変かもしれないけど俺はそんなに辛くなかったよ」
ザカオもザカオでそう言って笑った。
「それ、まるで私が頭乗せて寝てたみたいじゃん」
「…………」
「ちょっとザカオさん? なんで黙る……え、マジで? ちょ、うそ……え、ごめんね!?」
結局、そっぽを向いたザカオは飛行機を降りるまで目を合わせてくれなかったとさ……。
「大丈夫?」
母さんが取ってくれた席はザカオの隣だった。
朝早くに家を出たお陰で身体が眠たいと悲鳴をあげていたのだった。
「東京までどんくらいだっけ」
「んー、正確な時間は覚えてないけど結構かかるよね。ちょっとまってて調べてみる」
「いや、いいよ。でも結構かかるなら一眠りしていいよね」
「うん。毛布借りる?」
「んー、借りる」
ザカオは笑うと、ちょうど近くを通ったCAの人に毛布を頼んだ。
私はそれを横目に前の座席を覗き込んだ。
「何それ、パズドラ?」
「うわっ! なんだ、びっくりした……」
私の前にはダーマが座ってる。
ダーマはゲームをポーズメニューにしてこっちを向いた。
「なんだよ」
「離陸時はマナーモードでっせ」
「小夏も危ないから座った方がいいよ」
ダーマの隣に座るンダホに言われ、私は大人しく席に戻った。
隣を見ると、ザカオは毛布を手にしてこっちを向いていた。
ありがと、とお礼を言って毛布を受け取る。
「じゃ、おやすみ〜」
離陸まで後少しという事で、機内の至る所でシートベルト着用のサインが出ていた。
私はシートベルトを付けてから広げた毛布にくるまって眠りにつくことにした。
「……っ…………小夏!」
「んあっ?」
どのくらい経っただろう。
体を揺すられて目を覚ますと、隣のザカオが小さく笑った。
「もうすぐ着くって」
「え、マジすか」
「うん。だからシートベルト付け直さないとダメだから」
ザカオに言われ、毛布をめくって見てみる。
すると、寝る前は付けていた筈なのに外れていた。
「あれ、いつの間に外したっけ」
「あ、外したのは俺」
ザカオを見ると、少しだけ照れくさそうにしている。
自分でやったくせになんでやねん。
「ってもう着くの?」
「うん」
「早……」
窓を見ると、一面の雲。
早いな〜と再度呟きながらそっと前の方を隙間から覗いて見た。
前に座ってるのはダーマとンダホ。
ンダホはダーマの肩に頭を置いて寝てるらしく、ダーマが時折肩を揺すっていた。
「頭乗せるのって、する側楽だけどされる側辛いよね」
私は思わず隣のザカオにそう言った。
「まあ、ンダホを乗せるのはは大変かもしれないけど俺はそんなに辛くなかったよ」
ザカオもザカオでそう言って笑った。
「それ、まるで私が頭乗せて寝てたみたいじゃん」
「…………」
「ちょっとザカオさん? なんで黙る……え、マジで? ちょ、うそ……え、ごめんね!?」
結局、そっぽを向いたザカオは飛行機を降りるまで目を合わせてくれなかったとさ……。
27/27ページ